浪漫的恋愛 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.53
  • (15)
  • (22)
  • (53)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 226
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (505ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440170

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 時代による倫ならぬ恋愛の結末の相違が面白い。月の魔物、母の幻想から逃れて、生きることを選んだ千津は潔くて格好いい。

    恋は魔物。いくつになっても結婚してようが子供がいようが恋は落ちるもの。落ちたら最後後戻りできない情熱的な狂気の世界が待っている。でも理性的な大人の恋の結末を迎えなさいと、小池真理子は言っているのかな?

    前半はまどろっこしいが、作中作の「月狂ひ」が幻想的で小説のスパイスとなっており、後半は千津の心の揺らぎが手に取るように分かって面白かった。

  •  作中小説の世界をなぞるかのように、狂気にも似た恋へと誘われていく男女の、静謐なる激情の物語。

  • 小池真理子の小説を読んでいると粘度の高い生暖かい水の中に沈み込んでいるような気がしてくる。回りの音が何も聞こえなくてほのかな幸福感に満ちた孤独な暗闇にいるような そんな気がしてくる。そして 息が出来なくなる。互いに家庭を持つ40代半ばの男と女の狂おしいほどの恋。同じように許されない恋に堕ちた結果自らの命を絶った母の物語と、作中小説の『月狂い』と3つの恋が絡み合い美しく静かな官能へと沈み込んでいく。許されない恋の行く末には何が待っているのか。死 か 別れ か月には狂気が隠れているのかもしれない文庫化にあたり改題されているのだけれど 私は元の『月狂い』の方がぴったりくると思う。浪漫的恋愛 には 苦しみが見えない

  • 小池作品を読んだ事がない人には「なんじゃこれ?」的な作品ではないかと…。40代の激しい恋愛を「月狂い」という小説内小説に絡めて淡々と綴った作品。06.05.25

  • 再読。

    あれ、前回読んだ時はもっと感動したような。。
    得意の不倫話です。女も50近くになって、ここまで好きな人にのめり込めるっていうのは、ある意味羨ましい。いくつになっても恋をしていたいもんです。

    本当は「月狂ひ」がタイトルだったんですよね。月の魔力で恋に落ちるって言うのはなんともロマンティック。

  • W不倫……道徳的には許されない恋愛と知ったうえで惹かれあい、そして別れを選んだ主人公。
    大人の恋愛小説、という印象でした。
    作中作『月狂ひ』も淫靡で神秘的な雰囲気が良かったです。

  • 小池真理子さん

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×