- Amazon.co.jp ・本 (680ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102130261
感想・レビュー・書評
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★★★2021年4月★★★
読み終わってから4か月たつが、いまさら感想を書く。
イギリスに帰って医者をめざすフィリップ。
お金が底をつき医学の勉強を続けられなくなり塗炭の苦しみを味わう。お金のために、叔父の死を強く願う。
ここが一番衝撃的。
パリで苦楽を共にした友人の死や没落。
読めば読むほど暗い気分になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
40歳の時に書いた半自伝的小説。
訳者である中野好夫氏によると、この作をもってモームは「自己の精神史の一時期が終ったものであるとなし、彼の中にあったある種の暗い精神的しこりを解消するために、自己解脱の一つの記念碑として書いたものであると称している」という。 -
他のものと並行しつつようやく下巻を読了。作者の半自伝的小説。モームは数奇な運命をたどってきたのだな。
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冒頭とは予想外のカタルシス。フィリップを締めつけていた何かから解放され、初めて自らの人生を歩き始める彼の後姿が、目に浮かんで消えない。
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人生において、
無駄なことなんて何一つないと私に教えてくれた作品です。 -
面白さは最後に一気に加速してまぶしい光の中で終わった感じ。麦刈りの田舎の夕暮れがやけに美しかった。フィリップの五感で目の前の光景、表情、言葉を感じながら深く考えた。物語の展開に常にワクワク、それらを人生経験として吸収しながらしっかりエンターテインメントな完璧な小説。読書もタイミングとはいえ、数年の違いで感動の揺さぶりはより大きくなる気がしたので、若いうちにさっさと読むべし。