世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802626

感想・レビュー・書評

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  • 物語自体は深みが感じられずハマれなかったけれど、 謎については主人公も読者もスッキリしたのではないかな。

    巻末の作者の献辞に、
    「驚愕を伴う読書体験を与えてくれたA先生」とある。
    A先生って……
    この献辞に三度目(四度目かも)の驚き!
    A先生に敬意を示す作者の挑みに感服する。

    • なおなおさん
      akikobbさん、こんばんは。
      お待ちしておりました!
      ……でもごめんなさい(*>ㅅ<)՞՞
      「どれどれ?何が書いてある?」でお願いします...
      akikobbさん、こんばんは。
      お待ちしておりました!
      ……でもごめんなさい(*>ㅅ<)՞՞
      「どれどれ?何が書いてある?」でお願いします(^_-)-☆
      2024/01/17
    • akikobbさん
      「たださん、どうしてわかったの?エスパー?!」と思いましたが、たくさん読まれてレビューの書かれている人気作品なのですね。なんとなく、ネタバレ...
      「たださん、どうしてわかったの?エスパー?!」と思いましたが、たくさん読まれてレビューの書かれている人気作品なのですね。なんとなく、ネタバレなど配慮するとレビュー書くの難しそうな作品である雰囲気を察しました。
      とはいえ私は全然ノーマークでしたので、新しい本を知れて嬉しいです。あまりこれ以上調べたりせず「どれどれ?」って気軽に読みますね♪

      今年もよろしくお願いします〜
      2024/01/17
    • なおなおさん
      akikobbさん、このレビューはまずいのかなと悩み、一部削除したんです。
      仕掛けとか、A先生に似てると思った…など書いてしまって(-_-;...
      akikobbさん、このレビューはまずいのかなと悩み、一部削除したんです。
      仕掛けとか、A先生に似てると思った…など書いてしまって(-_-;)
      それでもバブル先生が思い浮かんだたださんはさすがだなと思いますヽ( ´∀`)
      2024/01/17
  • どんな仕掛けがあるのかそっちの方が気になり読んでました。
    アイデアが奇抜で驚きましたが内容の方はなんだか取ってつけたような感じだし愛人の多かった父親には辟易するし主人公にも共感できないまま終わりました。
    多分ストーリーの方は忘れちゃうと思うんですが
    ネタの方は覚えていると思いますっw
    作中小説、読んでみたいって期待値上がるのにそこ燃やしちゃったところが残念。

  •  今、実際に私が手に取って読んでいる本書と、物語の中に登場する本書が、同時に存在するのも、あの先生のあの作品と一緒であったが、さすがに物語は真面目な印象だったのが新鮮で、それが却って面白かった。

     「世界でいちばん透きとおった物語」という、一度も会ったことのない、父親が亡くなる前に執筆していたと思われる、原稿を探す過程を描いたミステリは、それ自体の謎以外が、オーソドックスなものと専門的知識によるものとで印象は薄く、衝撃のラストというのも、あまりの周りの声の絶賛ぶりに、ハードルを思い切り上げて期待していたら、意外と予想通りな感じだった上に、一度解答編らしき章で公開していた、あれが無ければなぁとも思ったが、これを責める訳にもいかないか。

     そして物語は、真面目でストレートな王道的印象だったけれども、特に響いたものは無く、ただそこには、敢えて主人公に好感を持たせないような書き方をしているように思われた節もあったので、仕方ないかも、というか、こういったところも王道過ぎるのが、ちょっとというのはあって、斬新さの無い物語は、確かに残念ではあった。

     しかし、本書自体の謎には、衝撃のラスト以上に目を見張るものがあり、しかも物語の中に於いて、その作り方に込められていた人の思いを鑑みると、確かに物語では伝わらなかった感動が、読み終えた後でようやくひしひしと伝わってくるようで、その配慮には優しさや思いやりを感じられた上に、ミステリ作家としての拘りと同居しているのも、また上手いと感じられた。

     そして、何よりも私が、著者杉井光さんに敬意を抱いたのが、あの先生への愛であり、いくらイニシャルで伏せてあるとはいえ、こんなことを書けば、色々とあらぬことを言われたり、元の作品と比較されるのは間違いないであろうに、それに全く臆することなく、堂々とやってのけて、それをひとつの形にして出版してみせたことは、アイデアの凄さなんかよりも、遥かに尊敬の念を覚える。

     確かに、本書をああした形でまとめ上げるのには、きっと相当の時間と労力がかかったのだろうとは思いつつ、最初の章で何となく気付いてしまったが(すみません、そこはあの先生の作品が好きなので)、気付くか気付かないかよりも、それをやろうとした著者の気持ちや心意気の強さを、本書の作り方に感じられたことが、私にはまるで物語の内容と折り重なってるようにも思われて、人が人を思い、それを形にしたくなるというのは、こういうことなのかもしれないなと感じられたのは、なんだか嬉しかったですね。

    • たださん
      111108さん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます(^^)

      「先生」表記は、著者のそれに従っただけなのですが、そこに杉井さんの敬...
      111108さん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます(^^)

      「先生」表記は、著者のそれに従っただけなのですが、そこに杉井さんの敬意が窺えるようで、そうした気持ちが本書の作り方にも、よく表れていると感じましたし、本書が、あの先生の作品を読むきっかけとなってくれればいいな、なんて思いも抱かせてくれました。
      2024/04/16
    • なおなおさん
      「あの先生」の話になると、いつものメンバーがコメント欄に集まってくるのが嬉しいなと思いました(^^)
      「あの先生」の話になると、いつものメンバーがコメント欄に集まってくるのが嬉しいなと思いました(^^)
      2024/04/16
    • たださん
      私もそう思いました(^^)
      しかも、あの先生のあのシリーズが縁だと思うと、尚更、感慨深いものがありますね。
      私もそう思いました(^^)
      しかも、あの先生のあのシリーズが縁だと思うと、尚更、感慨深いものがありますね。
      2024/04/16
  • 藤阪燈真の父親、大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、死去した。
    燈真は、宮内彰吾の、婚外子であった。

    ある日、宮内の長男、松方朋晃から、宮内が癌で亡くなる直前に書いていた小説「世界でいちばん透きとおった物語」の原稿を探し出して欲しいと依頼され、遺稿探しをすることになるが。

    ずっと、違和感があった。
    途中で、その違和感が、何からきているのかわかって、びっくりした。

    すべてのページ、すべての見開きの文章レイアウトを全く同じ左右対称形にしてあった。
    重ねられたページのどの箇所でも、文字の裏には文字が、空白の裏には空白がくるようにしてあった。
    どれだけの厳しい作業だったことだろう。

  • え~~~~!
    鳥肌、二回。
    作者の ミステリーと 紙の本への愛情が
    いっぱい溢れる作品でした。

    逢ったこともない有名人の作家の父親。
    主人公の燈真は、ひょんなことから
    そんな父親の遺稿探しに関わることになる。
    題名は『世界でいちばん透きとおった物語』

    少しずつはがされる知らない父親の姿。
    遺稿はどこに?
    心強い協力者は、編集者の霧子さん。
    燈真には、ちょっと素敵な憧れの的でもある。
    そんな霧子さんが
    燈真の幼少期の話にも耳を傾け
    見事な推理で全容を明らかにする。
    と、普通のミステリーならここでおしまい。
    ところが、本当の仕掛けはここから始まる。

    これ以降、ネタバレの可能性ありかもです。







    最初の鳥肌は、最後の「    」。
    わお!
    そして、遅まきながら二つ目の仕掛けに気づく。
    改めて最初のページから最後まで眺め直してみる。
    全ページ、バラバラにしたい衝動に駆られる。
    できないけど…。
    これは凄いことです!

    そもそも ふたりの名前、燈真と霧子。
    仕掛けが分かると
    示唆的な名前のようにも思えます。

    • yyさん
      マメムさん

      こんばんは☆彡
      コメントありがとうございます。
      まだ色々出てくるかもですね。
      谷崎潤一郎さんの『春琴抄』の
      独特な...
      マメムさん

      こんばんは☆彡
      コメントありがとうございます。
      まだ色々出てくるかもですね。
      谷崎潤一郎さんの『春琴抄』の
      独特な文体っていうのにも興味津々。
      ちょっとググってみたけど
      わたしには読めそうもない…。

      電子書籍に抗う感じ、なんかいいですね。

      2023/07/21
    • くるたんさん
      yyさん♪おはようございます♪

      名前までは気づかなかったです( ゚д゚)ハッ!言われてみると、たしかに!
      これはほんとうに完璧な美でしたね...
      yyさん♪おはようございます♪

      名前までは気づかなかったです( ゚д゚)ハッ!言われてみると、たしかに!
      これはほんとうに完璧な美でしたね♪
      2023/07/22
    • yyさん
      くるたんさん

      コメントありがとうございます (^^♪
      私の深読みかも…だけど、そんな風に考えると
      くるたんさんのおっしゃるように
      ...
      くるたんさん

      コメントありがとうございます (^^♪
      私の深読みかも…だけど、そんな風に考えると
      くるたんさんのおっしゃるように
      なんか美しいですよね☆彡
      2023/07/22
  • そうなんだ?!
    仕掛けがあったが故に、私は読みやすかったです
    作中だけの話ではなく、現実にやってのけてしまうとは脱帽=3=3=3
    仕掛けは違いますが、〇〇〇〇さんの『〇〇〇〇の〇』を思い出しました
    (何の作品かって?ソレは言えない)

    話も面白かったです
    様々な理由で今まで会わなかった身内それが亡くなったと同時に突然連絡が来るというドラマの様な話は、決して珍しくはないと思います
    そして、亡くなってからその人の事をよく知る
    故人が一概に決めつけられない色々な顔を持っていた事も

    もし自分に突然連絡が来たら、どうするでしょうか
    勇気を出して一歩踏み出すか、横に逸れるか。。。
    簡単に決められない岐路
    選んだ道の先に何が待っているか、人生は本当にわかりませんね

  • フォローさせて頂いている本棚から興味を持って読んでみました。

    レビューにあった衝撃の結末に向かっていろいろ想像しながら読み進めましたが、結局のところ「あとがきにかえて」を読むまで気がつかなかったー
    なるほどー、確かに「透きとおった物語」でした。大変な仕掛けを考えたな

  • えっ!?この本、すっごぉ!!

    • bmakiさん
      ほんと、すっごいですよね!?
      作者様のご苦労を思うと、震えがきましたよ。
      すごっ!!って口に出して言ってしまいましたもん。
      ほんと、すっごいですよね!?
      作者様のご苦労を思うと、震えがきましたよ。
      すごっ!!って口に出して言ってしまいましたもん。
      2024/01/03
    • Macomi55さん
      bmakiさん
      こんばんは。コメントありがとうございます。
      皆さんのレビューから、ラストに仕掛けがわかって驚くのだろうと予想していたのですが...
      bmakiさん
      こんばんは。コメントありがとうございます。
      皆さんのレビューから、ラストに仕掛けがわかって驚くのだろうと予想していたのですが、5分の4くらい読んだところで、「もしや?まさか?これ全部?」とびっくりしました。小説の内容と本自体のトリックをリンクさせるのもすごいですね。
      最後の謝辞に書かれている“A先生“だけ、私は分からなくてうずうずしています。

      2024/01/03
  • いや、すごい。すごい!
    気がついたら、えっ?嘘でしょ?と思って思わず見返して、いや、すごい。しか出てこない。
    あービックリした!

    マメムさんに教えて頂いた本で、すぐに図書館で予約をしてようやく借りられました。

    ダメ、口が滑りそう。
    ビックリしたい人、ほんと、書籍で読んでみてください。

    • にゃんちびさん
      マメムさん

      新しい本に出会えて嬉しいです♡これからもオススメあれば教えてください!

      本の中で紹介されるのってすごく気になります。ガラスの...
      マメムさん

      新しい本に出会えて嬉しいです♡これからもオススメあれば教えてください!

      本の中で紹介されるのってすごく気になります。ガラスの塔の殺人の中で頻繁に出てた十角館の殺人(これは王道過ぎ!?)もどうしても読みたくて購入しました。
      そうやって本ばっかり増えていって読むのが追いつかないのですが…(~_~;)
      2023/10/15
    • マメムさん
      にゃんちびさん、お返事ありがとうございます。

      十角館の殺人を買ったのですね。
      感想を楽しみに待ってます♪

      オススメ本ですが、青崎有吾さん...
      にゃんちびさん、お返事ありがとうございます。

      十角館の殺人を買ったのですね。
      感想を楽しみに待ってます♪

      オススメ本ですが、青崎有吾さんの裏染天馬シリーズ『体育館の殺人』は読みやすく、金田一少年の事件簿みたいな感じなのでお気に召すかと^_^
      2023/10/15
    • にゃんちびさん
      マメムさん

      私が金田一少年の事件簿好きって、みてくれていて嬉しいですー!!
      誰の事件簿だろうと犯人は最後までわからず、毎回ビックリするので...
      マメムさん

      私が金田一少年の事件簿好きって、みてくれていて嬉しいですー!!
      誰の事件簿だろうと犯人は最後までわからず、毎回ビックリするのでミステリーは楽しみなんです^_^
      ありがとうございます!早速図書館予約します!!
      たのしみ〜♡♡
      2023/10/15
  • 呼吸が止まるほど驚いた。
    仰天!
    「世界でいちばん透きとおった物語」というタイトルの父の遺稿を探す物語。
    放埒(ほうらつ)→ ほしいままにふるまって酒や女におぼれること。
    父は放埒だった。
    丁寧な捜索で、父と縁のあった人達と会い、
    話を聞いていく。
    女優と一緒に暮らしていた家があり、そこに原稿らしきものが。
    しかし、燃やされてしまう。
    京極夏彦の秘密!知らなかった。すごい。
    えー!
    かなりびっくり。
    もうたくさん読書しているけれど、
    次のページのことなど気になったことはなかった。
    薄っすらと透けて見える前のページや次のページの文字など、全く見えていなかった。
    霧子さんの説明で、私にもやっと見えてきた。この本も!同期されてる!え!最初から?と、途中だけど、確認してしまった。
    すごすぎる。
    「     」の中身が見えて、鳥肌が立った!すごい。すごすぎる!
    こんなの初めて!
    驚いた。
    カフェで読んでいたけど、驚きすぎて
    「えー!」って声が出てしまった!
    なにこれすご!

    A先生は泡坂妻夫。
    「しあわせの書」が作者の生涯で最も激しい驚愕を伴う読書体験を与えた作品。

    春琴抄も改めて再読したい。紙の本で。

    • bmakiさん
      みかん司書さん、初めまして。
      いいねありがとうございます。

      この本はびっくりしますよね!
      何よりトリックに仰天しました。

      京...
      みかん司書さん、初めまして。
      いいねありがとうございます。

      この本はびっくりしますよね!
      何よりトリックに仰天しました。

      京極夏彦先生の拘りは何処かで読んだことがあったので、トリックの種類についてはかなり前から気づいていたはずなのに、なかなか答えに辿り着かなかったです。

      だって、まさか!ですもん。

      物凄い時間かかっただろうなぁ。。。
      2023/08/12
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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》受賞者。代表作に『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』など

「2023年 『楽園ノイズ6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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