1冊で1000冊読めるスーパー・ブックガイド

著者 :
  • 新潮社
3.20
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本棚登録 : 161
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103031314

作品紹介・あらすじ

驚異のミヤザキ式読書案内!!全1355冊分を満載。254テーマの必読書を全角度からブリーフィング!!本の思想傾向が一目でわかる「知の座標軸」付き。

感想・レビュー・書評

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  •  300ページほどのブックガイド。出版は2006年と少し懐かしめ?当時注目されていたことなど、その頃の日本の様子を知るのにも良いかと思います。

  • 赤塚不二夫の漫画に出てきそうな顔立ちですが、なかなかの論客です。昔は、結構「朝生」にも呼ばれていましたが、好き嫌いの激しい田原総一朗に嫌われたのかな・・
    内容は、週刊文春で2001年から連載されていた「時事書評」の5年半分をまとめたものです。週末にテーマを決め、10冊くらいをピックアップし、4日で読了し、金曜日に原稿を仕上げるという生活を5年半続けていたわけです。
    毎回、テーマに沿った5冊前後の簡単な紹介になるので、どうしても広く浅くとなってしまいます。読者は、本のイメージを書評から読み取り、自身の読書計画の参考にすることができます。
    内容に関してですが、既に20年経った書評ですので、ここでは明らかに評価を間違えていた1点だけを取り上げます。「ゆとり教育」の評価です。著者は2002年、大きな期待をもって公教育の再生という可能性を語っていましたが、結果は惨憺たるものでした。それは、理念の間違いなのか、家庭や教育現場の問題なのか、文部官僚や日教組の問題なのか、とにかく日本の義務教育の質を著しく毀損してしまったのは事実です。
    また、本書からは新たな気づきもありました。
    「自分(親)が犠牲になっても子供には最良のことをする」と考えている日本人は38.5%で世界でも最低水準だそうです。米国85%、フランス75%、スウェーデン66%という数字を見ると日本の親の無責任さや覚悟のなさがみてとれます。(2005年時点のデータです)
    もちろん、他国では一番手のかかる幼少期のサポート体制(環境や金銭面)が整っているため、親の負担となる育児ストレスが軽減されているという側面もあるのかもしれません。少子化ストップの方策は、子供を持っても育児ストレスがかからない社会的な仕組みの構築だと思われますが、未だ日本では待機児童の問題が・・なぜ、海外の成功例を参考にしないのか、おバカな官僚には困ったものです。

  • 『週刊文春』連載記事の5年半分をまとめたもので、著者曰く「時事書評」と呼ぶらしい。さすがに内容的にはやや古くなってしまっているものの、21世紀初頭(2001.1~2006.8)の世相を当時流行った本を通じて振り返る歴史書的な位置づけとして読めば、それなりに有益であるように思える。文春の連載なのに、なぜか新潮社から刊行されているのかが気になるところ。

  • 最高

  • 39039

  • この手の本は読むときに読まないと、直ぐに時代遅れになってしまう。

  • テレビでもお馴染み、宮崎哲弥氏が読んだ本を色々な形でしょうか。前半は、1つのトピックに関連した書籍を概要部分を示しながら説明。後半部分も同様に1トピックで数冊提示しているが、ポジショニングマップを利用し、書籍の示している。千冊以上載っており、同様に05年前後に読んだトップ5の新書も掲載されている。興味がある内容の本を読んでみると良いんじゃないかなと思うが、既に10年弱が出版してから時が経っているので、第二弾が出れば良いのにと思う。

  • 幅広い読書と的確な社会評論。

  •  社会人文系の良質なブックガイドであり、評論家・宮崎哲弥の本棚公開であり、政治や社会問題における各論者の立ち位置がざっくり把握できる「思想マップ」であるという、非常に使いでのある本。
     週刊誌に連載されていたコラムを収録したものなので、各トピックが適量にまとまっており読みやすいし、読み物としても楽しめる。
     主に新書を中心に扱っているので、気になったものがすぐ調達できるのも有難い。一方で、マンガから専門書まで、良いものであれば分け隔て無く紹介しているのも好印象で、著者の『新書365冊』よりも好きな一冊。

     個人的なイメージとしてはブックガイド版『日本の論点2001~2006』といった感じ。だけど、ブックガイドなので今読んでも充分楽しめるし、紹介されている本も目を通しておくべき定番本がほとんど。
     読めるレファ本であり、使えるブックガイドという非常にコストパフォーマンスの高い一冊。書名は伊達じゃないです。

  • 評論家、宮崎哲弥氏の著作。
    彼の莫大な読書量は別作「新書365冊」のレビューでも書いた。
    「新書365冊」とは違って、本書を卒毒した感想は

    「社会問題は今に始まったことでもなく、5年も前からなにも進展していないじゃないか」
    「その社会問題に関する知識を自分は持ち合わせていない」
    ということであった。

    本作は自分の無知、無関心を思い知らされる書となった。


    以下に宮崎氏の執筆作業を示す。

    宮崎氏が毎週金曜日にテーマを決め
    それに関する書物を10?20冊ピックアップする
    4、5日でそれを読み終え
    さらに絞込み、再読
    そして金曜日までに書評を書く。

    これを2001年?2006年の5年間
    毎週書き続けたものをまとめたものである。

    天皇制・憲法・少年犯罪・テロ・経済・地球温暖化
    どれも今に始まった問題ではない。

    大学1回生の今だから
    ここに紹介されている様々な本に触れたいと感じた。

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著者プロフィール

1962年、福岡県生まれ。相愛大学客員教授。慶応義塾大学文学部社会学科卒業。専門は仏教思想・政治哲学。サブカルチャーにも詳しい。近著に、『仏教論争―-「縁起」から本質を問う』(ちくま新書)、『ごまかさない仏教―-仏・法・僧から問い直す』(新潮選書、佐々木閑氏との共著)、『知的唯仏論―-マンガから知の最前線まで─ブッダの思想を現代に問う─』(新潮文庫、呉智英氏との共著)、『さみしさサヨナラ会議』(角川文庫、小池龍之介氏との共著)、『宮崎哲弥 仏教教理問答』(サンガ文庫、白川密成・釈撤宗・勝本華蓮・南直哉・林田康順の各氏との共著)、『日本のもと 憲法』(監修、講談社)など多数。

「2020年 『いまこそ「小松左京」を読み直す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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