作品紹介・あらすじ
連邦判事とその愛人の殺害事件が迷宮入りかと思われた頃、冤罪で収監されていた弁護士バニスターが、真犯人を知っていると声を上げた。彼はその情報と引き換えに、自らの釈放と証人保護プログラムをFBIに要求する。藁にもすがりたい捜査当局と何度も交渉と説得を重ねたバニスターは、ついに念願の出獄を果たすのだが……。自由を求めて、破天荒な一世一代のコンゲームが始まる。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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コンゲームとは信用詐欺という意味。
つまり、この元弁護士は司法取引の事実を
歪曲したんだな!!
まあその匂いはぷんぷんしてるのよ。
あまりにもそれで犯人扱いするのは
弱すぎるわけでして。
実際に司法取引後にFBIが動くのですが
どうも証拠があまりにも弱いどころか
でっち上げやろうとしてるよ…冤罪作る気かぁ?
終盤にはみんな大好き、ペーパーカンパニーが
出てきたりもするよ!!
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入獄した元弁護士のFBIとの司法取引による悪戦苦闘の脱獄作戦物語。緊迫度の「かなり高いサスペンス
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久しぶりにグリシャムの作品を読む。
連邦判事とその愛人の殺害事件が迷宮入りかと思われた頃、冤罪で収監されていた弁護士バニスターが、真犯人を知っていると声を上げた。彼はその情報と引き換えに、自らの釈放と証人保護プログラムをFBIに要求する。藁にもすがりたい捜査当局と何度も交渉と説得を重ねたバニスターは、ついに念願の出獄を果たすのだが…。自由を求めて、破天荒な一世一代のコンゲームが始まる。
何か仕掛けがあるのかもしれないと思いながら、上巻は読了。読みやすさは相変わらず。
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司法取引で自由の身となる男の物語。
アメリカの司法制度は杓子定規でなく、相対効果の高い柔軟性があるのがよいと思います。
もちろん、その制度を悪用する輩もいるので、このような物語ができるんでしょうが。
司法取引としては上巻で成立しているので、下巻でどのような展開があるのか楽しみです。
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無実の罪で投獄されている弁護士バニスターの独白に始まる本書。ある殺人事件が起こったことを知ったバニスターは、犯人を知っているという情報をもとに釈放および承認保護プログラムの取引を司法当局とFBIに対し持ちかける。おお、のっけからグリシャム節炸裂である。ページターナーぶりも健在。
ところがいつものグリシャム節は、なんと前半だけだった。刑務所から出て名前や顔を変えたバニスターは、ある時点で唐突な行動に走ってゆく。司法当局やFBIの前からすっかり姿を消し、ある出獄した同房者にドキュメント映画のプロデューサーに成りすまして映画出演の話を持ちかける。顔を変えたために相手にはバニスターという名前も知らないまま、彼は恋人ヴァネッサと組んで凝ったミッションに取り掛かる。
読者には行動の説明はなく、ただただ新たな展開と慌ただしいまでの二人の行動が語られるだけ。FBI当局からもなかなか尻尾が掴めないままに、バニスターの周辺は劇的な変化を遂げてゆく。前半で読んでいた物語を逆転、また逆転させるストーリー展開に唖然とするばかり。文庫版の腰巻に「コンゲーム」と書かれていなければ、本作がどこに進んでゆくのか、いつものグリシャム節とは異なる気配にいぶかしむ読者は、眉を顰めるに違いない。
グリシャム自身、あとがきで「これまでの作品よりも虚構の度合いが高い」「事実に立脚している部分はほとんどない」と書いている通り、書き手ですらこの痛快な娯楽コンゲーム小説を楽しんできたかに見える。
壮大な権力に潰される個人、人種差別、銃器による暴力、そうしたアメリカのかかっている病変をいつもながらの題材としつつ、そうした悪に知性で立ち向かう弱者(売れない弁護士、黒人、そして冤罪という立場の)主人公が、痛快な逆襲をどのように遂げてゆくのか、それが本書の醍醐味である。全体を俯瞰してみれば、やはりグリシャム節にしか見えないところが、またにくい。
読者がいっぱい食わされる小説、それは常にビターがきいてコクに満ちた美酒である、とづくづくと思う。
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著者プロフィール
ジョン・グリシャム
一九五五年アーカンソー州生まれ。野球選手になることを夢見て育つ。ロースクール卒業後、八一年から十年にわたり刑事事件と人身傷害訴訟を専門に弁護士として活躍し、その間にミシシッピ州下院議員も務めた。八九年『評決のとき』を出版。以後、『法律事務所』『ペリカン文書』『依頼人』『危険な弁護士』など話題作を執筆。その作品は四十ヶ国語で翻訳出版されている。
「2022年 『「グレート・ギャツビー」を追え』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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