茶筅の旗

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 48
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103286837

作品紹介・あらすじ

戦乱の世に凜として立ち向かう、女御茶師のひたむきな半生。京都・宇治。古田織部の覚えめでたい朝比奈家の一人娘・綸は父の跡を継ぎ、極上茶を仕立てる「御茶師」の修業に励んでいた。そこへ徳川・豊臣決戦近しの報が。大名と縁の深い御茶師たちも出陣を迫られる。茶園を守り、生き抜くにはどちら方につくべきか……茶園主たちの知られざる闘いを通して女の成長を描く劇的時代長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 京都・宇治で茶園を営む、朝比奈家の跡取り娘・綸をメインに、豊臣の治世から徳川の世への変動期の御茶師たちの様が描かれています。
    御茶園が舞台だけに、茶葉を育てて抹茶に仕立てるまでの工程は、興味深く読みました。
    戦国期には茶道が政と関わる事も多かっただけに、時の権力者が変わることにより、“保護されていた者”から“支配される者”へと扱いが変わることに戸惑う茶園主たち。
    古田織部と懇意にしていた朝比奈家も、徳川と織部の関係が不穏になっていくにつれ、心配な状況になっていき、挙句嫌がらせを受けたりもしますが、どんな状況でも御茶を守ることにひたすら心を砕く、綸やその夫・清四郎たちの姿は、清々しいですね。
    一杯の御茶の尊さを感じさせる。そんな話だったと思います。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    京都・宇治。古田織部の覚えめでたい朝比奈家の一人娘・綸は、病に倒れた父の跡を継ぎ、極上茶を作る御茶師の修業に励んでいた。そこへ徳川・豊臣決戦近しの報が。大名と縁の深い御茶師たちも出陣を迫られる。茶薗を守り、生き抜くにはどちら方につくべきか。さらに家康に疎まれた織部の身を案じる綸のもとへ、悪夢のような知らせが―。乱世に凛として立ち向かう女御茶師のひたむきな半生。宇治・茶薗主の知られざる闘いを描く本格時代長篇。

    令和元年7月29日~8月3日

  • 2017年9月新潮社刊。構想三十数年の藤原さんのライフワークとか。女性の御茶師となった綸の話ですが、ストーリーに特に惹かれるところもなく、終わってしまいました。御茶師という珍しい仕事話ですが、登場人物や、ストーリーに魅力が欠けているように思います。

  • 戦国時代末期、京都宇治の女茶園主が乱世に立ち向かう。これもシリーズになるんだろうか?

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著者プロフィール

藤原緋沙子(ふじわらひさこ)
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。シナリオライターとして活躍する傍ら、小松左京主催の「創翔塾」で小説を志す。2013年に「隅田川御用帳」シリーズで第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。本書は土佐の絵師として人々の幸せを願い描き続けた金蔵の生涯を温かい眼差しで活写した渾身の時代小説。著者の作家生活20周年記念作品である。著書に「橋廻り同心・平七郎控」シリーズ(祥伝社文庫)他多数。

「2023年 『絵師金蔵 赤色浄土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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