春待ち雑貨店 ぷらんたん

著者 :
  • 新潮社
3.38
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本棚登録 : 391
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103515111

作品紹介・あらすじ

いびつでもいい、不器用だってかまわない。手作りの幸せ、お届けします。京都にあるハンドメイドアクセサリーショップ『ぷらんたん』。店主の北川巴瑠のもとには今日も悩みを抱えた客人が訪れる。その一つ一つに寄り添い、優しく解きほぐしていく巴瑠。でも、そんな彼女も人には明かせぬ、ある秘密を抱えていた。大ヒットシリーズ『珈琲店タレーランの事件簿』著者が贈る、心震わす連作ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでから随分経った今でも、たまに思い出す。
    思い出すのは、表紙の絵。
    あたたかくてぽかぽかした陽光が差す、雑貨屋さん。
    正直物語はあまり覚えてないけれど、雰囲気が好きだなぁ。
    こんな風にひっそりと佇む雑貨屋さんがあったら行ってみたいなぁᐠ( ᐢ ᵕ ᐢ )ᐟ

  • +++
    京都にあるハンドメイド雑貨店『ぷらんたん』。店主の北川巴瑠のもとには今日も不思議な出来事が舞い込む。イヤリングの片方だけを注文する客、遠距離恋愛中の彼氏から貰ったアルファベットの欠けたネックレス、頑なに体の関係を拒む恋人、そして、お店への嫌がらせ。ひとつひとつに寄り添い、優しく解きほぐしていく巴瑠。でも、そんな彼女にも人には言えない、ある秘密があった。とあるアクセサリーショップと4人の来訪者をめぐる物語。
    +++

    一歩店内に入れば、たちどころにその場所が好きになる。そんな店がぷらんたん。巴瑠の手作りアクセサリーを主に、数人の作家の作品も置いている小さな店だ。手作りアクセサリーには、作り手の内面がにじみ出るのか、リピーターもついてくれ、細々とではあるが続けることができている。そんな巴瑠にも、そのことによって、人生の道筋さえもちがってくるかもしれない屈託があるのだが、進んで人に言いたいことではない。店に舞い込む困りごとに、親身に向き合うのも、人の痛みがわかるから、ということもあるだろう。恋人や友人、お客さんとの関係を通して、困りごとに解決の糸口を見つけたりしながら、巴瑠自身も少しずつ強くなり、前向きになっていくのがわかって、応援したくなる。いつでも真っ直ぐでいようと思わせてくれる一冊でもある。

  • 京都でアクセサリー屋さんを営む巴瑠。彼女とまわりで起こる謎を解決するコージーミステリー。
    というにはどれも重いなぁ。「春待ち…」といいこと起こりそうなタイトルや、ほんわり暖かな表紙とは裏腹に、取り上げる謎が重いよ。。
    巴瑠側の人たちがいい人なので、余計に事件がたち悪く見えるのかな。

    ペンダントの謎は、腑に落ちなかった。わざわざそんな贈り物するかな。謎ありきの物語という感じ。学生二人の友情は微笑ましい。

    タレーランと思われるお店がちらっと登場して、ちょっと嬉しい。

  • 読み始めてすぐに「あれっ?これ読んだな?登録し忘れてる?(--;)」と思っていたら、最初の話だけ友人から借りたアンソロジーに入っていたことが判明(^^;)それにしてもまぁ~よくこんなに胸糞悪くなる人を揃えたな(-_-#)主人公の巴瑠さんと仲間達が心の強くてイイ人だから、余計に腹が立つι(`ロ´)ノ最後の人以外は改心の気配もないし┐(-。-;)┌そんなこんなに負けずに頑張る人には、もっと素敵な奇跡があっても良いと思う!!o(・ω・o)

  • 苦しみながらも前に進んで行く巴瑠が良かったです。
    自分自身を見つめて迷っているけど、暗い方にはいかないで前を向く、強い女性だと思います。
    ハンドメイドのお店も興味深い。周りで起きる事件も様々で楽しめました。

  • ハンドメイドショップ店主の巴瑠と悩める訪問客の話。優しくほっこりするお店とは裏腹に胸糞な原因、絶対許さん案件過ぎて光と影の加減がえげつなかった。訪問客に寄り添ってくれる巴瑠が救い。こういうお店に行ってみたい、ってモデル店がある!?とりあえず行く。

  • 面倒くさい人のオンパレード

  • ハンドメイド雑貨店の店主 巴瑠が、自身も人と違う悩み・コンプレックスを抱えながらも、それぞれ悩みを抱える客へ、素敵なアクセサリーと思いやりの言葉をかけていくストーリー。
    キャラクターの日常を垣間見つつ、謎解きをしていくスタイルのストーリーが楽しい。
    舞台設定から一見のほほんと温かいストーリーかと思いきや、光と影の描写に緩急があって面白かった。

    2021.03読了

  • 表紙が可愛いから、と息子(幼児)が選んでくれた本。
    自分では選ばないタイプの本だけど、人に選んでもらうと読んでみようって気になりますね。

    ハンドメイドアクセサリー作家で、京都で小さなお店(ぷらんたん)をやっている巴瑠(はる)。
    ぷらんたんという店名は、春を意味する言葉「プランタン」を、より柔らかく表現するためにひらがな表記にしたらしい。
    少し脱線しますが、私はNPO等が団体名にひらがなを使うこと(はぁもにぃ、とか)が常々不思議だったんだけど、柔らかい印象にするためだったのか…。謎が解けました。

    そして、ターナーについて、この本読むまで、恥ずかしながら全く知識がありませんでした。
    私、「過度なダイエットで生理が止まることがある(だから成長期にダイエットするな)」と口酸っぱく言われた世代なんですよ。
    だからなのか、成人後も生理がないという知人の話をたまに聞くと、ストレスや、ダイエットの影響なのかな?程度に考えてた。
    同性として、この年まで知識がなかったことが少し恥ずかしくなった。

    お話の中身よりも、そういう設定的なところが印象的な本でした。


    お話は、ハンドメイドアクセサリー雑貨屋さんを舞台にした、コージーミステリー四篇。

    四葉のクローバーのアクセサリーあげて別れる暗号仕込む男とか、
    女の人の股にタバコ押し付けて火傷させる男とか…。
    最低男が出てきたのが、気分悪かった…。
    表紙の可愛らしさ、ハンドメイドアクセサリー=ほっこり系のお話、と思ってたんだけどな。

  • 初っぱなからうるるっ!

  • 「ひとつ、ふたつ」
    二人ならちょうどいい。
    言葉選びとはどんな局面でも大切な事だが、自分自身が長年葛藤してきた事を告白した時に自分も同じだからちょうどいいと言うのも違うのでは。
    彼女は自分の事をしっかりと話してから受け入れてもらえるか相手に尋ねたが、彼は彼女の事を一方的に知っていたからとはいえ先に話すつもりは無かったのだろうか。

    「クローバー」
    最後に送るプレゼント。
    どれだけ同じ時を過ごしていたとしても、あんな言葉と共に渡されたネックレスに別れの意味があるだなんて普通誰も想像しないだろうし回りくど過ぎやしないか。
    地味だからと謙遜していた部分もあるだろうが、その場しのぎの言葉ばかりで彼の言葉には何も重みも無く虚勢だけの空っぽに聞こえたな。

    「レジンの空」
    彼女が隠したかった痕。
    若気の至りでは済まされない行為ではあるが、結婚を考えている相手にまで承諾を得る事無く無意識なのか意識的になのか突然やられた彼女は怖かったろうな。
    デリケートな話題で有り本人がショックを受けている時にかける言葉でもないが、その様な事しか頭に無い人だからこそ出てきた言葉なのかもな。

    「手作りの春」
    相次ぐ不良品に違和感。
    一人一人の作家を信頼しているからこそ、販売するハンドメイド商品以外の情報をチェックする事無くブースの許可を出していたのだろうな。
    彼の様な思考の人間に彼女の事情を知られたら、一昔前のような扱いを受けるだろうし当人を前にしたとしても一人持論を言い続けそうだな。

  • 【内容】女性がひとりで営んでいるハンドメイドアクセサリのショップには悩みのある女性が迷いこんでくる。タレーランかもしれない店もちょろっと出てくる。
    【感想】カバー絵から想像してたのよりわりと重い話かな。もっとほんわかしてるかと思った。ぼくには合わないけど人によってはしみるでしょう。

    ▼ぷらんたんについての簡単なメモ

    【安藤奈苗】ぷらんたんの客で先天性耳垂欠損の女性。とんぼ玉のイヤリングを3つ注文した。
    【小高未久】ぷらんたんの常連客。大学生。遠距離恋愛中。
    【北川巴瑠】主人公。ハンドメイドアクセサリの人気作家であり雑貨店ぷらんたんのオーナーでもある。ターナー症候群のため結婚や出産を縁遠いもののように感じている。正義感が強くけっこう短気。
    【桜田一誠】巴瑠の恋人。優しいが正義感が強い。
    【佐山唯美】名倉友則の恋人。なにかを隠しているらしい。
    【杉野美貴】小高未久の友人。明るく派手なタイプ。
    【宝田遼平】回想に出てくるクソ野郎。
    【名倉友則】桜田一誠の友人。大学のテニスサークルで出会ったらしい。
    【向原拓也】小高未久の恋人。プロのミュージシャンを目指している。
    【百田理香子】巴瑠にアクセサリー作りを教わりアクセサリー作家になった主婦。

  • 直前に読んだ岡崎作品「道然寺の双子探偵」よりもよかったです。何が、というとやはり主人公が迷いながらも自分と向き合いながら生きてゆこうという姿でしょうか。道然寺~においては語りの視点となる一海はともかく、双子のランとレンが中学生ということもあり、本作主人公である巴瑠ほどの迷いを感じさせない純真無垢な印象であり、どちらかというとライトな読み物という色合いが強い作品でしたが、本作及び巴瑠はというと、ターナー症候群を抱えているという状況もあって「プランタン」を訪れる客にまつわる出来事を通してや自分自身の考え方・生き方を模索する点が色濃く描かれている作品である、という印象を持ちました。個人的には本作のほうが読んでいてより一層入り込める作品でした。

  • シンプルに考えることしかできない自分は幸せかも・・・
    自分にとっては、登場人物の心理が複雑すぎて(^^;

  • 京都にある創作アクセサリーのお店を舞台にしたお話。それぞれの登場人物が自分に欠けているものを、うらやんだり、羨ましがられたり、思い悩んだり、受け入れたりしている。
    2019/8/23

  • 北川巴瑠がやっているアクセサリーショップ ぷらんたんで繰り広げられるエピソードを綴った短編が4つ.桜田一誠との付き合いで、お互いの体の欠陥を告白し合うなかで、安藤奈苗も加わっていく「ひとつ、ふたつ」.「手作りの春」で、百田理香子とやり取りで一誠との捜査らしき行動が面白かった.全般に、ほんのりした感覚で読める.

  • 柔らかくて
    フワフワした感じ
    どうも・・・
    出来過ぎてるような

  • 京都にある雑貨店のハルは身体に関する秘密で傷ついたことがある、ハンドメイド作家。訪れる客や人々、起こる事件や悩みを、自分も悩みながら超えていく。隣の芝生は青く見える、だが、それを妬んだり恨むのは筋違い!続編も読みたいな。

  • 想像していたよりも話が重くて読むの嫌だなと思ったりもしましたが、なんだかんだで楽しく読めたし、恋愛の可愛らしい話だったなと思う。京都で、女性バリスタの煎れるコーヒーが美味しいお店……!やっぱちょっとしたコラボはテンションが上がりますね。

  •  雑貨店の店先で、客店主ともにぶっちゃけすぎ。そこまで話すのって感じです。

     プロローグの裏切られ気分も、どっちもどっちだろ?って。

     心震わすってより、イラっとさせられました。

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著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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