ふたりぐらし

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 746
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103277248

感想・レビュー・書評

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  • 映写技師で脚本も書く信好と、看護師の紗弓。
    2人は紗弓の収入で暮らしていた。

    じんわりくる話だった。
    前半は、2人がお互いに不満を持っているようにも感じてましたが、いやいや2人はこれ以外ない对でした。

    色々なふたりぐらしが出てきます。
    紗弓の実家の両親の、父の秘密が興味深い。
    最後まで母を不安にさせないよう秘密を隠し通して欲しいと願います。
    信好の元実家の隣の夫婦の妻タキの「年を取れば、どんな諍いも娯楽になる」が深い。

    我が家も子供が大きくなり、近い将来ふたりぐらしになると思います。
    どんなふたりぐらしになるか、不安ながらも楽しみになりました。

  • ここまで平坦なのに飽きさせない小説も珍しい。事件もハプニングも謎解きもなく淡々と夫婦生活を描く。子供がいないと夫婦はこうなっていくのかと妙に納得してしまった。

  • 旦那さんと奥さんの話が交互になってて、生活を重ねていく事で少しずつ2人の仲が深まっていく感じ、2人の人生が重なっていくような。お互いがお互いをちゃんと好きでよかったな。

  • 久々に

    ってな事で、桜木紫乃の『ふたりぐらし』

    久々に読んだ本で、久々にじ~んときたかな

    桜木紫乃さんってちょっとエロい内容が多いのが好きで…

    じゃけど、この本はエロさは無いけどええ本じゃね

    夫を亡くした母親のふたりぐらし

    定職に就かず嫁に申し訳ない想いを持ちながらもすがる夫のふたりぐらし

    定職にも就かない夫なのにその優しさにすがる嫁のふたりぐらし

    その他にもそれぞれのふたりぐらし

    深ぇなぁ~

    ええ本じゃと思います。

    2021年33冊目

  • 「こおろぎ」「家族旅行」 「映画のひと」 「ごめん、好き 」「つくろい 」
    「男と女」「 ひみつ 」「休日前夜」「理想のひと」「幸福論」
    北海道を舞台に描かれた10話収録の連作短編集。

    元映写技師の夫、信好と母親との確執を解消できないままの妻、紗弓が主人公です。
    親とのギクシャクした関係、貧しさ、小さな嘘、嫉妬、死

    二人の前に幾度も小さなさざ波が立つけれど、互いへの遠慮と適度な距離感、穏やかな会話でそれらの波をするりと乗り越えて行く様子がたおやかに優しく描かれています。

    夫婦と言えども育った環境も価値観も異なる関係。
    信好と紗弓の様に、しなやかに過ごしながら日々の幸福を感じて行けたならそれが理想の夫婦像かも知れません。

    一人より二人の幸せの在り方を感じた作品。

  • 桜木紫乃さんの作品は暗いものも多い。この本も明るくはない。だけど、人生のほんのわずかな日常のささやかな幸せとかで人は生きているのではないかと思って読み終えた。

  • 切り詰めた生活の中で少し良い外食をした後ろめたい秘密、お互いの尊重と気遣い、ふとよぎる嫉妬、遠すぎず近すぎずの距離感を持った夫婦の日常。一生を添い遂げられる夫婦の一つの形だな。

  • ご指定通り、一編ずつ読んだ。確かに、そうした方がよいだろう。場所の力を感じる。そうしき代のくだりが堪えた。

  • 先日、弟を亡くし、私の手で葬式ができ、
    弟には、申し訳ないが、よかったと思った。人の幸せって、なんなんだろうか、考えさせられました。

  • 静かな文章で、静かな生活、静かに人を思い合って、静かに暮らすことが丁寧に綴られてる。

    信好と紗弓は、決して豊かじゃなく、夢が叶ったわけでもなく、目立った何かがあるわけじゃないけど、でも確実に2人で生きてる。

    幸せなんだなぁ。


    10年前なら、この本を読んでもこんなに幸せな気分にならなかったかもしれない。

    この本に出会えて良かった。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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