雲の都 (第3部)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103308126

作品紹介・あらすじ

昭和44年、東大全共闘の砦であった安田講堂が陥落した。悠太が勤める1医科大学の犯罪心理学研究室にも学生が乱入して破壊され、悠太は絶望の淵に落とされる。一方、隠されていた一族の出生をめぐる秘密が明らかになり、次の世代の運命を大きく動かし始める…躍動する昭和史を背景に、東京山の手の外科病院一族の運命を描いた『永遠の都』全7巻(新潮文庫)に続くシリーズ、自伝的大河小説『雲の都』第三部。

感想・レビュー・書評

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  • 時は、安保闘争から学園紛争へ移り、アングラや全共闘、家族の断絶など戦後復興から高度成長へ入っていく。高度成長は経済のみならず、戦後の焼け跡に我先に石を積み上げるように敗戦による価値観の喪失からさまざまな価値観の鬩ぎ合いの奔流の時代を向かえ、文化的対立や創世、成熟となっていく。

    透と夏江の娘の火之子の出生の秘密が明らかとなり、透と火之子の仲に溝が深まっていく。火之子はアングラ劇団の一員となり行方知れず。
    悠太は学園紛争の中、当時の言葉で言えばノンポリでモラトリアム世代的な雰囲気を持っている。小説的にはおもしろくないキャラなのだが、一応主人公のよう。しかし、それが関わる人間のキャラクターを強烈なものにし物語の色を豊にしコントラストを高めている。

  • 東京などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1929年生れ。東大医学部卒。日本ペンクラブ名誉会員、文藝家協会・日本近代文学館理事。カトリック作家。犯罪心理学・精神医学の権威でもある。著書に『フランドルの冬』、『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)、『宣告』(日本文学大賞)、『湿原』(大佛次郎賞)、『錨のない船』など多数。『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞、続編である『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。

「2020年 『遠藤周作 神に問いかけつづける旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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