天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101366517

感想・レビュー・書評

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  • 全国を駆け巡り、
    食文化の境界線がどこにあるかを探訪。
    天ぷらにソースとか、味噌汁にニラとか、
    地方・地域での食文化の違いを調査した内容です。
    ぜんざいとお汁粉、ばら寿司かちらし寿司か。
    メロンパンとサンライズというのもあって、
    地域で同じものでも、名前が違ったり、
    内容が異なったりしていて、面白かったです。
    塩ゆで落花生は千葉県だけかと思ってたら、
    富士宮近辺でも食べられていたとは、
    なんだか新鮮に驚いてしまいました。
    東海道における食文化の境界線の調査は、
    実際に行って食べているところに感動!
    天かすと揚げ玉・・・
    “揚げ玉”が少数とは思いませんでした。(by千葉県人)

  • 読書録「天ぷらにソースをかけますか?」4

    著者 能勢泰申
    出版 新潮社

    p240より引用
    “ 我が家にはいつも一種類の味噌しか置い
    ていないが、このメールを読んで、いくつか
    の味噌を具や季節によってブレンドするのが
    味噌汁の本当の楽しみ方かもしれないと思っ
    たのである。”

    目次から抜粋引用
    “ソースで天ぷら
     中華まんを考える
     メロンパンとサンライズ
     お豆について
     漬物をどうぞ”

     新聞記者である著者による、日本の地方ご
    との食の特色の違いをとりあげた一冊。
    「全日本「食の方言」地図」改題・改稿文庫
    版。
     天ぷらにつける物の違いから食文化の東西
    境界線についてまで、ウェブでの情報や投票
    結果を元にまとめられています。

     上記の引用は、地方ごとに使われる味噌の
    違いについて書かれた章での一節。
    いつも自分好みのお味噌を使った味噌汁を飲
    むのもいいかもしれませんが、ずっと同じよ
    りは、時々変化をつけることで、よりいつも
    の味が引き立つのかもしれませんね。
     日本中を転勤して回る人などは、この本に
    あるような食の違いを実体験することになる
    のでしょう。たまに旅行で遠くに出かけるく
    らいの私でも、旅館で食べる醤油の味の違い
    や味噌の違いを感じるくらいですから、その
    食べ物の違いに長く付き合わなければならな
    いのは、人によっては苦労かもしれません。

    ーーーーー

  • てんぷらにはソースをかけ、冷めた翌日のてんぷらは味噌汁にいれて食する地域で育ちました。ずっとそれが正統派だと思っていたので、天つゆが当然の地域に引っ越してビックリでしたね〜。実はこのホンのタイトルに惹かれて衝動買いでした。今回再読してやっぱりおもしろかった。「食の方言」とは言い得て妙だと納得です。 話のネタにもってこい、盛り上がりますね。

    ここだけの話ですが、我が家では最近てんぷらにはポン酢です。

  • 何の前触れもなく、東京の父から送られて来た本。
    現在愛媛住まいの私に、
    「愛媛は天ぷらにソース地域になっているが、本当か調査して報告せよ」
    という指令だった。
    今のところ、ソース派ご本人には会っていないのだけど、同じ章で取り上げられていた「紅しょうがの天ぷら」はスーパーに売っていた。
    まだ試していないけど、そのうち。
    そんな地域ごとの食の違いをネットアンケートを元にまとめた本でそれだけでも興味深いのだけど、作者の語り口調が愉快で、そちらも楽しめる。
    適度にいい加減なのも好き。
    大体は何故その食べ方が主流になったかの推論があるのだけど、たまに「たまたまマヨラーが多かったんじゃ」とか。ね。
    後半の、作者が自ら東海道を歩いて食の境界線を探す旅行記も、頭おかしいわーと褒め言葉として言いたい執拗さ。
    第二弾もあるらしいので、読んでみたい。

  • 383.8

  • 日常の、当たり前と思っている食べ物が、当たり前じゃないかもしれないなんて、考えたことがある人は少ないのでは?
    そうそうと思ったり、知らない、信じられないという反応をしてしまうものとかもあって、面白かった。
    椎名誠さんの解説も必読。欧米の肉事情と日本のそれを比較している。
    最後に、東海道五十三次を主に歩きながら、サンマーメンやらネギやら味噌やらを調べて、原稿を書いて旅した著者と会社に感謝を。

    西日本で生まれ育ち生活している私ですが、カレーやそばのつけ汁に生卵を加えるのは嫌いです。

    『全日本「食の方言」地図』を改題、改稿。

  • 天ぷらにソースをかけますか?―ニッポン食文化の境界線 (新潮文庫)
    「B級グルメ」ブームに乗って、昨今、脚光を浴びている「ご当地料理」。同じ料理であっても、隣県でさえ食べ方が違う場合がある。本書はニッポンの食文化の境界線を探り、言葉のみならず「食の方言」をあぶり出す。設問に次々と寄せられる情報と、日本地図に浮かび上がった境界線。意外だったり、納得したりと、とても楽しく読めました。全国展開するお店が増えた現在でも、食の方言は標準化されておらず、むしろ、ご当地グルメとして脚光を浴びる事は嬉しい限りです。しかし、「食の方言(味覚)」が異なる家庭は、中々、スリリングなものが。。。

  • 天ぷらにソース、「かけるやん。でも、天麩羅屋の天ぷらにはかけないな」
    肉まんに…、「肉まんって違和感あるわ。豚まんじゃろう。東京で購入した時に「辛子忘れとるで」って店員に言うたわ。」

    ケンミンショーのあネタ本とも言えるもの。

    人気テレビ番組「ビーバップハイヒール」で紹介されていたので、著者の本を購入。

    東海道を歩いて食の境界線を手繰る章は圧巻であるが、本書を改訂する前の「全日本「食の方言」地図」のほうを読みたくなったりして。

  • 神奈川なんかとなりだけどサンマーメン知らないし、静岡のイルカとかびっくり。漬物を煮る?カレーに生卵??サンライズって??冷やしラーメンは山形にあるやつじゃないのか?
    東京大阪京都のきつねたぬき問題についてはちょっと知ってたけど、あれもなんであんなことになってるのか研究の余地はあるね。揚げ玉は揚げ玉。天かすじゃやないです。
    ちなみにタイトルへの答え。かけません。ウスターソースは私にとってはなくても困らない調味料。
    食じゃないけどポリタンクの色問題も興味深いね。もちろん赤でしょ。

  • 東西日本の食文化の違いは、わかっていたつもりでも存外に「へー!」というものがある。
    そんな小ネタを楽しませてくれる本。

著者プロフィール

1951年、福岡県久留米市生まれ。日本経済新聞特任編集委員・コラムニスト、「B-1グランプリ」主催団体「ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」顧問。東京都立大学法学部卒。75年、日本経済新聞社入社。社会部、生活情報部などを経て文化部編集委員。地方独自の食文化に注目し著した『全日本「食の方言」地図』(日本経済新聞社、後に改題、『天ぷらにソースをかけますか?』新潮文庫)が話題となる。他の著書に、『文学ご馳走帖』(幻冬舎新書)、『ちゃぶニチュード!』(幻冬舎文庫)、『納豆に砂糖を入れますか?』(新潮文庫)など。

「2017年 『食は「県民性」では語れない 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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