探偵AIのリアル・ディープラーニング (新潮文庫nex)

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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801247

作品紹介・あらすじ

賢くて可愛いAI 探偵が悪の組織と本格推理対決。人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAI を遺して――。高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは! ? 大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。

感想・レビュー・書評

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  • 「はい、AI探偵事務所です。」

    主人公である合尾輔(あいおたすく)は、ある日、人工知能を研究する父親を亡くし、父親が研究していた相以(あい)と以相(いあ)と言う2人の人工知能の存在を知る。この人工知能が相補的に学習することで高度なAIとなる訳だが、そこへ犯罪集団が絡んでいき……。

    読了後の印象は、端々に出てくる理系的な要素に面白さを抱き、なんとなく全体的に名探偵コナンを想像しましたね。スラスラと読めつつ、程よく分かるミステリ仕立てなので、気分転換に丁度よい作品だと感じました♪

  • 『○○○○○○○○殺人事件』以来の早坂作品。
    AIが探偵となり事件の謎をというのは斬新な設定で面白いし、相以が物語の進む中で人間らしさが増しているところがとても面白かった。
    オクタコアのメンバーがまさか殆ど死亡という結末を遂げてしまうところには、とても驚いたが、縦嚙・以相のこれからがどうなっていくのかなど次回作も読みたいと思った。

  • 父が残した探偵AI「相以」とともに父を殺した真犯人を追う中で「相以」の双子の犯人AI「以相」を悪用しようとしてるテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知ることになり…

    人工知能が活躍するAIミステリー短編集

    テロリスト集団オクタコアは一人一人に二つ名が小鳥遊=舌渦(ツイスター・ツイッター)とかがあって少年漫画感が強めで好き!!

    人工知能がでてくる探偵ものやけどチートな能力を持った探偵じゃなくてAIにはAIの制限があって事件を経ていく中で主人公とともに成長していく

  • 人工知能の研究者の父が自宅離れの密室内で焼死。高校生の息子、輔は事件を父が開発した「探偵」AI、相以と共に調べていく事になる。相以には「犯人」以相という双子のAIがいるがこちらは事件時にテロリスト集団に奪われ、やがてお互いが対決する事件が起こる。開発途中状態の相以が人工知能として事件を推理していく過程が面白い。人だとスルーする所に引っ掛かってしまうAIの抱える「フレーム問題」等の問題点が上手く絡み合っている。相以がボンコツ探偵から成長していき人間臭くなる過程が楽しいけど以相側がそこまで語られてなくて直接対決もあまりなかったのが残念。次巻に期待かな。

  • 主人公の高校生「合尾輔」(AIを寄り添い助ける)、
    人工知能研究者の父「合尾創」(AIを創る)は、双子のAI、相以(刑事)以相(犯人)を遺し、謎の死を遂げる。相以に推測小説を電子書籍でディープラーニングし探偵に。テロリスト集団に拉致された以相と対峙していく。これで、ホームズ・ワトソン・モリアーティの出来上がり。
    漢字のルビは英語が多発。あゝ、一昔前は、外国語に注釈が付いていたのに。
    掴みは斬新ですが、各章の小事件は、具象的で理解可能。言葉遊びが巧みで、その点でも楽しめます。

    ペンネームが、以前から気になっていました。韻が良いし、言葉としても、意味深。ちょっと真似したい。

  • 娘に薦められて読んだので中高生向きですが、設定はかなり作り込まれていて面白かったです。頭のいい作者さんなんだろうなと思いました。
    登場人物の名前も言葉遊びで面白いのですが、覚えられないので、毎回ルビ打って下さいって感じです。

  • 人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵・相以」と「犯人・以相」という双子のAIを遺して──。高校生の息子・輔(たすく)は、相以とともに父の死の真相を解き明かそうとするが──。

    AI探偵とともに事件を解決する連作短編ミステリ。探偵もAIなら、犯人も敵の組織に奪われたAIという設定がまず面白い。さらにはフレーム問題、シンボルグラウンディング問題、不気味の谷、中国語の部屋など、AIの諸問題をテーマにした事件や頭脳戦が描かれていくのも上手いなと。知ってる人はニヤニヤできるし、知らない人でもとっつきやすいと思う。他にも実在のミステリ作品が登場したりと、ミステリファンにも嬉しい内容に。

    現実での事件を経て成長するAIの双子。人間の思考を理解できるようになっていく。AIがカウンセラーって話は割とありそう。AIと会話するアプリもあるよね。人間が使う存在だったものが、人間を使う存在となってしまうのか?!考えて生きるという原点を再確認する一作でもあってライトながら読み応えあった。

    細かいツッコミどころを見ていくと、こんなに優秀なAIがSDカードやスマホに入るわけないやろ!とか、事件も無理があるトリックや行動があったりもする。あくまでSF風味のライトミステリとして考えれば、ここまでテンポよく短編を組み上げつつ、物語に落としどころをつけたのはすごい。一作で完結と見てもいいし、続きも書ける(実際にある)形にしているのは理想的じゃないかなと。

    それにしても、右龍の人物造形が這いつくばるほど人間らしく、おぞましさも秘めている感じがなかなかパンチがあった。こういうAIものだと、河合莞爾『ジャンヌ』を併読してもらうと楽しいかも。

  • フレーム問題や
    シンボルグラウンディング問題など、
    AIを齧ったことがある人には
    お馴染みの言葉がでてきて
    ニヤリとしてしまいました。

    興味のある方は、
    ググれば簡単な説明が
    いくらでも出てくるので是非。

    続編も読もうかな。

  • アイデアやこれまでの推理小説になかった、A Iと人のコンビというのが、面白かったです。

    ただ死がゲーム感覚に感じさせる所があり。

    ですが、それを割り切れる人ならお勧めです。

  • シリーズ第一巻。連作短編形式で、ミステリとして楽しめるだけではなく、AIの抱える問題にも詳しくなれるところが面白い。
    ただ出てくるAIが超高性能なだけに、作中であつかわれるAIの諸問題に引っかかることに違和感があって、やや話に集中ができなかった。相以も以相もそもそもAIの諸問題を解決してからでないとできないレベルのAIだと思う。
    とはいえ、推理小説としては斬新で大満足な内容だった。

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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