逆境を生きる

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103108191

感想・レビュー・書評

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  • 今に全力投球

  • 城山三郎氏の講演録。
    氏のこれまでの作品である「男子の本懐」や「落日燃ゆ」に登場する政治家、企業家の人生を引き合いに出し、魅力的な人間とは、強い人間とはどういう人物なのか語られる。
    明治から昭和初期にかけて、日本を引っ張ってきたリーダーというのはかくも気骨のある人達だったことに誇りを感じる反面、自分ももっとがんばらないといけないのだろうと奮起させられる。
    上記の作品はまだ読んでいないので、この機会にと購入した。

  •  著者のこともよく知らず、時代は繰り返すことから、以前にも、今と同じ、いやそれ以上に苦しく、大変な時代があったと思い、タイトルと、書評に惹かれ読み始めた。

     やはり、今とは環境は違うものの、今よりも命をかけた大変な時代があり、それを乗り切ってきた人たちの、それぞれの生き様が描かれてある。

     変わらないのは、外野は騒ぎ立て、志を持った人間は、淡々とことを進めていくと言うことだ。それは、決して簡単なことではなく、時には命を落とすことになり、その思いが途絶えることにもなる。

     戦後の日本の歴史を、表だけではなく、事実の面を見るにも興味深く読ませていただいた。


     最終章で、井上準之助さんに付いての記述で、味噌汁にトマトを入れると書かれてある、これは、現代人においても奇妙に思えるが、すばらしく美味しい味噌汁ができたのであることが想像される。トマトのカゴメも、トマトケチャップを鰹だしの代わりに使えるとアピールするように、グルタミン酸豊富なトマトを、味噌汁に入れるというのは、鰹だし+トマトだしで、うまみを掛け合わせていることとなる。

  • 難しい文章ではないのだけれど,何か自分には合わない文体なので読むのを途中でやめました。また思い立ったころ眺めてみたいと思います。

  • これは、城山さんの高校での講演をまとめたもの。
    「落日燃ゆ」の広田弘毅、浜口雄幸・・・、そんな人たちの生き方を平明で丁寧な言葉で語っていく。

    「人は、その性格に合った事件にしか出会わない」というのは至言である。

    人は自分がなりたい人生を歩む。
    ボーッとしていて他人や社会のせいにして自分の不幸を嘆くのは、子どもなんだよ。

  • 戦前、戦後を生きた日本人達の逆境の生き方を実に興味深く読ませてくれる本だった。日本最大の経済人と呼ばれた渋沢栄一、真珠王となった御木本幸吉、戦犯として処刑された広田弘毅、暗殺された浜口雄幸などなど。それぞれに信念を貫き、逆境を生き抜いた人々を生き生きと語ってくれる。「落日燃ゆ」読んでみよっと。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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