動物のぞき

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103077060

感想・レビュー・書評

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  • 著者の幸田文さんの生存期間は、1904年〈明治37年〉9月1日 - 1990年〈平成2年〉10月31日。

    こちらの作品は、1959年の雑誌に発表されたものを単行本にしたもの。
    つまり、著者が55歳位の頃に書かれたものである。

    ところで、1923年の関東大震災時、著者は自宅でその震災に遭遇しているそうだ。
    しかも、9月1日生まれなので、19歳の誕生日に遭遇している。
    その辺のことが、全集の18巻に、次のように書かれている、とのこと。

    「晩には赤いごはんでもたこうとう心づもりをしていたのだが、そんなことどころか、11時50分、ひどい揺れで縁ばたから庭へゆすりおとされ、やっと立木につかまった時には、もうあたりの様相が一変していた」

  • 飼い犬のことを書いた随筆がとても好かったので、そういう作品を集めたものかとおもったら、そうではなく動物園へ出かけて気になる動物を見てきたことを書いた本だった。

    この人のどうぶつへのスタンスがいい。
    かわいい。かわいいから気になる。かわいくてかなしくて。という思いだけでどうぶつ達を見ている。
    小難しいことは一切書かずにとにかくその思いだけ。それからいつもの旺盛な好奇心。

    大変好感が持てる。

  • 幸田文の随筆?難しい言い回しは一つもなく、でも美しい日本語で綴られています。土門拳の写真も素敵です。動物が好きな人にもそうでない人にもお勧め。

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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