コンビニ兄弟３：―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫 ま 60-3)

著者 : 町田そのこ

• 新潮社 (2023年8月29日発売)

作品紹介・あらすじ

推しが門司港にやってくる!?　コンビニ店員中尾はアイドルの来訪に歓喜するが、彼には深刻な悩みがあった。故郷を遠く離れ、ホームシックに陥った専業主婦の佳織は、男を豪快に振るド派手な女性に出会う。かつてツギを深く傷つけた魔性の女の要求は「偽装恋愛」で……。北九州門司港の小さなコンビニを舞台に、大人たちの物語が幕を上げる。元気がもらえる大人気シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

[わーーーーーさんの感想 · 2024年1月29日]

2024.1.28 読了　☆8.2/10.0


コンビニ兄弟シリーズ第三弾
今作も人間味溢れる登場人物たちと情緒あふれる門司港を舞台に、さまざまな人間ドラマが繰り広げられます。
楽しみにしていたシリーズ三作目。
安定の面白さで、元気がもらえる一冊です。



さて今回も、どの登場人物も素敵な人ばかりでした。


男性アイドルをも魅了し、幽霊にまで好かれて取り憑かれることになるなんて、フェロモン店長こと志波三彦、モテすぎ、恐るべしといった感じです…（笑）



そして私はもちろん、おそらく読者の多数がファンである「ツギ」は、やっぱり今回も凄くカッコ良かったです。


特に第三話「華に嵐」
これは、なかなかに切ないお話でした…


ツギが、何よりもいい人過ぎるのです（泣）
当時の恋人・翠の難病、その彼女の妹。神崎華がドナーになること、その条件…いろんなことがあったけれど、それぞれの人生に幸せが来るといいなと強く思いました。



「泣きたくなったらまず、怒れ！他人から傷つけられたことに対してしっかり怒れ！涙と怒りは同じ成分でできている。
涙はネガティブになるけれど、怒りは不思議とポジティブになれる」



確かに、怒りはネガティブな感情だけれど、悔しさを孕んで反骨精神にも変えられる。

何くそ負けるかと自分を奮い立たせられる。



また、他にもツギの金言が光るのです。



"お前はお前を磨くべきだ。誰かの羽で飾ることはせず。
自分自身のいいところ、少しは分かるだろう？それを磨け”



仕事でミスしてばかりで自分の力量のなさに不甲斐なく情けなくなっている自分にすごく沁みる言葉です…


短所を克服することは大切だけど、長所に気づいてそれを伸ばすことも同じくらい大切なことなんだと、そう教えられた気がします。



大人だって悩んでいいんだ。
泣いて、怒って、悲しみを吹っ飛ばして、前を向いていこう


そう心に光を灯してくれる、そんな作品でした。


そして終わり方からも、まだ続いていく作品で良かったです。
まだまだ謎めいてる志波一家についても気になりますし、たろくんと華の恋の行方などもいろいろ気になるところです。


この楽しいシリーズ、ずっと続きますように！

[こっとんさんの感想 · 2023年11月15日]

私は光莉推しです。
フェロ店長を観察して漫画描いちゃうとことか、アイドル好きなとことか、ヲタ臭ムンムンなとことか…友だちになりたい( *´꒳`*)
今作はフェロ店長の兄・ツギの過去がたっぷり描かれていました。1、2巻と読んできて、フェロ店長とツギは、誰からも愛されるフェアリーのような人だと勝手に思っていたので、生々しい過去を知って、やっぱり人間だったんだ( ˙-˙ )と当たり前のことに気づきました。
どちらかというと、ホワーンとフェアリー兄弟のお話を読むのが喜びだったので、なんだかビックリしちゃって正直ちょっと戸惑ってしまいました。
でも読んでいるうちに、色々あったからこそ、今、こんなに魅力的なんだなぁと。
結果、ツギの過去の章が一番良かった！
やっぱり色々あっての深みなんですよねー(´ー｀*)
4巻ではフェロ店長の過去も出てくるかな？それとも南米あたりにいるイチ兄の登場か？
もうコンビニ兄弟、大家族だからずーっとシリーズが続きそうで安心だわぁ。

[こっとんさん · 2023/11/19]

Manideさん、こんばんは♪
一番人気をあえて避けるひねくれた私。
そして、「みんな分かってないなー。分かってるのは私だけだなー」と思いたい私。
でも、本当は大抵みんな分かってる(￣▽￣;)

[Manideさん · 2023/11/19]

よく分かりますよ(^^)

ちなみに私は神崎華に惹かれちゃいました（笑）

[こっとんさん · 2023/11/19]

分かりますー
あの、不器用な優しさね(,,>᎑<,,)

[つくねさんの感想 · 2023年9月12日]

コン兄シリーズ３作目ともなるとキャラの一人一人に愛着が湧いてきて他人のフリしてられなくなってきました。フェロ店長は私も濃厚すぎて一歩ひいちゃうんですけど傍から見てる分には楽しめます。
プロローグ担当の和歌ちゃんもノリノリでマキオとのコンビも板についてきたみたい。まるで寄席をみてるようで出囃子も聞こえそう。今回のネタは神がかってきちゃって店長に取り憑いた女の霊まで見えちゃったとか笑わせて貰いました。
そして３篇からなる本篇へと進みます。
パート主婦の光莉さんがいい味出してくれて推しへの妄想が暴走しちゃってブレーキ壊れちゃったみたい。体力的にはおばさんで息切れしちゃって想いに体がついてこれないところが歯止めになってるけどニマニマしてすごしてるとこが可愛い。バイト仲間の太郎君との掛け合いも息があってて楽しいし、推しのアイドル采原くんと２次元推しの共通点があったりで、光莉さんもWEB漫画界では人気者だとゆうのにそんなこと鼻にかけないおばさんぶりが素敵だし采原くんも「毛玉兄貴の野郎ライフ」とか見てると知っただけでニマニマして私が作者ですとか名乗り出ず、采原くんのためにも良い作品書こうと健気に決意するとこなんて見た目はおばさんでも心は乙女でキュンキュンきました。また、ツギがさりげなくカッコ良すぎる。コッペパンに卵とか唐揚げ挟んで食べたりと飽くなき味への拘りにナイスファイトって応援したくなります。ストーリーは心地よいテンポで進んでいくのですが地元の観光スポットが溢れていたり、大切なメッセージとかここぞってゆうときにガつ〜んと伝わってきて鷲掴みにされました。ゴリ男って自分の好みをゴリ押ししてくる自分勝手な男のことなんだ。うんなかなかセンスあるネーミングにハマりましたｗｗ
特に今回頑張ったのは太郎くん、経験値の足りない部分にハラハラドキドキ、アウェイで応援してる感じで小さくファイテングポーズ作ったりしてみてましたっw
店長は秋田まで除霊に行ってたとか、そしていよいよ南米で修行中とかゆう志波家5兄弟の長兄がやってきそうなフラグが立って次が楽しみでソワソワドキドキです。私が苦手なホラーじゃないといいのですがっw

[つくねさん · 2023/09/14]

チーニャさん、おはようございます！
本を通じてこんな出会いがあるなんて思ってもみなかったので
かたじけないでござるｗｗ
時間作れるまで平常心でいられますようにｗｗ
^^) _旦~~

[チーニャ、ピーナッツが好きさん · 2023/09/14]

しじみさ〜ん、こんばんは♪
確かにそうですよね〜。ブクログやってなかったら読書って孤独な感じですものね…！
あ、お茶いただきますね〜
(*/◎\*)ｺﾞｸｺﾞｸ･･･ｱｰ、ｵｲｼｲ !!
忙しくて、読書できないイライラが落ち着きました。
優しいしじみさん、いつもありがとうございます…♡
( ^^) _旦~~

[つくねさん · 2023/09/15]

あは、チーニャさんだぁ(≧∀≦)
こちらこそ粗茶でしたけどっw
お声かけくださるのが嬉しくって
ニマニマしてます。

私もいただきますね
(*/◎\*) ぷはぁ〜
チーニャさんの本棚から興味持った作品
(最近、本のこと作品って呼んでるところが読書家ぽいでしょw)
読んでますけどこれが文字ぎっしりあって
500P超える長編で一人語りが多くって
頭の中どんだけ言語詰まってるのか
感心しながら読んでます。

[チーニャ、ピーナッツが好きさんの感想 · 2023年11月1日]

楽しみにしていたシリーズ3作目。
安定の面白さで、元気がもらえる一冊。

今回も、どの登場人物も素敵な人ばかりだった。

やっぱり、男性アイドルまで魅了し幽霊にまで好かれて取り憑かれることになるなんて、フェロモン店長、モテすぎ。恐るべしといった感じで…（笑）

私の推しの（笑）
「ツギ」さんはやっぱり、また凄くカッコ良かった〜

第三話「華に嵐」
これは、なかなかに切ないお話だった…
ツギさんが、いい人過ぎる〜（泣）
いろんなことがあったけれど
みんなに、シアワセが来るといいなと強く思った。

「泣きたくなったらまず、怒れ！」
「他人から傷つけられたことに対してしっかり怒れ！
涙と怒りは同じ成分でできている。
涙はネガティブになるけれど
怒りは不思議とポジティブになれる」
確かに…フムフム、なるほど…ね〜

大人だって悩んでイイ。
泣いて、　　怒って、
悲しみを吹っ飛ばして、前を向いていこう―

まだ続いていく作品で良かった（笑）
まだまだ謎めいてる志波一族についても気になるし、
店長は、ちゃんと除霊できてるのか心配だし、
たろくんの恋の行方などもいろいろ気になる。
この楽しいシリーズ、ずっと続きますように〜

[チーニャ、ピーナッツが好きさん · 2023/11/02]

わかります〰️ﾅﾝﾃ（笑）ﾌﾌﾌ

あと少しですねぇ〜
体調整えて…がんばってくださいね〜！

[Manideさん · 2023/11/02]

ありがとうございます… (T . T)
頑張ります(^^)

良い週末を〜

[チーニャ、ピーナッツが好きさん · 2023/11/02]

(ง •̀_•́)ง‼ﾌｧｲﾄ！☆

[ひまわりめろんさんの感想 · 2023年10月15日]

はい、しれっと町田そのこさんコンプリーターです
まだ10冊しかないけど

前巻でやな奴！って思わせた人をリカバリーして行くってのはフォーマットなんかな？
今回やな奴だったのは…あれ？いない
じゃフォーマット違うわw

もうさ「コンビニ兄弟」からしてとんでもないキャラクターで、出てくる人みんな小説なではのクセ強の人ばっかりなんだけど、部分部分でめっちゃ共感できるところがあるのよね
ポロッと「うわ〜わかるわ〜」ってとこ出してくるのよね
そんでそこにドーンと心に響く言葉を投げ込んでくるわけ

そりゃ染みるわ！染みるよそのこさん！

次もめちゃめちゃ楽しみ

町田そのこさんはもう必ず読む作家さん認定です

[Manideさん · 2023/10/15]

ひまわりめろんさん、こんにちは〜

2、3続けて読破ですね〜、コンビニ兄弟面白いですよね、私、完全にファンです。
いいですよね〜、いいセリフばかりで、みんなカッコいいですよね♪

[ひまわりめろんさん · 2023/10/15]

Maniさん
こんにちは！

はい、もう次巻が楽しみすぎてしょうがないです
それぞれがちゃんと「生きてる」んでカッコいいんですよね
生きるってカッコいいって思わせる作品です

[NO Book & Coffee NO LIFEさんの感想 · 2023年9月10日]

　町田そのこさんの『コンビニ兄弟』シリーズ第三弾です。今回も楽しませてもらいました。

　本作でも3話それぞれに、悩めるご当地アイドル、ホームシックの若い専業主婦、偽装恋愛を持ちかける魔性の女などが登場し、コンビニ「テンダネス」門司港こがね村店周辺を舞台に、店長以下スタッフと客たちが人情物語を展開しています。

　『52ヘルツのクジラたち』『星を掬う』『宙ごはん』の名作の間を縫うように、順次3作発表された本シリーズ。これらは完璧にコメディですね。ただし、〝町田そのこエキス〟をたっぷり含んだ極上もので、キャラクター重視ですが決してライトノベルではありません。

　【エキス1】　あふれる地元愛
　売れっ子作家になっても福岡に住み続ける町田さん。自分の見知った土地を作品に散りばめ、その魅力をご自身も再認識しているのでしょうか？　客観視しながら登場人物にも重ねている気がします。

　【エキス2】　ホッコリの極み
　幅広い作風の町田さんてすが、光と闇のコントラストや大いなる感動を抑え、意図的にコメディタッチに仕上げているようです。だからこその読みやすさで、新潮文庫NEXからの刊行も頷けます。

　それでも、悩みや孤独を抱える人に手を差し伸べ、そっと寄り添ってくれる優しい描写は、全町田作品に共通していますね。根っこのところで救われます。
　第三弾も間違いない(机ドン)！
本シリーズを読まない選択肢はない(机ドン)！

[Manideさん · 2023/09/12]

NO Bookさん、こんにちは。

コンビニ兄弟いいですよね〜
本シリーズを読まない選択肢はない、その通りだと思います(^^)

幸せな読後感は、今作も健在だと思います。
面白かったですね。

[ガチョルさんの感想 · 2023年9月10日]

コンビニ兄弟 第3弾
やはり期待どうりに面白い。読みやすい。
今回も、そっと優しさに触れることが出来る人間関係の
描写が好きです。このシリーズは続けて欲しいです。
是非、皆さんも読んで下さい。
第4弾は店長の除霊から、また始まるのか……？

[かなさんの感想 · 2023年11月19日]

　今回も期待を裏切られることなく楽しめました♪

　九州だけにコンビニ展開する地域密着の「テンダネス門司港こがね村店」…店長の志波三彦さん(ミツ)、その兄の志波二彦さん(ツギ)、妹の樹恵琉ちゃん、そして従業員の光莉さんと太郎くん…そして、お店を訪れるお客さんと、志波兄弟に関わった人等…個性豊かなキャラが登場します！

　プロローグの冒頭「志波さん成分が不足しています…」に共感しました。和歌ちゃん、私もです♪

　３作目は、ツギさん大活躍だったなぁ…！ツギさん、ワイルドでカッコいいな！って思いました。でもね、私は、ミツさん推しです！！誰にでも優しく、そしてイケメンで…意識することなくフェロモンを振りまき、周囲の人を夢中にさせる…！だけど、ちょっと頼りないところもあるってところに、母性本能をくすぐるというか、放っておけない感があって…夢中になっちゃいます(*´▽｀*)♡

　読み終えて、志波さん成分は満たされましたが、不足する前に４作目、読みたいなぁ…続編に期待大です。

[つくねさん · 2023/11/21]

チーニャさん、こんばんはw

あは、ツギ推しなんですけど、
長男と4男も気になりますね。来日が待ち遠しい

[かなさん · 2023/11/22]

しじみさん、おはようございます！
しじみさん、謎の長男、推しちゃいますか？？
きっと、志波さん兄弟なら間違いないでしょうね！
予約、しちゃいますか( *´艸｀)
長男が来日したら、どうなるんでしょうねぇ…
でも、ミツさん推しは私変わらないと思います！！

[かなさん · 2023/11/22]

チーニャさん、おはようございます！
楽しみですねぇ…♡
色んな意味で、本当に楽しみっ！！
推しのいる読書って、もうそれだけで
ウキウキしちゃいますよね♪
あぁ…早く４作目が読みたいですよねぇ…！

[湖永さんの感想 · 2023年9月22日]

シリーズ3作目。

元気をもらえて、ハートフルな物語に今回も楽しく読めた。

第一話　推しが門司港を熱くする

コンビニ店員中尾の推しのアイドルがやってくるのだが、彼には悩みがあって…
店長を探してコンビニにやってきた彼にたまたま居合わせたツギが「自分の持っているものを磨け」とさらりと言う。

第二話　ハロー、フレンズ

23歳で結婚し、慣れない土地に来てホームシックに陥っていた佳織がたまたま痴話喧嘩をしている榎本宝に出会って話をしたことで、意気投合する。
ツギともバッタリ出会い、年齢の近い樹恵琉とも仲良くなる。

第三話　華に嵐

コンビニ店員の太郎は、店長の三彦に会いに来た神崎華と出会い彼女の姉の結婚パーティーに連れて行かれる。ツギがどこにいるのかを店長に聞きたかったらしいのだが…。
そこで、華の姉がツギの元婚約者だったことを知り…。
華の思いとツギの行動になんとも言えない気持ちになる。


今回は、何気なく目立たないようにだけど、それでもツギの存在感に凄さを感じた。
無口なようでいて、さらりと人の気持ちがよくわかってる良い言葉を投げかけるツギ、カッコいい。

[みんみんさんの感想 · 2023年9月27日]

第三弾はフェロ店長のフェロモン少なめ笑
脇役達一人一人にも愛着がわきキャラも詳しくなった分楽しめました♪
「華に嵐」が良かった！
太郎と華の今後が次回からあると思うと楽しみ♪

気楽に読める素敵なこのシリーズ♪
町田さん続けて欲しいなぁ‹‹\(´ω` )/››

著者プロフィール

町田そのこ
一九八〇年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのＲ－18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ（新潮社）、『うつくしが丘の不幸の家』（東京創元社）などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。
近著に『星を掬う』（中央公論新社）、『宙ごはん』 （小学館）、『あなたはここにいなくとも』（新潮社）。

「2023年 『52ヘルツのクジラたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」