終業式 (新潮文庫 ひ 17-1)

  • 新潮社
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本棚登録 : 139
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321219

作品紹介・あらすじ

高校3年生だったあのころ、学校生活はきらめいていた。やがて、卒業仲良し男女4人組も、別々の道を歩みだした。それから20年。疎遠になったり、急接近したり。それでも、折々の手紙だけは欠かさなかった。行間から溢れだす秘めたる思い…。葉書、便箋、FAX、案内状、投函できなかった封書など、全編を手紙で構成。もう若くはない年頃になるまで、同級生4名が織りなした、波瀾万丈の恋愛タペストリー。

感想・レビュー・書評

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  • 手紙形式になっており、その手紙の中で進む物語なんだが、どうも湊かなえの告白のイメージが抜けずいつ人が死ぬのかと思ってたら、特になんともなく男と女がくっついたり離れたりなんだりかんだりを手紙を通してやりとりするだけだった。

    誰か死ぬか殺されるかと思って読んでしまった私としてはとてつもなく拍子抜け。

    ついでに手紙がものすごく昭和感が出ていて、リトルイングリッシュな感じが、ルー大柴のようで読みながらなんだかこっちが恥ずかしくなるような手紙の書き方でした。笑。

  • 全編に渡って登場人物たちがやり取りした、手紙、メモ、faxなどで構成したユニークな小説。高校から結婚、それぞれの進路をゆくキャラクターの人生が綴られる。

    注目してほしいのは、キャラごとの書きわけ。浪人時代に読書に耽っていた者は大人になってもやたら「文章引用」したがるし、高校から女の子っぽい子は七面倒臭〜い感じで成長していっているなどなど。
    「あー、いるよなこういう人…」
    って同感しながら読めます。
    ただ、キャラが煮えきらず、個人的には☆3つ。
    新感覚の小説に巡り会いたいときに読む本。

  • メールが普及してからは年賀状すらもう出さなくなってしまいましたが、手紙だからこそ電子的なものでは伝わらない誠意や色んなものが詰まっていると思いました。今や手紙を出したいと思っても相手がいないです。みんなメールですんでしまうし、改めて手紙なんて出してもなぜと思われてしまうし、私も突然きたらちょっと吃驚するでしょうし。携帯などがないからこそコミュニケーションツールとしてすぐそばにあった手紙。高校からずっと結婚して離婚まで手紙の応酬が続きます。タイミングが悪いなーとか一喜一憂してしまう部分があったりと面白く最後まで読めました。

  • 登場人物たちと同年代の私にとって、懐かしい風俗が登場するたびに、自分のあの頃はどうだったろうかと懐かしく思いだしました。全編、手紙だけで構成されているのが面白い。読んでいるうちに、自分の10代から30代をダブらせてしまいました。自分が男子校出身であることが、悔しくてなりません。

  • 高校生から大人まで手紙だけで話が進む。途中誰がだれだか混乱。
    2014.7.1

  • この世に生まれ落ちたからには、時間という余剰次元を無視することはできないと誰もが知っている。それに逆らうことなく浮かび運ばれることが人間のなりわいなのであろうか。逆らえないものだとわかっているのに、過ぎてしまったあの頃を悔やみ、来たるその時から逃れようとあがいてしまう。

    この本と出会ってからもう5年は経ったと思うけれども、わたくしが齢を重ねるにつれて感情移入する登場人物も変わってきたりするこの不思議さ!

  • 高校生の時からの手紙のやりとりでみんなが大人になっていく様がよくわかる。手紙文だけで心の中の変化が手に取るようにわかるのには驚き。

  • 2009/6/7
    おもしろい。
    恋愛小説は違う私だけどこの人のはいける。
    久しぶりにいい作家さん発掘したよ!
    うれしー

  • 読始:2007,8,28
    読了:2007,8,31

    全て手紙で構成されている
    つまり誰かから誰かへ宛てた手紙を読者はひたすらよむわけ

    途中登場人物関係とかわからなかうなったりもしたが、そういうところも考えながら読むのがいい

    この形式って私の中では新鮮で面白かった
    だって一度も登場人物同士が顔を合わせないのに話は進んでいくんだからね

    高校時代から大人になるにつれ手紙の書き方も変化する
    手紙を「書く」のではなく「認(シタタ)める」この違いって口では説明できなくとも、感覚的にはわかってるんだよね

    交換ノートとか手紙交換(文通)とかもうやってる人はいないかな
    高校時代にやってれば、それも青春の思い出として残ったのかなとか考えたりもした

    ひとつ指摘するなら、話のゴールが見えないことかな
    まぁ主人公達の心情の変化?を書いてるだけだから、特にこういう結末っていうのがないわけで当然かもしれないけど

    そういう意味で途中で飽きてくる人もいるのかもしれない

  • 一生のうち、何度か読み返すだろうと思う小説。並べられた手紙が、4人の男女を中心にそこから派生した人間関係を語ります。十代の終わりに初めて読んで、それから毎年読んでいます。毎年、気がつくところが増えています。感じるところが変わっていきます。無人島にもっていきたい一冊です。

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著者プロフィール

作家

「2016年 『純喫茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

姫野カオルコの作品

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