またあおう【しゃばけシリーズ外伝第2弾】 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 937
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461748

作品紹介・あらすじ

お江戸は日本橋。長崎屋の跡取り息子、若だんなこと一太郎の周りには、愉快な妖たちが沢山。そんな仲間を紹介しようとして楽しい騒動が起きる「長崎屋あれこれ」、屏風のぞきや金次らが『桃太郎』の世界に迷い込む「またあおう」、若だんなが長崎屋を継いだ後のお話で、妖退治の高僧・寛朝の形見をめぐる波乱を描く「かたみわけ」など豪華5編を収録した、文庫でしか読めない待望のシリーズ外伝。

感想・レビュー・書評

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  • 外伝なのでいつもより妖達の活躍が読めました。屏風のぞきが活躍しています。

    現在の時間軸より未来の秋英さんの話は、今の楽しい長崎屋に比べややしんみりしてしまいます。
    連載開始からだいぶ経ちましたが、物語内はそこまで時間が進んでないので、いきなり未来の話だとお馴染みの大人は既に鬼籍だったりで寂しいですね。

  • いつもの長崎屋のいつもの妖の面々などが、主役の若だんな一太郎が居なくてもがんばる話。
    みんないとおしい。
    猫又の若い子たち成長譚が可愛くてニコニコ。
    河童の大将の話が壮大でワクワク。
    楽しかった。

  • んー、いつから中断しているだろう?
    早く読むの再開しなきゃ、、、

    畠中恵 『またあおう』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/146174/

  • 外伝なので若だんなは活躍しないけれど、いつもの妖たちが大活躍。 
    鳴家の「きゅんげ?」が可愛い。

  • 畠中恵「しゃばけシリーズ」外伝2作目(2021年12月文庫本)。文庫本オリジナルの短編5話からなる短編集。
    第1話<長崎屋あれこれ>は一太郎に関わる今までの主な登場人物を一太郎が語る話。
    第2話<はじめての使い>は戸塚の猫又の長の“虎”の孫の孫の“とら次”が江戸通町の「長崎屋」までの初めての旅にまつわる冒険と自分を知ることになる成長の物語。
    第3話<またあおう>は「長崎屋」の妖達が桃太郎伝説が書かれた古い『草双紙』の中に引きずり込まれ、必死にその訳と元の世界に戻る方法を考える物語。
    第4話<一つ足りない>は中国の河童の頭”九千坊“が飢えを凌ぐため、9000匹の河童の手下を連れて海を泳ぎ、日本での居場所を得る物語。禰々子親分と坂東太郎も登場する。
    第5話<かたみわけ>は一太郎が「長崎屋」を継いで”旦那さん“となった時代の話だ。”寛朝“も”寿真“も亡くなった後の「広徳寺」の妖封じの任を一人で背負うこととなった”秋英“の葛藤と決断の物語。

    最後の第5話<かたみわけ>での遠くない未来の話では、寛朝や寿真が亡くなっていることに少なからずショックを受けた。一太郎が長崎屋の主になって、於りんちゃんがおかみさんになっているのにはホッとした部分もあるにせよ、藤兵衛とおたえがどうなっているのかの記述がない。亡くなっているのではなく、隠居して元気に二人でお伊勢詣でにでも行っているのではないかと思うことにした。
    一人残された秋英が妖騒動に対処しきれず、長崎屋に助けを求めるのだが、武士の三男だった秋英が寛朝の弟子になったのは9歳の時だった(シリーズ6作目「ちんぷんかんぷん」)。その秋英が今弟子にすることになったまだ子供の”寛春“は寛朝が最後に得度させた者だ。しかし後でわかるのだが、寛春は妖を見ることができるのだ。まさに寛朝と秋英の関係は、秋英と寛春に受け継がれていこうとされていた。秋英を一人にしないと寛朝がちゃんと手を打っていたことに胸熱だ。
    果たしてこの時代背景は何年後のことなのだろうか。いろいろ勝手に推察してみることにした。
    シリーズ1作目の時は一太郎17歳、藤兵衛52歳でスタート。
    6作目の時は秋英22歳、寛朝48歳位で、於りん6歳、一太郎18歳、藤兵衛53歳のはずだ。
    一太郎と於りんが許婚になったのが於りん9歳、一太郎21歳の時。藤兵衛56歳、秋英25歳、寛朝51歳になっていたはずだ。
    そして於りんが嫁に来ているこの時代、18歳位になっているとしたら、9年後のこととなる。一太郎は30歳、藤兵衛65歳、秋英34歳になり、そして寛朝は60歳で亡くなったと言うことになる。藤兵衛は結構な歳になっているので亡くなっていないかちょっと心配だが、おたえはまだ50歳前後のはずなので二人で隠居後の生活を楽しんでいると勝手に思い込むことにする。

  • しゃばけシリーズ外伝2作目の短編集。
    過去・現在・未来の、長崎屋の仲間たちと若だんなの絆を描く。
    長崎屋あれこれ・・・大福、病、飲酒の騒動はあれど、長崎屋の
      離れは、神も妖も高僧も集う。それは若だんながいるから。
    はじめての使い・・・江戸の長崎屋までの使いを指名された、
      若い猫又・とら次とくま蔵。だが、この世は試練でいっぱいだ。
    またあおう・・・修復した草双紙の中に引きずり込まれた妖たち。
      脱出するには・・・若だんなだったら、どう解決する?
    一つ足りない・・・九州の河童・九千坊と禰々子が直面する
      秘薬を巡る河童と猿との争いは、天下分け目の合戦に?
    かたみわけ・・・若だんなが長崎屋を継いだ時期、寛朝の形見が
      騒動を起こす。怪異と化した付喪神に立ち向かう、秋英。
    若だんなの登場はほんの僅かだけど、彼と、
    長崎屋の妖たちや知り合いたちとの絆が描かれる、外伝2作目。
    若だんなを核にして集う、面々。
    特に、長崎屋に住まう妖たち。
    若だんなという存在が、彼らを成長、進化させているのか、と。
    若だんなだったらどうする?若だんなだったらどう考える?
    彼の体調を案じ、彼が事件に頭を突っ込んで寝込まないよう、
    解決しようと奮闘します。彼の存在こそが何よりも、大事。
    それ故、我らには若だんながいるから、明日へ向かうことが
    重くないという、佐助が秋英に語る言葉があると、いうこと。
    「一つ足りない」は九千坊伝説の異聞的な創作。
    あの河童の秘薬を禰々子が持ってた理由が明らかに。
    って、九千坊が何だかかっこよかった。また出て欲しいなぁ。
    「かたみわけ」の最後に於りんちゃんの名前が出てきたのも、
    嬉しかったです。そうか、未来か~。

  • 若旦那が出てこない(基本的に)外伝第二弾!

    楽しゅうございました♪

    私は『かたみわけ』で秋英が成長しているが、感慨深かったです。

    そして河童と猿の合戦『一つ足りない』も面白かったですね。

  • しゃばけシリーズの外伝2冊目
    文庫のしゃばけシリーズはほぼ読んだので、久しぶりに会う長崎屋の妖達
    読んでいて優しい妖達と再会した気分になりました
    5話目の秋英さんのお話、胸がぎゅっと
    この世界観が本当に好きです

  • 妖たちが中心の物語が5編。
    人間があまり出てこないので、妖たちの価値観が軸となっている所が新鮮です。
    特に「一つ足りない」は神話を読むようでした。

  • 【収録作品】長崎屋あれこれ/はじめての使い/またあおう/一つ足りない/かたみわけ
     長崎屋にいる妖たちの紹介、戸塚宿の猫又・とら次とくま蔵の初めての旅、付喪神になった古道具の修理を請け負った妖たちがなぜか『ももたろう』の絵草紙の中に引きこまれた話、中国から流れてきた河童の九千坊と仲間たちが禰々子と共に戦う話、そして若だんなが長崎屋を継ぎ、高僧・寛朝亡きあとのその形見を巡る騒動。

     「長崎屋あれこれ」以外、若だんな不在(いても話には関わってこない)で、話が進む。それでもなんとかなってしまうのがちょっと寂しい気もするが、妖たちが奮闘するのは若だんなゆえだと思えば、微笑ましい。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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