鳥の道

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103336051

感想・レビュー・書評

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  • 学生運動終焉期の青春を、信じられないほどの瑞々しい感性と筆致で描いた傑作。立松和平を読むのは3作目。「光の雨」にも衝撃を受けたが、この作品もまた素晴らしいものだった。あまり知られていない(たぶん)のがとても不思議だ。出版社は何をやっているのだ!
    何がすごいと言って、とにかく新しい世界へ飛び出す青春期の、世界と自分との関係性への戸惑いや葛藤や高揚などの一過性の感性をこれほどまでに的確に表現した小説を僕は他に知らない。それはもしかしたら、多分に学生運動期への憧れがある者特有の受け止め方なのかもしれないけれど、この小説の言葉の瑞々しさは、たぶん誰にも否定できない。
    今さらながら、もっともっと世に知られ、広く読まれてほしい1冊である。

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著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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