ローズ・マダー 上巻 (新潮文庫 キ 3-21)

  • 新潮社
3.23
  • (9)
  • (9)
  • (52)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 219
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193211

作品紹介・あらすじ

このままでは、殺される-ある朝、シーツについた小さな血の染みをみつけて、ローズはそう口にしていた。優秀な刑事の夫ノーマンも、家ではサディストの暴君。結婚後の14年間暴行を受け続けたローズは心身ともにもう限界だった。逃げだそう。あの人の手の届かないところへ-。だが、家出をした妻をノーマンが許すはずがない。残忍な狂気と妄執をバネに夫の執拗な追跡が始まった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  警察官である夫のDVに悩まされていたロージーがある日家出を決行し、遠く離れた町で自立生活を始める。激怒した夫がそれを追跡し、追い詰めてゆくというサスペンス。なのだが、そこはこの著者なのでそんな単純なストーリーにはならない。とある古物商で見つけた古ぼけた絵の中に別世界があり、そこへはいり込んで力を得たロージーが、最後にはその中で夫と対決するというミラクルな結末がまっている。そこまでもがありがちといえばそれまでだが、相変わらずの冗舌とも思える筆致でぐいぐい読ませる。超自然世界の戦いよりもリアルな公園でのガーティとの闘いが笑える。キングの作品ははらはらさせながらも納得の結末で終わるので読後感がいいのが特長。ただ、途中のゴシックと明朝との使い分け部分が必ずしも読みやすくない。フォントを変えるにしてももうちょっと工夫がほしい。

  • 2022/5/21読了

  • 再読。
    際立つのは、夫の異常さと執拗さ。現代において、このドメスティック・バイオレンスは考えられないことかもしれないけど、一昔前ならあり得たのかもしれない。
    主人公が夫の暴力にほとんど抵抗しなかったのが今の時代考えられない。
    夫の最期があっけなくて、ちょっと拍子抜け。

  • 内容
    このままでは、殺される―ある朝、シーツについた小さな血の染みをみつけて、ローズはそう口にしていた。優秀な刑事の夫ノーマンも、家ではサディストの暴君。結婚後の14年間暴行を受け続けたローズは心身ともにもう限界だった。逃げだそう。あの人の手の届かないところへ―。だが、家出をした妻をノーマンが許すはずがない。残忍な狂気と妄執をバネに夫の執拗な追跡が始まった。

  • ロージーが、絵の世界に入り込んでからの話が分かり難い。

  • 警察官の夫から逃げる妻の話。

  • まさかの下巻をこのときは
    知らなかった・・・・。

  • 警官怖い。

  • 冒頭の夫のDVによる流産シーンの描写で心が折れた。話が進むにつれて主人公の逃避とDV男の追跡の話がいかにもなキングの世界へと突入しては行くのだけれど。

  • 購入するときには、まさかこのように幻想的な作品とは思いませんでした。単純に狂ったDV夫から追い掛け回され逃げ回る妻の話と思っていたので。
    モダン・ホラーの大御所の作品なので相当コワイ系だろうとは予想していましたけど、まさかと言うかやっぱりと言うかな展開です。
    そしてイケナイ言葉が満載です。いわゆる放送禁止用語というのでしょうか。
    けれどもそれを使わせることによって、登場人物の性格がよりくっきりします。
    以下少々ネタばれですが…
    妻が家を出るきっかけとなったシーンが秀逸だと思いました。
    どんなに殴られ蹴られ酷い目にあわされていても、
    家出のきっかけなんて、何でもないときにふと目にした一滴の血で事足りるんだなと。
    暴力の嵐の中では過ぎ去るのをただ待つことしか出来ないだろうし、それしか考えられないと思うのです。
    けれども凪のなかではたった一滴の普通でないモノがあれば目に付くだろうし、それで目覚めるってこともあるのでしょう。
    後の展開は…いつものキングでございました。まぁ面白かった。
    ところでスティーブン・キングって、分からないけど絶対にクモが嫌いだろーな

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スティーヴン・キングの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×