- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103337416
感想・レビュー・書評
-
お、同い年じゃないか。おっさんでも160km走れるのね。頑張ろw
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トレイルランの日本のトップランナーの鏑木さんの著書。私自身もまだ一回しかトレイルランをやったことがないが、その楽しさ・つらさ、そして達成感は、ロードとは大きく異なるものがある。著者は、公務員からプロランナーになり、日本だけでなく、世界のトップクラスのレースに参加しており、そのチャレンジ精神は尊敬に値する。オンの月で1,000km、オフの月で300kmというトレーニングには及ばないが、私も少しでも走り込みたいと思う。基礎的なスタミナは、10年単位のトレーニングで培われる、というのは納得で、最近少し体力が落ち気味な感じがするので、グローバルで戦うためには、ベースの体力をもっとつけないといけない。しかし、知らない世界にスゴイ人っているもんだ。
-
敬愛する鏑木毅さんの自叙伝。
早稲田大学競走部のエリートランナーだと思ってたけど、違った。
二浪して一般入試で入学して、競走部に入部したけど、怪我で挫折、そして退部した。
この悔しさが、その後の活躍の礎になったのだろう。
また、その人間味溢れるところが、誰からも愛される所以なんだろう。
決してエリートランナーの道を歩んでこなかったからこそ、見えてくるものがあるんだと感じた。 -
鏑木さんの自伝。苦しい時は「鏑木毅たれ」と唱えるらしい。格好良い。
-
日本におけるトレイルランの第一人者である、鏑木さんの、トレイルランに出会ってから数々の過酷なレースを体験し、そのなかでも特に厳しい、UTMB参戦時の苦闘、および日本初の100マイルレースである、UTMF開催までの苦悩を描いた一冊です。
早稲田大学で箱根駅伝を目指しながら経験した挫折、群馬県庁に勤務しながら、突然出会ったトレイルラン、そしてプロになるまでの仕事との両立、怪我との激烈な戦いなど、まさに鏑木さんの波乱万丈な人生を感じます。
その中で鏑木さんの驚異的な精神力に敬服し、また心からのトレイルランへの愛も読みとれます。
もっと多くの人に、トレイルランの魅力を知ってもらうための読み物としてはピッタリだと思いますし、100マイルレースへの意欲も掻き立てられます。
普段はとても穏やかですが、本当に苦しい時には、「鏑木毅たれ」と己を鼓舞し続けるその強さに、感銘を受けました。 -
いっきに読みました。ぼくら、トレイルランナーにとって、あこがれの人、鏑木さん。激闘の跡が、よくわかります。モチベーションがわきました。今日から、また、走るぞ。
-
陸上競技「トレイルランニング」の国内第一人者、鏑木毅氏の自伝。ザ・ノース・フェイスとスポンサー契約を結んでおり、ポスターや雑誌などで見かけることも多い。
トレイルランニング、略称トレランとは野山を走るマラソンといったところだ。自分も数年前から山登りをはじめたおかげで、この競技の存在は知っていた。
一度だけ、山中で練習中のランナーを見かけたことがあるが、歩くだけでも大変な山道を風のように駆ける姿、そしてすれ違いざまの爽やかな挨拶に、ただただ羨望の眼差しを送るしかなかった。
鏑木氏は名門早稲田大学陸上部出身との事で、さぞ輝かしい競技人生を送った後に、トレラン界へ華麗なる転身というパターンかと思っていた。
しかし実際には二浪を経ての一般入学、高校時代に発症した腰痛との闘いなど、相当なご苦労があったようだ。
トレラン選手として活躍する今も、糖質より体脂肪を先に燃焼させるための食事制限など、とても我々一般人には真似のできないストイックな生活を送っている。
本書には鏑木氏が出場した世界最高峰レース、「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」の様子が紹介されている。コースはフランスのシャモニーをスタート後、イタリアとスイスを巡ってフランスに戻るという、信じられないほど過酷な全長160kmの山岳地帯だ。
狡猾なライバルとの駆け引き、悲鳴を上げるアキレス腱、胸筋の疲労による呼吸困難、薄れてゆく意識の中で思い出す保育園の帰り道・・・・・・何度も何度も自分を鼓舞しながら走り続け、スタートからほぼ丸一日後に迎える人生最良の日。
スリリングなレース展開の描写に、一瞬ランナーに併走しているような錯覚を覚えた。こんなにも過酷な状況は、どんなに優れた作家でも伝えるのが困難だろうと思う。実際にこのレースを走った鏑木氏にしか表現できない世界なのだ。
あのとき山道ですれ違ったランナーも、いつか同じ感動を味わうのだろうか。子供の頃から持久力に自信のない自分には、全く別世界のお話だ。でも、これ以上ない苦しみの後に味わう最良の瞬間を、読書という形で共感させてくれたこの一冊に感謝である。 -
この本を手に取る人の多くは鏑木氏の存在を雑誌やNHKのワンダーワンダーあるいは激走モンブラン2011(http://www.youtube.com/watch?v=sJtplxRDl1A)で事前に知っている方たちだと思われます。そういった方たちにとってはウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UMTB)の過酷さを映像イメージでとらえられるので前半のレース回顧の部分はすんなりと頭に入ってきて楽しめるでしょう。
依然として鏑木氏は現在トレイルランナーとして活躍している一方、大会プロデュースも手掛け始めており、UMTBを知らない方でも、後半部のUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)の記念すべき第一回を開催するに至る運営側の話はランニングを趣味としレースに参加している方なら裏話的にとらえられて十分面白い内容です。
鏑木氏のお人柄はテレビでのトークシーンのみからの判断となりますが、一流のアスリートながらもおごり高ぶることのない人となりを感じていましたが、この本の文章からも十分その人柄が伝わってきます。前半部分に書かれている若き日の多くの挫折が鏑木氏をそういった人柄にさせてくれたのではないかと思います。 -
なんで山を走るのか。意味がわからん。
この考えは山なんて行ったこともなかった5年前もそうだったし、
登山を始めてその楽しさとつらさを知った2年前もそう思ったし、
70キロのトレランを走ってその辛さを実感した今もそう思うし、
この本を読んで、100マイル走る喜びを聞いた今でもそう思う。
でも、徐々に山を走る方向に自分が傾いているのは、
知らぬうちに山の底知れぬ魅力にひかれているからなんだろう。
沢山練習したくないから、100マイルは走らないけど。
なんて言ってるのも今のうちかもしれない。
自分を突き動かす野生の衝動が怖い。