恋文 (新潮文庫 れ 1-4)

著者 :
  • 新潮社
3.66
  • (84)
  • (117)
  • (163)
  • (19)
  • (5)
本棚登録 : 921
感想 : 130
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101405049

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 非常によかった。
    5話の短編だったけど、どれも切なくて澄んでいる文章で、なんというか読み終えてから美しさの余韻に浸るようなところがあった。こういう気持ちは言い表しがたくてもどかしいなぁ。男性より女性のほうがこの本は好きそうだし、古典の純文学好きな人は好きな作品だと思った。読みやすいし、実際内容もありえるような話なんだけど、読み終えたときの後味がすごくいい。

  • 直木賞受賞作「恋文」。夫婦とは何かを考えさせられた。10年一緒にいても分からない部分があるのは当然で、それは本当の友人と思う人にも言える事。別れの証がラブレターに変わる時、そんなこと全てが受け入れられるのかも。その他4作奥深い恋愛小説。

  • 大人の恋愛短編集。美しい文章とストーリーに、胸がじゅんとなります

  • 91回 1984年(S59)上直木賞受賞作。表題作を含む短編集。白血病を発症した昔の彼女の元へ走る夫とそのことを寛容に見守る妻の話。少しの幸せとせつなさを味わえる秀作。おすすめ。他の4作品もそれぞれシチュエーションが違っての恋愛物語が味わえる。
    収録作)『恋文』、『紅き唇』、『十三年目の子守唄』、『ピエロ』、『私の叔父さん』

  • 文章が綺麗な大人のロマンス短編集。
    ただどれも後半になると説明臭くなってやや興ざめになるのが不思議。ミステリっぽい筋立てなので、仕方がないのかな。でも全部説明することもないんだよなあ。
    強い女性とへタレな男性が出てくる話がほとんどで、それでこれだけバラエティに富んでいるのは面白いなあ。
    大人になりきれない人たちがあがいているような。

    「気づかぬうちにこの頃では歳下の男への態度が子供相手の母親同然になっている。」(恋文)にニヤリ。
    一番好きなのは「紅き唇」。
    彼女が大好きだったお婆ちゃんと重なって、グッときてしまった。
    お婆ちゃんは若い頃美人だったと信じてるけど、気の強さ加減が。
    亡くなる直前まで看護師さんとやりあってたもんなあ。
    パチンコの涙も印象的。

    「大人ってのは、嘘をつけることだ。本当のことでも言ってはいけないことなら口に出さない人のことだ」(私の叔父さん)

    強力にお勧めされて読んだ本なんだけど、なぜ?多分テレビで誰かが何か言ってたんだろうけど、なんで勧めたか聞いても既に忘れているっぽい。
    謎のお勧め本。

  • 夫婦、恋人、愛人、横恋慕、浮気、不倫。すべての恋愛はミステリーで時には不道徳なことも。だけどここに出てくるお話のなかの愛は、魔法にかけられたように、すべてがいとおしく思えてしまうものばかり。愛とか優しさとか弱さとか、それぞれが罪深い。というよりもこの1冊丸ごと、罪深い。でもそこが、罪深い愛こそが、いとおしいのだ。小説のマジック。あとはとにかく、連城さんの美文っぷりにうっとり。おもしろかった!

  • 奥行きのある大人の物語。
    便利な時代の饒舌な絆ではなく、誰かの存在や人生をじっくりたどるような、やさしさに満ちあふれている。
    昭和という時代背景に、憧憬すら覚えた。

  • ひとつひとつがとてもよろしい

  • ブックオフで見つけて読みました。
    小説だからあり得る話なのかなと思いました。
    現実とはかけ離れているけど。
    そして、私の夫なら絶対理解できないようなストーリーですね。説明しても、私の言葉足らずなのか、話に共感されませんでした;;

    とにかく、私とまったく違う世界のお話でした。
    でも、次の短編も気になって結局最後まで読み終わりました。
    優しい主人公たちが出てくるので、人の温かみや思いやりなんかを感じさせられます。

  • 泣いちゃいました。
    あまーい、あまーい恋愛のおはなしではなく、
    何かしらを抱え、でも流れる日常をそれなりに過ごす大人たちの物語。

    最近、恋愛ものを読むたび、辻仁成のサヨナライツカを思います。

全130件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

連城三紀彦
一九四八年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。七八年に『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。八一年『戻り川心中』で日本推理作家協会賞、八四年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。九六年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。二〇一三年十月死去。一四年、日本ミステリー文学大賞特別賞を受賞。

「2022年 『黒真珠 恋愛推理レアコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

連城三紀彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×