- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101426044
作品紹介・あらすじ
澪湖は大学三年生。父の妹の和を幼少の頃から母親より慕っていた。その叔母が、最近、どこかおかしい。叔母夫婦はようやく恵まれた愛娘を生後五カ月で亡くしていた。それで、精神に変調を来したのだろうか。大きな悲嘆が彼女を壊してしまったのか…澪湖の疑惑は深まるばかり。不安な彼女を支えてくれたのは、オタク青年木塚くんだった-独自の文体で、人格変容の恐怖を探る長編。
感想・レビュー・書評
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なんだか、最初の方は面白かったんだけどな。えーそういうことなの~なんかうーんて感じでした。
陽湖の部分はいらなかったんじゃないかな~
2か月ずーっと素子さんを読んできましたが、とりあえずここまでです。後半は素ちゃんテイストがきつかったかな~。やっぱ初期の作品のほうが好きですね。
図書館も再開し、またいろいろ読んでいこうと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み終えてなお、本書をどう分類したものか悩ましい。[more] 話の流れに従ってパラレルワールド主体の Sci-Fi としてしまっていいのかどうか。
もちろん Sci-Fi のほうが気が重たくならなくていい。実は空想科学のお話でしたってオチ。でもそれでは、母としての葛藤や、弾き飛ばされた自己の葛藤の痛々さを隠蔽してしまう。夏が夏らしくあるための冬の存在がなくなった時に、それを世界一幸せとしか言い表せない恐怖と、自己同一性が脅かされてしまった時の恐怖と...。足元の崩れ去るような恐怖に和はまた今日も怯えなけれいけないのだろうか。 -
大好きな人が別人になってしまった話。……なんだけど、キャラクターの心情が語られ過ぎてて、小説っぽくないなあ。新井素子さんのは久々に読んだけど、いつもだいたいそうだけど、でもここまでだっけ? っていうのが正直な感想。
正解がかなり早い段階から見えてしまっていたせいもあってか、答えから遠いところで延々と足踏み状態で語られる心情が、ちょっとストレスだった。 -
新井素子による異世界転移もの(単行本2010/01、文庫2013/02/28)であり、異世界側の視点で語られる点が際立っている。(パラレル・ワールド・トリッパーが「もいちどあなたにあいたいな」と思う話。)
日本SF作家クラブ会長(15代目)(2009-2011)の新井素子先生の久々の長編。
ジャンル的にはSFに属するのだが、SF的な要素は前提条件で、なぜ世界がそうなのかの考察(一例を挙げれば、トリッパーの唯一性やパラレル・ワールド間の距離(違いの大きさ、そしてそれが離散的なのか連続なのか)など)はなく(一般人を主人公にする以上、当然そうなる)、いかにもSF的な物語の解決も、(めでたく元の世界に戻れました的な)不自然なハッピーエンドもない。内容的には実は普通小説。
そして、作者の他の作品と同様、非常にリーダビリティが高い(読みやすい)がゆえにかえって、精緻な小説の技巧も含め正当に評価されにくい作品であるように思う。
パラレル・ワールド・トリッパーという解釈は、オッカムの剃刀のごとく他の可能性をつぶすことによってしか得られない。そのつぶし方から見て、パラレル・ワールド・トリッパー本人以外による、パラレル・ワールド・トリッパーの存在の認識は奇跡でしかないと思わせる。そのことは、物語世界におけるトリッパーの唯一性を否定する方向に働くわけであり、かつ、現実世界において仮にパラレル・ワールド・トリッパーが存在しているとして、そのことを認識できるかという問いを我々に突きつける。
パラレル・ワールド・トリッパー本人の悲しみにも心打たれる。
傑作。 -
SF
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悲しいね。もいちどあなたにあいたいな。なるほど(︶^︶)
この文体が独特なのよね、この方の。これがいいのよ。
この不思議で不気味なふわふわした感じが。 -
図書館/これってSFだったんだ!?っていう、妙な焦りの残る読後。
やや重ための一人称は感情移入しやすいし、あまり読んだことがなくておもしろかった。
同じひとりの人(やまとばちゃん)なのに、視点が違えば全く違う感情を持って接せられるのって当たり前のことかもしれないけどすごくこわいと思った。この場合はお母さんが、かわいそうだなあ…。 -
久しぶりの新井作品。
読むまで普通のラブコメかと思った。
ライトな感じのタイトルにいい意味でだまされた。 -
なんだろう?
ジャンルがわからなくて気持ち悪い -
期待を裏切らない結末。久しぶりの長編だったけど、一気に読めました。