許されようとは思いません

著者 :
  • 新潮社
3.40
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本棚登録 : 1079
感想 : 171
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500810

感想・レビュー・書評

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  • 初めての芦沢央さん
    短編5つですがイヤミス?なのかな?

    表題作「許されよう…」は曽祖父を殺した祖母の話。
    村八分の嫌らしさ、恐ろしさ…祖母の最後の望みが痛いほどよくわかる。

    好きだったのが次の二篇
    「姉のように」
    少し違和感ある内容がラストに繋がる。
    じわじわ壊れていく描写が上手い。

    「目撃者はいなかった」
    松本清張の「霧の旗」を思い出しました。

    ホラーかと思って手に取りましたが違ったな笑
    次は「火のない…」読みます(^ ^)

    夏はホラー♪



    • おびのりさん
      芦沢さん、思っているより悪なのよ。
      芦沢さん、思っているより悪なのよ。
      2023/06/25
    • ひまわりめろんさん
      いやいやいや!
      みんみんさんよ〜
      芦沢央さんてイヤミスの人やで!
      いやいやいや!
      みんみんさんよ〜
      芦沢央さんてイヤミスの人やで!
      2023/06/25
    • みんみんさん
      ホラーかと思って読んだの。゚(゚´Д`゚)゚。
      まあ若干イアミスだったけど笑
      ホラーかと思って読んだの。゚(゚´Д`゚)゚。
      まあ若干イアミスだったけど笑
      2023/06/26
  • 芦沢央さん。初読み。やっと読めた。
     
    ミステリ短編集。
     
    ●許されようとは思いません
      亡くなった祖母の真意とは。
     
    ●目撃者はいなかった
      仕事のミスをきっかけに堕ちてゆく男の運命。
     
    ●ありがとう、ばあば
      孫娘のマネージャーとなった祖母は。
     
    ●姉のように
      尊敬していた自慢の姉が事件を。
     
    ●絵の中の男
      怖ろしい絵の誕生には秘密が。
     
    「目撃者はいなかった」と「姉のように」が好き。
    じわじわと足元が砂のように崩れてゆくその描写が素晴らしい。
    追い込まれてゆくのも分かるな、と理解できる。
    自分も一つ間違えばそうなるかもと思わせてくれる。
     
    読み終えて、米澤穂信さんの「満願」「儚い羊たちの祝宴」を思い出した。

  • ★3.5

    日常に潜む狂気を描いた5編の短編集

    ・許されようとは思いません
    祖母の遺骨を納骨する為に祖母が暮らした村を訪れた私。
    祖母は一緒に暮らしてた曾祖父を殺害し村十分になってた。
    余命僅かな曾祖父を祖母は何故殺したのか…。

    ・目撃者はいなかった
    受注の数を間違えた営業マンが会社に内緒で処理をしようと
    嘘に嘘を重ねていくが、隠蔽工作の当日交通事故を目撃する。
    証言をせずにすませようとするが…。

    ・ありがとう、ばぁば
    子役として活躍をはじめた孫娘を必死でサポートする祖母の私。
    ホテルのベランダに閉めだされてしまう。
    このままでは凍死してしまう。孫娘はどうしてこんな事をするのか…。

    ・姉のように
    小さいときから憧れの姉だった。
    その姉が事件を起こしてしまう。姉の様にならないように、
    自分の娘への虐待の衝動を抑えようと必死になるが…。

    ・絵の中の男
    女性画家は幼い頃に一家皆殺しにあった生き残りだった。
    その悲劇をモチーフに絵を描いていたが、やがて描けなくなり…。


    日常に潜む狂気を描いた作品そのものでした。
    姉の様には、すっかり騙された~♪
    この世の中で一番怖いのは人間なんだなぁ。
    人間の心に巣食う闇…あるきっかけで悪い方へ悪い方へ転がっていく。
    人は追いつめられると、思いがけない事をする。
    誰の身に起こってもおかしくないって思うと怖かった。
    圧倒的な心理描写にゾワゾワさせられました。

  • 許されようとは思いません
    評価3
    そぐわないものを徹底して排除する村。それを甘んじて受け入れてきた祖母が曾祖父を殺めたのは、自らを含めた全ての人を救うためだった。
    そもそもそんな村に婚約してもいない交際相手を連れて行くものか、という根源的な疑問は別として。

    目撃者はいなかった
    評価4
    自己保身のため、人は時として人として誤った選択をする。
    主人公は愚かだか、自分にも起こり得ること。
    教訓小説。

    ありがとう、ばあば
    評価3
    こわい。ばあばにとって当然の報いなのかもしれないが、あまりに残酷。

    姉のように
    評価4
    読中感と読後感が全く異なる。
    読み終えて、こんなに感情移入したのに、一体なんだったんだ~っ!と声を出したくなってしまった。

    絵の中の男
    評価2
    芸術家の狂気の前では生命の価値も低い。

  • これをイヤミスと呼ばずして何がイヤミスなのだろうか。抉られる5編。子供との関わりについて嫌らしさがダイレクトに伝わる小説が多い。
    サラリーマンとしては、資材の発注ミスを誤魔化そうとして、交通事故の目撃者になる話が、妙にリアルで気持ち悪かった。

  • イヤミス短編集!どの作品も興味深く読んだけど、うーん、やはりイヤミスは読後感がスッキリせずなんとも苦手です。

  • いわゆるイヤミス短編集。あまり普段読まないタイプの本なのだけれどこれは表紙絵がとても気に入って(エイミー・ベンダーの文庫本カバーなどと同じ人ですね)。それぞれ人間のいや~な部分の描写がリアルで、オチでアッとなり面白く読みました。

    表題作は、田舎の村で村八分にあっていた祖母が曾祖父(祖母にとっては舅)を殺害した事件について孫とその恋人が真相に辿りつく話で、収録作の中では唯一終わり方が優しい(温いと言う人もいるかもしれない)のだけど、田舎の因習、境界の神様などのおどろおどろしさが好みだった。

    「絵の中の男」は、現代版「地獄変」かつ家政婦は見た!の赴き。子供の純粋さが悲劇をもたらす「ありがとう、ばあば」は、喪中ハガキのくだりでオチがわかっちゃったのだけど、そこにいたる過程の描き方、ばあばのエゴイスティックなキャラ作りなどがお見事。

    ※収録
    目撃者はいなかった/ありがとう、ばあば/絵の中の男/姉のように/許されようとは思いません

  • 題名から、もっと怖いかと思ったが、サクッと読める短編集だった。

  • 短編集。このところ続け様に芦沢央さんの作品を読んだけど、話の繋がりのない短編より、長編とかシリーズものの作品の方が好きだな。

  • 好きな雰囲気のイヤミス。謎解きパートがちょっとくどいかなと思いつつ、他の作品でも同じテイストなので作者の持ち味の一つなのでしょう。どの話もヒリヒリ感を楽しめたけれど「目撃者はいなかった」が一番好きでした、嘘を隠すため嘘を重ねるあの感じが理解できて、胃が痛くなりそうだった……。「姉のように」は冒頭の新聞記事の内容に違和感は覚えたものの、結末は予想外だったのでびっくり。

著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

芦沢央の作品

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