ローマ人の物語 (8) 危機と克服

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103096177

感想・レビュー・書評

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  • 歴史ドキュメンタリー。

  • 有名どころの皇帝の巻が終わった途端読むペースが落ちたが、読みはじめれば読んだでやはり面白い。
    ドミティアヌス帝の孤独に共感。治世後半のティベリウスも同じだが、皇帝としてやっていることはきちんとやっていてもっと評価されるべきなのに非業の最期を遂げる。。。唯一心を許せたのはユリアだったのか…。

  • 繰り広げられる意味なき争い、無惨な三皇帝の末路。帝国再生のため、時代は「健全な常識人」を求めていた―。皇帝ネロの死にはじまってトライアヌスが登場するまでの三十年たらずの時代を描く。

  • 第8巻は紀元68年、第6代皇帝ガルバから、紀元96年第12代皇帝ネルヴァの死まで。29年間に7人の皇帝が続く、内乱と混乱の日々、ヴェスヴィィオ火山の噴火によるポンペイの埋没もこの時期。
    「まず持って人間には、自らが生きた時代の危機を、他のどの時代の危機よりも厳しいと感じてまう性向がある」
    「政体が何であるかには関係なく統治者と被統治者の二分離は存続せざるを得ないのが現実」
    「平凡な資質の持ち主は、本能的に、自分より優れた資質の持ち主を避ける」
    「独裁体制の国家では、その国の持つ軍事力の真の存在理由は、国内の反対派を押さえることにあって、国外の敵から国民を守ることにはない」
    「人間が人間を裏切るのは、恐怖よりも軽蔑によってである」
    「戦闘という人類がどうしても超越できない悪が持つ唯一の利点は、それに訴えることで、これまで解決できないでいた問題を一挙に解決できる点にある。リーダーの第一条件は、自軍の兵士たちをコントロールする力量」
    「自由と独立の二語・・・他者を支配下におくことを考えた民族で、この二語を旗印にかかげなかった民族は皆無である」
    「他民族に長く支配された歴史を持つ民族は、精神の柔軟性が失われてかたくなになる。また、何に対してであろうと過敏に反応しやすい。そして、過酷な現実を生き抜く必要からも夢に頼る。ユダヤ教では救世主待望がそれに当たった」
    「多神教の民族では、政治と宗教は分かれているのに反し、一神教の民族では、宗教が積極的に政治に介入してくる神権政体にならざるをいない」
    「ユダヤ戦記(山本書店)・・・史書の傑作」
    「ユダヤ戦役・・・純粋を至上の生き方と信ずる人にとって、不純ほど唾棄すべきものはない、純粋であればあるほど、少しの不純も許せなくなる」
    「人間であることの宿命は、何かを成せば成したで、それによって起こる新しい問題に直面せざるをえない」
    「トライアヌス・・・運命とは何が機縁で変わるか分からない、人間の運不運を幸運の女神に気まぐれの結果にしたがる人の気持ちもわからないではない」
    「人間とはなぜか貴種には甘く、高貴な生まれでも育ちでもない人物が強権を振るおうものなら、ヒステリックなほどに反撥する傾向が強い」
    「人間にとっての最上の幸運とは、自分のためにやったことが自分の属する共同体のためになること、私益と公益が合致すること」

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