- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101425122
感想・レビュー・書評
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記憶を無くした主人公が徐々に思い出す話。
単純な話かと思ったら少し複雑で楽しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
記憶喪失になった女が記憶を取り戻そうと奮闘する話。
おおまかなストーリーは好みだけど、
読み終わってみると「たったこれだけの事にこんなにページ数は要らない」と感じた。
終わり方も、無理やりイヤミスにしようとしているように見えた。
私には合わなかった。 -
近々結婚式を控えているのに事故で記憶喪失。
記憶を取り戻す記憶の旅にでるのだけれど、
階段を下がるように、記憶のひだがめくれていって…。
あたかも時間旅行のようになって行きつ戻りつ。
そこにサスペンスがあります。
ひとむかし前の「結婚に揺れる」女性の心理。
だって今じゃ、揺れる前に止めてるもの。
だからいまどきのひとにはわかりませんって。
でも、一気に読んじゃいました。
乃南アサ、うまいんです。 -
y
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母のお気に入りの本。
続きが気になってさくさく読めた。
「この後どうなるの!?どういうこと!」と続きが気になり早く読みたかったが、自分の活字を読むスピードが1ページ1分程と遅いため、「早く読みたいけどなかなか進めない、、」ともどかしさを感じた笑
千尋の人柄がわかるにつれて、どんどん好きになっていった。
最後に「あーなるほど」とすっきりできてよかった。また読み返すかな。
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2000.01.01
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6月19日に結婚式を挙げることになっていた池野千尋は、交通事故で記憶をうしなってしまいます。彼女は、道端で倒れていたところを前田一行という男に救われ、彼のもとに身を寄せます。そして彼女は、わずかな手がかりを頼りに記憶から消え去った自分の過去をさがし求めます。
やがて彼女は、新宿のクラブ「柚子」でホステスとして一年間働いており、原田というエリート・サラリーマンを手玉にとって、6月19日に結婚式を挙げる予定だったことを知ります。ところが、彼女は結婚式の直前に杉崎という別の男とドライヴに出かけて、その途中で事故にあって記憶をうしなったのでした。彼女が自分を裏切って他の男と会っていたことを知った原田は、彼女の不実を罵り、千尋自身も自身の不誠実な生きざまを知って絶望します。しかも、千尋が新宿のクラブ「柚子」で働いていたのは一年ほどで、そのときも彼女は昔の記憶をうしなっていたことがわかります。
さらに、彼女といっしょに暮らしていたという義母の雅美が、弁護士の山上という男をともなって一行の部屋に現われ、千尋を引き取ると言い出します。一行は彼女を引き渡すことに同意しますが、その後彼女が記憶をうしなった6月19日に起こった出来事を知り、その後ようやくすべての記憶をとりもどします。
振り返ってみるとストーリーそのものの不自然さが気にかかりますが、記憶の空白をたどっていくという展開にはやはり緊張感があり、一気に読ませる作品だと思います。 -
交通事故に遇い、一週間後に結婚を控えたことだけを残し他の記憶を失った千尋が、倒れている彼女を拾った一行やホステスをし悪女だった過去や義母を名乗る雅美に混乱しながら、一筋縄でいかず錯綜する記憶を辿る。雅美と弁護士のサスペンスな彩りと、そこで手伝いをしているあまり頭の良くない素朴なトモヨに引き込まれた。
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乃南アサさんの小説には、人間のどうしようもない部分が隠すことなく書かれています。
主人公は記憶喪失となり思い出を失いますが、過去ほどあやふやなものはないと改めて気づかされました。
記憶はないけれども、肌で誰かの温かいぬくもりを感じ、どこかに自分について話したい人がいる。記憶を失い、思い出を忘れ去ったとしても、自身を形成している断片は、現在の自分自身で証明されるということなのかなと思います。
何より、大切な人が信じて待ってくれている、それだけで女性は強くなれる気がします。