カレーライス 教室で出会った重松清 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349398

感想・レビュー・書評

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  • 「千代に八千代に」のおばあさん達、「バスに乗って」の運転手の河野さん、「卒業ホームラン」の「だって、ぼく、野球好きだもん」の一言。

  •  大好きな重松清さんの短編集。

     私のお気に入りは、本のタイトルにもなっている『カレーライス』です。主人公が父と喧嘩し、そこから父との関係を「カレーライス」を通じて、立て直していくお話です。他にも『千代に八千代に』や、『ドロップスは神さまの涙』などのお話もお勧めです!

  • あとがき、素敵ですね。ジーンときます。コロナ禍の今だから、読んで欲しい。なんだか、どの話も、身近であったような体験したような懐かしいような…私も転校したので、あいつの年賀状も北風びゅう太もジーンときます。大人に読んで欲しい短編ですね。

  • 私が重松清を大好きなのは、彼に教室では出会わなかった世代だからなのかもしれません。もしも出会っていたら、アマノジャクの私は、こんなにも清廉な作品群を皮肉混じりの目で見ていた可能性があります(笑)。がんばればいいことがあるとか、努力は必ず報われるとかって、叶った人だけが言うことだと。

    重松清はいじめをすっかり解決するわけじゃない。つらいこと全部どこかへ運び去るわけでもない。でも、周囲には自分のことを気にかけてくれる人もきっといる。今はいいことがなかったとしても、がんばるうちにいいことがあるかもと思えるのです。

  • あとがきは読まないと損です!
    遠い存在の重松さんに親しみを感じます。

    【ドロップスは神さまの涙】
    女の子が「お願いやめて」とこころの中で強く願う場面、読んでいてこちらまで「お願いっ!」って涙ぐんじゃいました。
    神さまの涙はうれし涙、いいですね。

    【にゃんこの目】
    《友だち》の捉え方は大人になったいまでも考えます。
    nozomiさんは《友だち》と《知り合い》のハードルが高いよね。
    大丈夫、《知り合い》のひとたちは《友だち》だと想ってくれていると思うよ。
    そう言ってくれた夫に感謝です。

    【バスに乗って】
    お見舞いに利用するバスの回数券
    運転手さんは君のことを「こども」扱いしないね。
    「人」として成長する機会は教室だけじゃないんだね。

  • ★付は国語の教科書に載っている話で、入試や模試に繰り返し出題されている話を組み合わせて構成されている、ということが書かれたあとがきが面白かった。
    にゃんこの目に"一線を越えた""ヤリマン""レイプ"という単語が出てくるので、それが単語だけはOKなら、小学校図書館大丈夫。ルビは小学生にはやや難しいものしか振ってない。呑み込む、台詞、褒める、唇などルビなし。
    「カレーライス」★
    「千代に八千代に」
    「ドロップスは神さまの涙」
    「あいつの年賀状」★
    「北風ぴゅう太」
    「もうひとつのゲルマ」
    「にゃんこの目」
    「バスに乗って」★
    「卒業ホームラン」★

  • 短編なのにボロボロ泣ける。
    学生時代の友達とのイザコザや、自分が深い考えなく、友達を傷つけていたことが蘇ってきた。

    最後の短編、「卒業ホームラン」は、前月まで少年野球をしていた息子と丸かぶりだった。悔しがらない息子を歯がゆく思い、自分を納得させたり、監督を悪く言ったり、本のまんますぎて、入り込んでしまった。

  • カレーライス、懐かしい、、!と思って借りてみた本。
    小中学生の感じる難しさみたいなものを上手く表現してる。
    最近は目の前のことに必死だったけど、小中学校、わたしにもたくさん思い出あったなー。ほっこりあったまりました。

  • カレーライス、教科書に載っているので一度は読んでみたいと思って手にとった。
    そしたらなんと令和2年6月出版。コロナ禍での出版、教育に精通している重松さんからの応援本のように感じて、すごく嬉しい出会いの1冊になりました。

    短編どれもが、大人だったり子どもだったりそれぞれの立場に寄り添って語られていて、すごくリアル。思春期ってホントに多感で不安定。誰もが通る道だからこそ、その子達に接する大人として、懐かしいなと大きく構えていたい。
    そして制限が多い今だからこそ、一瞬一瞬がかけがえのない時間だということを子ども達に伝えていきたい。

  • 重松清さんの切なくて辛い、けど最後には、ほっこりするこういう物語は好き。
    学校の友達とか親子関係とか、、特に子どもからの目線に沿った物語が上手くて、入りやすかった。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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