雨はコーラがのめない (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339245

感想・レビュー・書評

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  • 静かな気持ちになる本。音楽に詳しい人が読んだらもっと楽しいのかもしれない。強い気持ちになりたいときに聴く曲、とか、表現しにくい気分のところを表した言葉が面白いなぁと思いながら、調べて聴いてみてた。多すぎて全部は聴いてないけど

  • 音楽が好きな人、お酒が好きな人向け。
    私にはまだ早かった

  • 音楽を犬と享受する。いいです。江國香織さんの日本語はそれ自体がリズムを奏でているような感じで、心をさっとなぞっていってくれる気がします。

  • 雨って、なるほどそういうことか。

  • 27
    こうやって、私はまたつい、強くなってしまうのだ。
    35
    あの気持ち。自由だけれどやや沈んだ、かといって全然淋しくはなく、むしろとても陽気と言いたいような、あの気持ち。
    36
    倦(う)んでいて自由な、孤独だけれど淋しくはなく、夜はまだまだながくて、ひつようさいていのものだけを持っている、不思議なぐあいに温かい、あの気持ち。
    73
    しかし、稀に、定番にならずにしまい込まれるものがあり、そういうものは、聴くと瞬時に特定の時期およびその日々の状況、聞いていた部屋の様子まで浮かんできてしまう。それは、現在に満足しているときにだけ、ちょっと愉しい「特別」になり、そうでないときは、容赦のない気恥ずかしさと、ある種の痛々しさをつれてくる。
    96
    全てのものを自分の目でしっかし見て、必要ならにおいをかいだりつっついたりもしてみて、判断してから恐がるひとに、私もなるよ
    恐怖はたぶん、一人一人がみんな個別に、いつも、そしてずっと、戦わなきゃならない何かなんだろうなあ。
    119
    雨もお酒がのめればいいのに、と私は思う。そうしたらこういう午後には、一緒に酔っぱらったりできるのに。
    123
    視力を失うと嗅覚や聴覚が発達する、というのは本当だろうか。もしそうなら、雨の耳のこの人の声はいまどんなに美しく響いているのだろう。もしかすると、感電しそうに美しく響いているのかもしれない。
    134
    なんでも説明をつけて安心しようとするのは人間の悪い癖だ、ということを、たとえば雨は教えてくれる。
    136
    雨の行動に、説明はつけられないのだ。
    153
    私は言葉に依存しがちなので、言葉に露ほども依存していない雨との生活は驚きにみちている。驚きと、畏敬の念に。
    音楽も、言葉には依存しない。歌詞がいい、というのはいわば付加価値であって、音楽としての力には、それは関係のないことだ。だからこそ、雨の世界にも私の世界にも音楽は流れる。

  • 江國さんの愛犬・雨と大好きな音楽のエッセイ。

    雨ちゃん、ほんと可愛い!雨の描写が的確で、目の前にいるかと錯覚するほど、元気ではちゃめちゃ!

    江國さんの音楽に対する感覚が素敵。彼女の紹介する音楽は知らないものがほとんどだったけど、聞いてみたいと思った。

    普段の何気ない体験や出来事が、江國さんの手にかかるとなんだかすごくロマンチックだったり詩的だったり、そんなものになる。毎日がアンニュイなのに淡々としてて、なのに優しさと雨への愛情に溢れてる、そんな雰囲気が一冊通して漂う独特の世界観。好きだな。

    「おもてがあかるくなると、夜に聴いていた音楽というものはいきなり光を失うから、その前に消さなくちゃいけない」
    これすごくわかる。

  • 愛犬の雨と音楽についてのエッセイ。音楽は洋楽が多くて、わからないことが多かったけれど、それでも、江國さんが書かれる文章の、静かで淡々としていてどこか途方に暮れている雰囲気なのにやさしさに満ちている感じがひしひしと伝わってきて読んでいて心地よかった。

  • 購入して再読。江國さんの愛犬・雨と音楽のエッセイ。雨に対する愛が深く感じられる心地の良いエッセイ。大好きです。雨かわいすぎるんだよー。2013/124

  • エッセイの作品なのだが、彼女がいつもどれだけの言葉に溢れた生活を送っているのかがわかる作品。普通の人が彼女と同じ生活を送っても、こんな作品を書くことはできないと思う。まるで小説を読んでいるようなエッセイだった。
    雨と江國さんの1人と1匹だけしかほとんど出てこないため、この二人(という言い方はなかなか変だが)だけで構成された空間に連れていかれたような錯覚を起こした。

  • 江國香織さんが
    飼い犬の雨とのエピソードを
    交えてお勧めの歌を各章で紹介する。

    コーヒーブレイクに
    その歌を聴きながらゆっくりと
    その章を読んで、聞くととてもいい。

    英語の勉強によくなるし
    彼女の世界観がわかって面白い。

    ただ、音楽の趣味が一致しないので、
    そこは少し難点。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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