- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101802626
感想・レビュー・書評
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☆4.5
TwitterのTLでよくお見掛けしていて、気になり過ぎて購入してしまいました。
今までたくさんの本を読んできましたが、こんな読書体験は初めてです!
もう「す、すごい…!!」としか言えないです。
ネタバレ厳禁とのことで、これ以上は何も語れませんが、まだ未読の方は是非!読んでみてください❁⃘*.゚詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
震え、感動、涙目の一冊。
声を大にして言いたい。
こんなにも美しい物語があるのかと。
母を捨てた屑のようなミステリ作家を父に持つ主人公の青年。
彼が死の間際に父が最後に描いたらしい遺稿を探し求めるストーリーは静かに流れるように、そしてミステリちっくに読み手をリードしていく。
次第に関係者から明らかになる父の過去と遺稿の手がかり。
その傍らで主人公の、父に対する心の揺れを一つの読みどころとして味わっていたら…まさかの心臓の高鳴りと共に感じた震え。
そこから感動の涙目に。
美しさを噛み締めた、これぞ一読の価値有りの完璧小説。 -
僕の母は、フリーランスの校正者・深町霧子は発注元のS社に勤める編集者である。父親は、宮内彰吾という有名なベストセラー推理作家。妻子持ち、甘いマスクと手の早さで知られるプレイボーイで二人はすぐに男女の関係となる。しかし母(藤阪恵美)は、トラックにはねられ、病院の地下で対面した。
「はい、僕の母です」(身寄がなくなった)
作家宮内彰吾さん死去(61歳)という見出しの訃報をネットのニュースで見かけた。
霧子さんから連絡があり、無関係な人の死でいきなり湿っぽくなられても困る。けれど、無関係ではなかった。想像もできない形で、父は僕の人生に割り込んできたのだ。
松方朋晃という宮内彰吾の息子(異母兄)から電話がきたのは父の訃報から一ヶ月後のことだった。遺作がある。朋晃は一枚の大判茶封筒を取り出した。
「世界でいちばん透きとおった物語」
「原稿はどこにあるんですか?」
「さあ、わかりませんね。見つけたときから空っぽでしたよ」
不明原稿を求めて、主人公藤阪橙真は亡父の交友関係と現物を追うことになる。
何故、母は宮内彰吾の子を産んだのか?
癌で亡くなった父が遺作にかける情熱は、どこから生まれ何を伝えたかったのか?
会ったこともない父の、透きとおった物語とは何か?
「世界でいちばん透きとおった物語」は予測不可能な物語で、警察ものやクライムサスペンスの名手でしたから、宮内先生にしては珍しい恋愛小説でしょうかと霧子は言う。
帯には「電子書籍化絶対不可能⁉“紙の本でしか”体験できない感動がある!」って書いています。(興味深い❣)
尚、巻末の参考文献に、京極夏彦さんの著書がずらっと並んでいます。妖怪が何か用かい?(妖怪?)って言うわけではなく、ある理由から編集上の共通点の参考です。
(ごめん、ネタバレ)
随分前に読みたくて買い漁ったことがありますが、積読になっています。これ以上蔵書を増やしたくないが、楽しみは尽きません。希望が持てる小説。短編だけど。
読書は楽しい。 -
すごい…の一言に尽きる
話の内容はそんなにドキドキワクワクもないけど、後半に入ってまさか…と思い気づいた!!!
これはすごい。
難しいんだろうけど、もっと長く読みたい1冊!! -
初めての作家さんです。
結論は面白かった。
内容も構成も良く考えられており、軽めの文体も
相まって凄く読みやすかったです。
そして終盤にかけての謎バラシ…………
誰もが必ず再確認するでしょう!
凄いですよ。紙の本の凄さを改めて感じました。 -
推理小説家の父親を持つ青年が遺稿を探す。どんな小説だったのか予想するシーンで、私がこの本を読む直前まで読んでいた「カササギ殺人事件」を例にかなり複雑な構造の推理小説の例えとして使っていた。
こんな偶然!!えーっ、こんなところで再会?
ってなった。
謎解き要素があるこの作品、なるほどなと思って終了。
フリー校正をしている主人公の母がでてくるので、校正のこと、出版業界のこと、面白く読めた。
今まで毛嫌いしていた京極夏彦先生の作品について、作中で先生自身が緻密な構成をDTPソフトを使ってされているとあった。これは実際読んでみて確かめるしかない。
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『世界でいちばん透きとおった物語』
帯文に電子書籍化絶対不可能!?
“紙の本でしか"体験できない感動がある!
何気に書店で手に取り、パラパラっと読み始め、その日の目的だった本と一緒に購入、積読コーナー行きの筈だった訳なのだが・・・
内容が面白く、謎解きミステリーの要素もありサクサク読み終えて、良い作品でした。とレビューを書こうと思い、タイトルと帯文が頭の引っかかった・・・
そして驚愕の事実に遅まきながら気付かされた。
この本こそがまさしく、『世界でいちばん透きとおった物語』そのものである事を!
これは、物語の内容よりも大変な事かも知れないと思ってしまった。
編集も校閲も大変な作業でしたと敬意を表したいと思います。
最後に個人的な感想ですが、京極夏彦先生の作品を読みたくなりました。