駆けこみ交番 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425450

感想・レビュー・書評

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  • 「ボクの町」続編。
    本当のお巡りさんになった聖大が、大活躍?
    元々の心根の優しさから とどろきセブン と上手に付き合ってお手柄をあげる。

    心の声はヤンチャなままだけど、社会人として、優しい気遣いもあって聖大、頑張って!と、とどろきセブンの面々と同じく、応援したくなる。
    しかしながら
    途中 とどろきセブン発足の件では 聖大を単に可愛がって応援してるだけではない、したたかさも感じられて、伊達に年を重ねてる訳じゃないんだなと笑えた。

  • 高木巡査の新たな舞台は、世田谷区等々力の交番。お仕事小説の雰囲気も散りばながら、ミステリに発展。高木聖大の成長を楽しむ作品。

  • 前作より大人になった主人公に好感が持てた
    とどろきセブンのような老後を過ごしたい

  • 久々に乃南アサさんの作品を読み返す。
    新米巡査の聖大が主人公の気軽に読めるこのシリーズもの、もうちょっと読んでみたい。

  • 乃南アサさんの作品を初めて読みました。出会いの印象がとても良かったので、一気に読み切ることができました。この作品が「ボクの町」という作品の続編であることを知ったので、順序は逆になりますが、ボクの町も探して読みたいと思います。

  • 「聖大シリーズ」の第2段。
    こんどは短編集。

    とどろきセブン、なかなかスゲェ。

    このシリーズ、これで終了なのでしょうか?
    希少な「交番小説」なので、続いてくれればありがたいなぁ。

  • お巡りさんが主人公の人情ものと軽く見ていたが、どうしてなかなか、結構深かった。


    『駆け込み交番』 乃南アサ (新潮文庫)


    新米巡査の「高木聖大」が主人公の短編集である。
    四作収録。


    物語はいきなり、“彼氏のマンションのドアを罵声とともに蹴り上げるすさまじい女を説得する”という任務にあたる聖大のシーンから始まる。
    お巡りさんって大変だ。

    聖大は、よくある新米のお巡りさんのイメージの、熱意があって正義感が強くて失敗も多いけれど真面目な好青年、というのとはちょっと違う。
    私服は派手だし、ピアスの穴開けてるし、16歳から煙草吸ってたらしいし、田舎の交番勤務なんかよりかっこよくて派手な刑事になりたいとか思っているし、おまけに彼女が欲しいと年中ぼやいている今どきの若者なのだ。

    聖大の勤務する等々力警察不動前交番は、管内に等々力渓谷を有し、自然が多く残る平和なところである。
    四日ごとのローテーションで、外回りや交番内の仕事、立番などが回ってくる。
    SWやPS・PM・PCなどの専門用語が使われていたり、SWに入る緊急情報や無線での会話が、緊張感があってリアルだ。
    しかし、物語は決して“警察24時”のような緊迫したものではなく、事件はいろいろと起きるものの、どこかのどかである。

    眠れない夜に時々交番にやって来る、自称不眠症の大金持ちの老婦人「神谷文恵」と、彼女率いる老人クラブ“とどろきセブン”。
    メンバーは七人、すべてじいさんばあさんだが、これが只者じゃない。
    年寄りだと侮るなかれ、彼らはプロの技術屋集団なのだ。
    彼らは特技を生かしてボランティアで教室を開き、人に教えている。
    そしてのちに分かるが、彼らには表には出さない裏の顔があった。
    パワフルかつミステリアス。
    こんな年寄りになりたいわ。


    そんな老人たちと聖大との出会いを描く一作目「とどろきセブン」に続き、二作目「サイコロ」では、ネグレクトにあっている幼い兄弟をセブンのメンバーが陰でこっそり助ける。
    “お稲荷さん”の演出が心憎い。

    三作目「人生の放課後」は“とどろきセブン”の結成秘話である。
    少し悲しいメンバーの過去と、それを乗り越えてきた強さは、私なんかの若造が簡単に語れるものではなく、永く生きるとはこういうことか…と、しみじみ考えさせられた話だった。

    四作目「ワンワン詐欺」は、文恵の知り合いの老婦人が犬を誘拐されたと交番に駆け込んできたことがきっかけとなり、15年前の文恵の夫の死の真相にまで辿り着く、というお話。

    聖大は定年間近のベテラン刑事の助手として、張り込みや聞き込み、尾行を経験し、ともに行動することで老刑事の生き様を見る。

    「ものの弾み」「行き当たりばったり」「彼女にふられた腹いせ」で警察官という職業を選んだ聖大が、彼ら老練の先達たちによって成長していく過程が清々しい。


    聖大とセブンのメンバーだと、私は年齢的には両者の中間かギリギリ聖大に近いのだけれど、彼の成長を老人たちと同じ目線で微笑ましい気持ちで見てしまう。
    応援される側から応援する側に、自分も変わっていってるんだろうな。

    決して熱心な警察官とは言えない聖大だが、そう思いながら冒頭の、女性を説得する場面に戻ってみると、ちゃんと仕事をしている聖大がちょっとかっこよく見えてしまうのがふしぎだ。

    彼の成長が楽しみです。
    (解説によると谷中あたりに異動になったとか)
    頑張れ!

  • 閑静な住宅街にある交番に勤務する聖大は、地元のお年寄りに気に入られ、色々な情報を得る。
    指名手配犯を偶然捕まえたことから、運が回ってきた?!
    刑事の仕事までやらせてもらえることになって…
    地元との繋がりを感じさせる、ユーモア溢れる警察官の話。

    2021.9.11

  • 色々な繋がり、最後はスッキリして読み終えました。
    聖大シリーズを読みたくなりました。

  • キャラクターがとにかく好き^_^

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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