よしもとばななドットコム見参!―yoshimotobanana.com (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359182

感想・レビュー・書評

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  • よしもとばななさんの公式ホームページの日記を書籍化したもの。
    掲載されている日記は2001年5月から12月まで。
    日記のそこかしこにこの前に読んだ『王国』シリーズの世界に通じるものを感じた。
    読んだばかりだからそんな気がするだけかなと思ったけれど、『王国その1』が2002年の作品のようなのであながち外れてもいないかもしれない。
    小説とはまた雰囲気が違うけど、よしもとばななさんの感性の瑞々しさを日記からも感じた。
    光に溢れているというか、それも太陽の光で、水面に光が反射してキラキラしているようなそんな印象を受ける。
    怒りの日記もあるのだけど(虹の湯のこととか、行ったこともないのに覚えてしまう程のインパクト…)、それも濁りがないような。

    日記は2002年以降もずっと書籍化されているようなので順番に読んでいきたい。
    最近自分の日常が若干非日常的でワクワクドキドキしながら過ごせていて、そのせいか小説よりも日記の方が読みやすいみたい。
    好きな人のこと、好きな場所のこと、好きな食べ物のこと、好きなもののこと、…たくさんの「好き」がストレートに表現されているから考え過ぎてしまうような時にはいいのかもしれない。
    あと、ちょっとずつ読めるところも今の自分に合っているのかも。

  • 私は日記本が好きである。
    「土佐日記」とか「更級日記」等の古典はちょっと別格として(学生時代に読んだだけなので)、桜庭一樹の「桜庭一樹読書日記」や藤田香織の「だらしな日記」や森博嗣の「WEB日記シリーズ」、永井荷風の「断腸亭日常」や武田百合子の「富士日記」など、たいてい本棚のいいところに置いて何度も読み返す。

    だけど、この本はダメだったなあ。
    薄い本なのに、読んでも読んでも終わらない気がして気が滅入った。

    よしもとばななの作品は割と好きだ。
    『TUGUMI』を初めて読んだ時の衝撃といったら!

    でもよしもとばななの日常生活には、あんまり興味がないんだな。
    で、ホームページで公開している日記は、創作ではないわけで。
    実生活を綴るだけでも物の見方であったり思想信条に蒙を啓かれるとか、ひとえに文章が素晴らしいなどの特徴がないと、なかなか読み続けるのはしんどい。

    そして、一番引いたのが、銭湯入れ墨事件についての記述。
    彼女は小さな入れ墨を2か所入れている。
    入れ墨禁止の銭湯に行っても、「困ります」と言われたら、ばんそうこうを貼って入ったり、名前を名乗って「人に迷惑をかけないから」と言って入っていたらしい。
    ところがある銭湯で「決まりですから」と拒否されたことに対して、名指しで怒る。
    有名作家がホームページで。

    ほんの小さな入れ墨が、何の迷惑をかけるというのかという彼女の気持ちはわかる。
    けれども客商売として、どこかに線引きをしなければならないのもわかる。
    今まで許されていた彼女の言い分がここでは通らなかったので「客商売としてこの頑なさはいかがなものか」というが、そもそもルール違反をしているのは彼女の方だ。

    入れ墨禁止だと一般客には言っていながら、有名作家なら「迷惑かけませんから」と許すのなら、そのダブルスタンダードこそ客商売としていかんだろう。
    それを見た一般客が不愉快に思うことだって考えられる。

    入れ墨の是非とは別に、約束事を無視しておいて「頭が固い」は違うんじゃないかな。
    それこそ有名に胡坐をかいたモンスタークレーマーでは?

    作家と作品は別物なんだなあと、つくづく思う。

  • シリーズ第1弾。著者の公式ホームページに掲載された日記をまとめた本です。

    よしもとばななが旅と食と友にまつわる日々の出来事を、飾らない文章で書きとめたもので、まとめて読むよりも、ちょっとした空き時間に手を伸ばしたくなる本です。

  • 「しかしその直後に私も当時の彼氏のことをみてもらい『この男の人は一生仕事はぱっとしないけど、ずっと肌もきれいで絶対にはげないよ』と言われた。それがなんだというのだ!と私は思ったが、まわりはやはり大笑いだった。」楽しいけど、日記だから話がぴょんぴょんする。日々の記憶を読むのは自分はあまり向いていないのかも。

  • ばななさんのブログをまとめたもの。この時期のばななさんのエッセイを読んでいなかったので、あぁ、あの作品が書かれ頃はこんな感じだったんだーと思いながら読みすすめました。いつも周りの方をだいじに思われているところ、見習いたい!

  • いろんな人と会って、おいしいものを食べて、映画を観て、本を読んで、美術館に行って…とてもすてきで羨ましい生活だ。仕事のことはそんなに書いていないからかもしれないけど、このアクティブな生活が、素晴らしい感性を作り出し、躍動感のある楽しい文章を生み出すのかなと思う。たくさん飲んで食べているけど、よくこんなにお腹に入るなぁと感心してしまう。

  • 読んでいると、ハッとする言葉が出てきたりしてこのエッセイ本を買い集めて今読んでいるところです。作家の日常がどんなものなのか、ということを今まで考えてなかったけれど結構ハードなんですね・・・。でもたくさんの人と動物に囲まれて、喋って食べて、とっても大変でもとっても充実している毎日のように見えます。

  • 2008 12/8

  • よしもとばななさんのWEBエッセイ。

  • とりあえず、お金があって読みたい人が読めばいいというスタンスに納得。何となく読むにはもってこい。ところどころでハッとさせられたり、うーんと思ったり。

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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