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- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102005064
感想・レビュー・書評
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フランス帝政時代の権力構造の闇を描く政治小説でありながら、探偵小説としての趣もある良作。
前半は主人公たちと警察・探偵との間の駆け引きがメイン。迫真の筆致で描かれる事件の展開に思わず息を飲む。最後までどっちに転ぶか分からなかった。
後半は一転して、裁判を中心に帝政時代の権力構造を描く。こちらは自分の教養不足で時々理解できない部分があった。特に「1793年の雰囲気」といった表現が多く出てきたが、実はフランス革命については全然詳しくないので、ちょっと勿体ないことをしたと後悔。ユゴーの『九十三年』を先に読むべきだったか。
ただ最後の事件の種明かしは完全に予想の上をいく見事なものだったので、満足はした。
話の筋の面白さ、描写の上手さは流石で十分楽しめる小説であることに間違いはないが、個人的にはもっと心理的な側面を深くえぐった仕上がりになっているほうが好きかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物が本から飛び出た気がしたと、娘時代に父からすすめられた大文豪バルザックの暗黒事件。
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