あつあつを召し上がれ

著者 : 小川糸

• 新潮社 (2011年10月31日発売)

感想・レビュー・書評

[あいさんの感想 · 2014年8月28日]

タイトルと表紙から可愛らしい作品をイメージしていた私は、読み始めて戸惑った。これは…。

老いや、愛する人の死、別れ…どれもズシリときた。誰もがこれから経験するであろう事を、
不器用な登場人物たちが美味しいものを通して語りかけてくれる、感動の7つの物語。
なくしてしまう前に大切なものに気持ちが届けられますように…。そう聞こえる気がした。

どの作品も食べ物の描写が凄い。お腹が空いている時は注意。
メニューの中で一番食べたいものは、ぶたばら飯！

[shu-hongさんの感想 · 2014年4月20日]

物語に登場する食べ物が全て美味しそうだった。ただ、ちょっぴり酸っぱく、塩辛いスパイスが所々に効いている短編集でした。

[kanikuriさんの感想 · 2014年2月28日]

文字にすると”食と人との物語”。ひさびさにじわーっとくる物語たちを読んだ。暖かかったなぁ。まるまる1冊分イイ話達だったんだけど、親父のぶたばら飯、さよなら松茸、こーちゃんのお味噌汁、季節はずれのきりたんぽ、が特に好きだなぁ。他の作品も手に取ってみよう。

[munyanyanさんの感想 · 2013年9月30日]

おいしい食べ物は幸せの象徴だと思う。
でもこの話は料理はおいしそうなのにどこか苦かったりしょっぱかったり。
切なくて寂しくてでも登場人物は幸せなんだろうなと思う。
気持ちが下がっている時感じる幸せは笑い泣きの感情だ。

[aya---tさんの感想 · 2013年5月15日]

料理の描写が秀逸。
そしてものすごく食べたくなる！

[sukonbuさんの感想 · 2013年5月8日]

どの話にもキーになる食べ物が出てくる短編集。
こーちゃんのお味噌汁、親父のぶたばら飯が良かった。
食堂かたつむりといい暖かい話の中にも暗い部分がありますね。

[A（仮）さんの感想 · 2013年3月30日]

小川糸さんの本は食堂かたつむり、喋々喃々と読みましたが、どれも出てくるお料理がおいしそうなのです。
この本も表紙からして期待できると借りてみました。

短編集で７つのお話がおさめられているのですが、どれも気に入りました。
強いて言うなら「いとしのハートコロリット」と「さよなら松茸」が気に入ったかなあ。

「いとしのハートコロリット」ですが、江國香織さんの本の中にもおばあさんを亡くしたことが受け入れられず、おすましと卵焼きを食べたいというおじいさんが出てくる話があるのですが、それを思い出しました。
実際はおばあさんを迎えに来たお嫁さんのように大変なのだろうけど、このおばあさんも江國さんのお話のおじいさんもとてもいとしく思えます。
その世界を守ってあげたいなあ、と。

突然ですが、「千と千尋の神隠し」の中にハクが千尋におにぎりをあげて、それを千尋が泣きながら食べるシーンがあります。
それをみてるとなぜだか懐かしいような共感のようなものを感じます。
誰しも一度は泣きながらごはんを食べたことがあるからかもしれません。
何を食べたとか、どういう状況で、とか細かいことは忘れても泣きながらごはんを食べるあの感じ、は覚えてるものなのかな～と。
何でもそうですが、印象に強く残る出来事とセットになったもの（料理・音楽・風景など）は再びそれらを前にすると、その時の気持ちが蘇るのですね。
この本は料理に限ったそういう記憶、シチュエーションの集まりなんだと思います。

[sunloverさんの感想 · 2013年3月13日]

あたたかい食べ物をホクホクっとしながら食べる幸せ感がえられました。ショートショートだし読みやすかったです。

[吉野さんの感想 · 2013年3月13日]

料理と、人の生き死にを描いた、7つの短編
切なくて、優しくて、心に染み込んでいく
料理のような物語たち

糸さんの物語は生々しい。なのにあったかい。
不思議で、現実離れしているようで、現実を内包している気がする
やっぱり好きだなぁ
人生にちょっと疲れちゃった時に、おすすめです

[sadamamaさんの感想 · 2013年2月15日]

どのお話も好きでした。
お味噌汁のお話が一番泣けた。

どの話も家族の愛を感じ、自分も遠く離れた両親、祖母を思い出して涙が止まらなかった。

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」