フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159712

感想・レビュー・書評

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  • ようやく読み終えたと言うのが最初の感想。

    学生時代、数学の授業がとにかく嫌いであった私には最初はとにかくとっつきにくい本であった。

    読み進める中で、私が本書に記載されている数々の予測や定理、証明や式などを理解する必要がない事に気付き、そこからは純粋にフェルマーの最終定理をめぐる物語として読み進める事が出来た。

    17世紀から誰も証明が出来なかった問題にいかに多くの人の知恵と時間、苦悩、協力、閃き、何より努力と情熱を費やし、最後にアンドリュー・ワイルズが完全に解き明かす。

    人類が挑んだ壮大な物語である。


    説明
    内容紹介
    言葉にしようのない、美しい瞬間でした。

    数学界最大の超難問はどうやって解かれたのか?3世紀にわたって苦闘した天才数学者たちの挫折と栄光、証明に至るまでを描く感動の人間ドラマ。

    17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション!

    内容(「BOOK」データベースより)
    17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが―。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション。

  • プロジェクトX・・・?
    面白かったけど蛇足が長えずら。
    関係ないけど私が1番好きな数学の未解決問題はリーマン予想です。

  • #読書記録 2023.07

    #フェルマーの最終定理

    ノンフィクションなのに、ページをめくるのが楽しみで仕方ない。頭に汗かく貴重な読書体験。
    2000年を超える人間の知的好奇心の旅の記録。自分は数学は全く分からないけれど、定理という先人の知恵と自身の閃きを武器に、未知の扉を一つずつ開く数学者の執念に、ただただ畏敬の念だった。
    #新潮文庫の100冊に入ってるのも納得だよ。

    わたしのハンドルネームのstoriaってイタリア語で「歴史、物語」という意味なんだけど、『歴史』ってやっぱり『物語』なんだなと強く感じた一冊だった。

    #読了
    #読書好きな人と繋がりたい

  • ページ数も多く非常に読み応えがありました。
    数学が特別好きなわけではないのですが
    とても楽しめました。

    個人的に23人のサッカー選手についての話が興味深く
    誕生日の割合について、あまり考えることは
    なかったので意外にも同じ誕生日の人が
    いる確率の高さに驚きました。

    数学が好きな方でしたら、かなりお勧めできる作品で
    読んでみて損はないかと思います。

  • フェルマーの最終定理の歴史的背景を知ることは壮大な数学の物語を知ることであるといえる。

    誰にでも理解可能な数式でありながら、幾多の数学者が解けないという奇妙さと、証明に取り組む意義を世界が一度は失ったものの、次第にフェルマーの最終定理を証明することが、数論における最大の目標となっていく劇的なストーリーはまさに圧巻の一言である。

    そして、この定理を証明したワイルズという数学者は解くべくために生まれてきたといえるような運命にあった。若干13歳でフェルマーの最終定理に出会い、強烈に惹かれ、いつかは自分が解いていみたいと心に秘めながら30年が経過し、ついにフェルマーの最終定理を証明するのである。

    この本はただの数学の本ではなく、フェルマーの最終定理を中心とした、数々の数学者を巻き込んだ壮大な歴史物語であった。

    特に私が面白いと思ったところは、フェルマーの最終定理の証明に日本人が密接に関わっていた事である。谷山と志村という2人の日本人が提案した、「谷山-志村予想」を証明することが何とフェルマーの最終定理の同時証明になるというとんでもないものだった。同じ日本人として感慨深いものがあり、日本人にも数学界に名を残す優秀な方がいたことに感激した。

    本の最初から最後まで興味を失わずに読める稀なほんである。

  • 数学が美しいという人たちの世界を垣間見ることができる。

    でも感想を書くのが難しい。350年間解かれなかった数学界最大の難問、たぶん数学に疎遠の人でも名前くらい聞いたことがある、フェルマーの最終定理。それに挑む数学者達の歴史とドラマ…。確かにドラマを追うには、数学の知識は必要ない。でもこの熱意ドラマを楽しむ知的好奇心は必要!私はどれだけ理解、共鳴できただろう?できないということは、知的人間でないと暴露している気がして…。

    本書のメインストリームでない、補遺を楽しんでしまう。

    2020.4.24

  • 350年以上前に書かれたフェルマーの定理を証明する。
    この証明にまつわる数学者たちの闘いの記録。

    定理などというものは誰かすごい人が発見して、どういう理由かわからないけれど、絶対的なものだと思っていたので、
    それを証明する必要性や理由、ひいては「学者ってなにやってんだろう」という疑問にこたえてくれる本でした。

    そういえば東野圭吾氏の「容疑者xの献身」中で四色問題について書かれてました。
    「それはもう証明されたのではなかったか?」の問いに「あの証明は美しくない」と答えた男。
    当時は何かひどく気障で自己陶酔のようなものを感じていたのですが、この本で「そういうことか」と納得しました。
    数学というものは、数というものは「美しいもの」であるべきで、数学に魅せられた人々は皆一様にそう確信しているのだーそう思いました。
    自分はパズルが好きでその解答に「美しい」と感じることも多々あって、それは当たり前のことなのだと得心がいきました。
    数学に詳しくない人にもわかりやすく書かれていて、それは個々の証明やなんかは適度に端折って数学者たちのドラマにスポットが当たってるせいでしょうが、興味深く読み進めました。
    なんて純粋な世界なんだろう、こうあれたらよいのにと心洗われる一冊でした。



  • いろんな人の熱意と苦しみの物語が描かれており、何かに一生懸命打ち込むことの楽しさと苦しさを感じた。
    ワイルズの発表から完結まではとてもハラハラした。
    証明は誰が見てもわかるように証明することで、みんなの爽快感にも繋がるので、コンピューターでの計算ゴリ押しをよく思えない数学者の心もわかる気がした

  • フェルマーの最終定理をめぐる数々の有名な数学者のお話が描かれてます。
    全然数学が苦手な人でも読めます!!!
    3世紀以上にわたる数式の証明。。。ロマンが詰まった作品です!!!!!

    数々の天才の武勇伝が覗き見れますので、私も少し賢くなった気がします!!!!!!笑

  • 小学校の算数で躓いた私にとって、こうした数学ドキュメンタリーは、惹かれつつも手に余してしまうことが多いので、今回も、序文の読みやすさにうっかり購入したものの、読み終えることができるか不安だった。
    しかし、同じような気持ちで、読む前から断念している人がいるとしたら、とてももったいないので、はっきりと伝えたいが、分数や、二桁の掛け算で躓いて、その後一切起き上がらないまま、今現在にいたるまで倒れ続けているような私でも、最初から最後まで熱中して読めましたよ!

    まず、この本を読んだからといって、アンドリュー・ワイルズによる、フェルマーの最終定理の証明がすっかりわかるわけではない。
    それは、ごく一握りの数学の天才にしか理解できないものであり、この本の中でも、証明について、仔細に解説されたりはしていない。
    けれども、この本に書かれた、その証明に至るまでに、数学界の中で、どれだけ多くの、興味深い発見があり、数学者ひとりひとりの活躍があり、挫折があったかについて、知るうち、そして、解き明かすことがほとんど不可能と言われたこの問題が数学者に対してどれほどの輝きを放つか知るうち、たとえ数学の授業にこれまで一度たりとも興味を感じたことが無い私のような者であっても、この証明に至ったワイルズの、その興奮と、恐怖と、歓喜を、ありありと感じることができた。
    そして、数学が持つ、神秘性を肌で感じ、そこに惹きつけられている数学者たちに、霊感を全く持たない身としては、羨望の気持ちが湧き起こってくる…。
    私も数式を見て美しい…と涙したりする感性を持ちたかったな…。

    とにかく面白いので、もしまだ読んでいない人がいるならば安心して読んでほしい。
    理解できない数式や、図が出て来たとしても、怯まずに、作者の解説に耳を傾ければ、ちゃんと、「なんかとにかくすごいことが起こっているぞ!」くらいのことは理解できるし、それぐらいの理解があれば、きっと終わりまで楽しむことができるはずだ。

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著者プロフィール

イラストレーター

「2021年 『世界じゅうの女の子のための日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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