- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101334226
作品紹介・あらすじ
雪が舞い始め、やがて音もなく街を埋めつくす、美しくもどこか秘密を孕んだ冬。その恋は不意に訪れた。永江希和子・24歳。金沢で生れ育ち、母と二人暮し。職場の新年会の着物を新調するために訪れた呉服屋で、希和子の心をとらえた絵柄、そして-新進友禅作家・瀬尾との恋、新しい仕事。歓びと哀しみをひたむきに染め上げる人々。しかし、希節は移り雪とともに秘密も溶け出して…。
感想・レビュー・書評
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友禅染めの着物
街の描写
独特の方言
綺麗だった。
唯川恵に特徴的なOLの話もやっぱり出てきたし。
不倫・私生児・自殺未遂 など
ドロドロした設定が出てきたけどドロドロしてなかった。
全てが河の流れのよう…和風は美しい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Amazonの紹介より
雪が舞い始め、やがて音もなく街を埋めつくす、美しくもどこか秘密を孕んだ冬。その恋は不意に訪れた。永江希和子・24歳。金沢で生れ育ち、母と二人暮し。職場の新年会の着物を新調するために訪れた呉服屋で、希和子の心をとらえた絵柄、そして――新進友禅作家・瀬尾との恋、新しい仕事。歓びと哀しみをひたむきに染め上げる人々。しかし、季節は移り雪とともに秘密も溶け出して……。
金沢を舞台にした恋愛小説。ドロドロした要素はありましたが、サラッと流れるように大人達の恋愛が発展していくので、綺麗な恋愛小説かなと思いました。
ふとしたきっかけで出会い、恋に落ちるが、様々な恋の弊害が。しかし、乗り越えていって・・といった恋愛ドラマならではの王道路線の展開なのですが、この作品のアクセントとなるのが、加賀友禅の色彩や金沢の情景といった描写かなと思いました。
静かな佇まいやゆったりとした空気感が印象的で、そのほかにも心理描写も繊細でしたので、情緒ある雰囲気を醸していました。
出来事としては、ちょっとエッジが効いています。この作品は平成初期に出版されたということで、結婚における価値観や周囲の目が少々昭和気質が垣間見えます。
今の時代に読むと、窮屈な日々だなとしみじみ思うところもあり、今における日々との比較に、時代の流れを感じました。昔と今で、もしかしたら読んでいて印象は変わったかもしれません。
それでも、作品から受ける印象は、しっとりとした繊細な空気感を醸し出していました。金沢行ってみたくなりました。 -
読了 しました。
金沢が舞台の恋愛小説です。金沢で生まれ育った希和子と友禅作者である俊市との恋…時代背景はおそらく平成初期。ハマってしまい、希和子と感情を同期させていたらあっという間の読了でした。少し気の強い真っ直ぐで優しい希和子が魅力的でした。 -
作者の故郷、金沢を舞台に鮮やかに広がる物語。
しっとりとしていて、とても繊細で、ぬるま湯みたいに気持ちよかった。
読後感も暖かい。
登場人物のすべてが一生懸命で。
自分の気持ちにまっすぐ生きて。
女は惚れた男に幸せにしてもらうんじゃない、幸せにしてあげるんだって。
そうしたら自然と自分と幸せになるんだって。
言い切る希和子の母を、かっこよくて眩しいと思った。 -
金沢で生まれ育った希和子の仕事と恋。母子家庭で育ったが、実の父は友禅作家の有名人だった...
小説最後の『おまえら尾瀬さんに幸せにしてもらおうなんて心根でいるんじゃないだろうね』『いいかい、逆だよ、希和子が尾瀬さんを幸せにしてあげるんだ。自分の惚れた男が幸せになれば、自然と自分も幸せになる。すべては自分に返って来るんだ』というのが印象的。自分に娘がいたらこんな事を言える人間でありたいと思った。 -
静かなロマンチックという感じでした。
オトナな小説にありがちな「男と女」というより、心から動かされるような恋愛で、短い割には心に染みました。 -
金沢に行きたくなりました
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女性視点で書かれた恋愛小説はほとんど初めて読んだと思うが、俺には合わないと思った。色彩や風景による心情描写に凝っている感じだけれども、主人公にいまいち感情移入できないので、そういった描写にもあまり感銘は受けない。結局、ありがちな予定調和のラブストーリーという感想に至ってしまう。
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作者の地元金沢が舞台の小説。
色彩描写が豊かで、冬の真っ白な金沢と友禅の艶やかな色が浮かびます。
お母さんの愛し方とっても素敵です。 -
金沢の色彩描写が美しい。
唯川恵作品で一番好きかも。