スティグマータ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 997
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052555

感想・レビュー・書評

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  • 前作の「キアズマ」は大学の自転車部の話だったので、
    すっかり今までの登場人物を忘れてしまい、
    思い出すのに苦労しました。

    でも、相変わらず面白い!

    だんだんチカが歳をとっていく・・。
    いつまでもチカのレースを見ていたいと思いました。

  • やっぱりこのシリーズは面白い!!一気に読んでしまった。
    前作からの人たちと仲間やライバルチームになっていたり、新しい人たちが出てきたり。そしてもちろんミステリー要素も。
    このシリーズのおかげですっかりツール・ド・フランスにはまってしまった。続編出たら嬉しいなあ。

  • うわー、チカちゃん、年取ったね。
    でも、格好良くなったな。

    ツールドフランスの過酷なレースの描写が
    無知な私にも少しだけ世界を見せてくれる。
    自分には理解できないけど、
    この世界で戦っている人たちには敬意を払いたい。
    皆、一人一人、すさまじいプロだ。

    そして、最後のチカちゃんは、プロ中のプロだ。
    あそこで終わっているのが憎らしい!
    近藤先生、ずるいっすよー。

  • 「サクリファイス」からつづくサイクルロードレースを描いたシリーズの最新作、今回も楽しませて頂きました!

    世界最高峰のレース・ツールドフランスを舞台に、レースそのものの厳しさ、出場する選手たちの不穏さもはらんだ人間模様を描きつつ、物語はテンポよく展開していきます。

    アクションを描くのに比喩は不要…というような言葉を小説家の方が言われたことがあるようですが、たしかに、この作品でもかなり比喩表現を抑えたシンプルに徹した文章により、余計にレースの緊迫感や疾走感が引き立っているように感じます。

    今回はレースの進行とともにひとつの謎を追う展開にもなっていて、緊張感を高めています。その謎そのものと、主人公の行く末、そしてレースの雲行きがどうなるのか…、さまざまな要素が詰め込まれていてなかなか濃い味わいがあります。

    …憧れだった存在がそうでなくなり、そして今また「何を考えているのかわからない存在になっている」というのは、うそ寒い感覚にさせられる、ような気がします。自分がここに立っているということそのものを揺らがせるような、不安を抱かせる、というか…。それを乗り越えてこそ、人は成長していくのでしょうが、切ないものを感じたのでした。

  • 自転車ロードレースのシリーズ長編。
    白石誓が新たなチームでツールに挑む。問題のある人物と、それを取り巻くチームメイトやライバル達、そして白石自身の心理描写がとても良かった。派手な展開はないが、心にずしっときて余韻に浸れる一冊だと思う。

  • 相変わらず、素晴らしいシリーズ。引き込まれます。
    チカの最高のアシストは日本人らしさに溢れていて誇らしくもあります。
    このシリーズがなぜこんなに好きなのか…それはチカの目線がとても健やかだから。ナイーブだけど空気を読む力に優れていて、決して卑屈ではない。己を制することができるクレバーなアスリートです。彼が天才ではないのも魅力。
    チカの目線で語られるロードレースは、正直リアルなレースよりも私を興奮させます。
    大好きなミッコとの交流もあったし、最後はチカにも春が来たのかな?
    幸せな読書時間でした。傑作。

  • 初読。図書館。『サクリファイス』シリーズ。チカがニコラのアシストとして、ツールを走る。伊庭もミッコも敵チームで走る。「おお、みんないる、いる」という高揚とともに、シリーズ前作の死の影を持ち込み、冒頭から不穏な気配。いつも思うけど、近藤さんのこの不安感の煽り方は本当にウマイ。さらに近松をぶち込むなんて近藤さんにしかできない。近藤さんの描くツールを走る競技者の「業」って、他シリーズの歌舞伎役者の「業」に通じるところがあると思う。ステージ優勝を手放すチカの恰好良さは、1作目のタイヤを譲る場面を思い起こさせた。

  • 「サクリファイス」「エデン」「サヴァイブ 」「キアズマ」に続く5作目。実際のツール・ド・フランスでは新城幸也が活躍中!堪能しました!!

  • たぶんどの選択肢を選んでも、僕は少し後悔して、選ばなかった未来をまぶしく思うのだろう。
    このシリーズはほんとうまいなー。自転車レースには本当に色々な話がある。今回はなかなかみんな幸せではなかったけど、チカにとっては良かったのかな。
    続き読みたいなー。ヒルダとうまくいくのかな、

  • ドーピングの発覚で失墜した世界的英雄が、突然ツール・ド・フランスに復帰した。彼の真意が見えないまま、レースは不穏な展開へ。選手をつけ狙う影、強豪同士の密約、そして甦る過去の忌まわしい記憶…。新たな興奮と感動が待ち受ける3000kmの人間ドラマ、開幕!
    (2016年)

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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