モノクローム

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103299820

作品紹介・あらすじ

母さんはなぜ、僕を捨てたの? 答えはきっと、盤の上にある。母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由と向き合おうとするが……。囲碁を通じて自分を取り戻す青春ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 意味もなく置かれた石などない…。
    与えられたものだけで人生はつくられない…。

    意志と行動で変わる。変えていける。
    本当にそうできたらいいなと思います。

    とても静かでせつない話でしたが、香田君に救われました。

    私もよくモフモフのお腹に顔をうずめてなぐさめてもらったっけ。。。

  • 「まるきり気にならないなら、
    そもそもそんなことなど思いもしない。」

    そうか、そうだったのか。
    わたしも色眼鏡持ってたんだな。

  • 香田くんはもしかすると実在しないのかもしれないとすら思いながら読んでいた。沖田くんの欲している言葉とか自分でも見えていない感情とか、そんなものを引き出すもう一人の沖田くんのような、そんな一番そばにいるけど触れられない存在のように見えた。

  • 5歳の冬に帰ってこない母に捨てられ、施設で育った慶吾。

    当時母が夢中になっていた囲碁をやるようになり、高校の囲碁部で、香田と出会った。

    高卒後、信金で働きながら夜間の大学に通い、彼女もできた。
    それなのに、体調を崩して大学も中退をせざるを得なくなり、彼女にも愛想をつかれてしまった。

    母に捨てられたという気持ちから逃れられないままの自分。

    香田と喧嘩して、自分の殻をわずかにでも破ることができた慶吾は
    自分を捨てた母が当時何をしていたのかの真相と向き合うことにした。

    一人になりたくて、一人で生きてきたつもりだったけど
    自分の味方になってくれる人は何人もいた。

    一見物わかりの良さそうで実は押し殺した部分を持っていて、どこか諦めていて、頑なだった慶吾が
    香田に自分の思いを爆発させるところが
    よかった。

  • 2017.9.2 読了


    幼いときに 母親から置き去りにされた
    過去を持つ 沖田慶吾。

    ずっと『母に捨てられた』記憶に苛まれ、
    けど、それを思い描いても びくともしないような
    強い人間になりたい、
    悲しいからと泣きわめいてジタバタするような
    子供じみたことは したくない、
    早く 大人へ!と 逆に ずっと過去にこだわることになる
    そのもがいている姿が 筆者の筆力でしょうか。

    沖田くんが いろんなことがあり、
    だんだん成長してゆく姿が 目が離せなくなった。

    囲碁という 全く馴染みのない世界の
    描写があって そこは 大事なとこでしょうが、
    残念ながら ちょっとわからない部分もありましたが、
    それを 差し引いても なかなか読み応えありました!

    香田も ほんとに いいヤツ!



  • 小説のモチーフにテーブルゲームが使われているのは大好きなので、楽しく読了。棋譜読めなくても楽しめます。私も主人公の親友の香田のようなまっすぐさ、天真爛漫さを持ちたい。お母さんサイドからの心理描写があると、もっと深みがあったのではないかと感じた。

  • 5歳の時3日後に帰ると言って出掛けたあの人。
    どうして帰って来ると言ったのに帰って来なかったんだろう。
    あの夜、僕を捨ててまで彼女は一体何をしていたのだろう。
    あの人が、僕に対するよりもずっと真剣に
    夢中になって見つめていたもの…囲碁
    沖田慶吾13歳だったあの夏。
    彼女と初めて対局し、完膚なきまでに負かされた。
    あの日からずっと、一人になりたかった。
    早く大人になるんだ。一人でも生きて行ける大人に。
    そして、あの人にやり返す。復讐してやる…。

    慶吾は5歳の時に母親に捨てられ施設で育った。
    慶吾は自分の寂しさを隠し、大人びた子供となる。
    高校でも友人を作らず、敢えて一人でいた。
    囲碁に打ち込む慶吾の姿を写真に撮りたいと言ってきた香田
    正直で一直線な香田純隆
    屈託のない香田の態度や言葉…慶吾の唯一の友人になった。
    良かったね。

    香田が父を亡くした哀しみを他人事の様に捉え
    勝手に苛ついて、ひねくれて子供の駄々のように…。
    でも、きちんと香田の気持ちに向き合えた。
    謝りたいのに謝れず…来るはずのない香田の為に
    自分の食費を削ってまで香田の好きなコーラを買い続ける慶吾…。
    痛々しかった。
    香田と仲直りしたシーンでは、涙がほろりと零れました。
    一人で居たかったと思っていたが、一人でいるのと一人になるのは
    全然違うって気付いた。
    香田の言葉に背中を押され、今迄心の扉の奥の奥の奥深くに、
    蓋をして見ない様にしていた、母の家出の理由と向き合う事に…。

    母が慶吾を捨てた日。彼女は大きな囲碁の大会に出ていた。
    その時の棋譜を見れば、彼女の心の動きがわかる。
    でも、囲碁がわからない私には、大切なそのシーンに
    入り込めなかったのが、残念でした。

    苦しみもがいて生きて来た慶吾
    でも、最後には母の幸せを心から喜べた。
    もう、大丈夫だね。

    表紙が可愛くて借りた本…乾さん、初読みでした。
    心理描写がとっても繊細で好きでした。

  • 女級アマ棋士(囲碁)としては全国レベルである母に捨てられ施設で育った男の子のお話。香田のキャラクタはとてもいいのだけれど、肝心の主人公が優柔不断で魅力に欠けます。

  • 自分を分かってもらうことに抵抗を感じる慶吾の性格が母譲りならば母が何も語らず言葉少なめなのもうなずける

    という事で香田君 ъ(゚Д゚)グッジョブ!!

  • 慶吾の姿が切ないまでに雄弁。
    しかし、母親の心情も言動も全くわからなかった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13212336.html

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著者プロフィール

1970年北海道札幌市生まれ。2006年、「夏光」で第86回オール讀物新人賞を受賞。2010年には『あの日にかえりたい』で第143回直木賞候補となる。他の著書に『花が咲くとき』『メグル』『願いながら、祈りながら』『向かい風で飛べ!』『モノクローム』『森に願いを』『ミツハの一族』『奇縁七景』『花が咲くとき』『わたしの忘れ物』など多数。

「2019年 『明日の僕に風が吹く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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