むかし女がいた 改版 (新潮文庫 お 36-2)

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  • 新潮社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101344126

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な不思議なつぶやきを読んでいるような、小説であったり、詩のようでもあったり。幾人もの女たちの生き方を描いている。著者自身の人生が反映されてもいるような。
    男をみる眼がシニカルで、その眼にとらえられた男たちの行状・顛末には、どこか星新一の不条理なSFショートショートに似たような味わいもあり。

  • 小説なのか、散文なのか、詩なのか?

  • 何が良いのかさっぱり分からない。昭和40年代はこんなまったりとして漠然と妄想する女性が新しかったんだろう。

  • むかし女がいた・・・で始まる伊勢物語女性版のような28編のショートストーリー。
    その女は夢見る少女であったり、欲深い女であったり、無気力なだらしのない女だったり、諦めることに慣れてしまった女だったり、そして、それはとある女の一生の話なのか、別々な女の話なのか作家本人の話なのか、そしてそこは現代の事なのか戦時中の事なのか日本の事なのか異国の事なのか、本当の事なのか作り事なのか・・・読み続けていくうちに深い沼に足を取られて身動きできなくなっていくような不思議な感じ。
    どの女も怖いです。まんまと大庭みな子ワールドに嵌ってしまった。

  • 短編は、やっぱりちょっと苦手です。
    好みが割れる1冊かもしれません。
    深いような…深くもないような…。

  • 「あなたにあげます。もう読んでしまったから」

  • 「むかし女がいた」という書き出しで始まる28編の短編集。そうです、「むかし男ありけり」の現代版、女性版という訳です。女が描く女は、時に残酷で愚かで、でも切なく愛しい存在でもある。

  • 28人の女を描いた短編集。どの女も独立した存在でありながら、全ての女が繋がっている(一人の女)様に感じられる物語。万有子みたいな女も出てきてどきっとした。鈴虫の話が気になる。大国主命も出てきてゼミ発表の悪夢が再来。でも、アレよりは解読しやすそう・・・・な気がする。28章の最後に出てきた詩(?)が凄く気になる。あの短い詩の中にみな子の一部がぎゅっと凝縮されている感じがする。みな子作品2つ目の作品だけど、増々彼女に惹かれています。

  • 「むかし女がいた。」から始まる数々の物語。本の粗筋書きには”現代版伊勢物語”とあります。(むかし男ありけり)
    でも読んでいて「むかし女がいた」は、「今は昔」のような響きとなって聞こえてきます。
    内容は、女が思う、経験する、様々な物語をショートショートのような形式で綴っていきます。
    時にはフェミニズムであったり、時には自由奔放であったり。
    女性が日常的に昔から変わることなく思い続けていることを、微にいり細にいり、又は大胆に連ねていくのです。夢のような、おとぎ話のような語り口で。
    「まったく、男って・・・。」と、思っている女性にはうってつけの本かも知れませんね。

  • 本の持ち主の少年が死ぬほどかっこいい…

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著者プロフィール

1930年、東京生まれ。津田塾大卒。68年、処女作『三匹の蟹』で群像新人賞、芥川賞を受賞。代表作に、谷崎潤一郎賞作『寂兮寥兮(かたちもなく)』、野間文芸賞作『啼く鳥の』、川端康成文学賞作『赤い満月』など。小説の他にも、詩、エッセイ、評論、翻訳など幅広い著作を生み出している。芥川賞など数々の賞の選考委員もつとめた。

「2005年 『大庭みな子全詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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