朝焼けにファンファーレ

  • 新潮社
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本棚登録 : 232
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103537113

作品紹介・あらすじ

夢のスタートラインに立つ時くらい、どこまでもまっすぐで青くてもいい。それぞれの想いを胸に秘め、法律のプロを目指す司法修習生たち。優秀だけどまだまだ成長中、そして個性強め……。彼らと過ごすささやかな謎に彩られた日々が、教育にあたる大人も変えていく。理想と現実に悩みながら進む彼らの背中に響く、祝福のエール。現役弁護士でもある著者による爽やかなリーガル青春小説が誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 司法修習生たちの修習期間中に体験する謎解きや事件の話

    魅力的な人物がたくさん居て、続編があれば読みたい。
    法律家の卵たちが必死に考えて悩んで、被害者や加害者のことを考えて誠実であろうとするところが、グッとくる。自分の仕事に対する姿勢と比べると志が全く違う。見習わないと。

  • 法曹家を目指す人たちは、司法試験に合格した後、司法修習生として全国各地で司法修習を受ける。

    この本では、そんな法律家の卵たちが修習を通して「法律家はどうあるべきか」を学び、成長していく。また、逆に受け入れる側の法律家たちも、彼らから新しい学びを得ていくお話。

    司法修習について詳しくなれたし、
    彼らの成長に心が温まった。

  •  司法修習生を中心としたオムニバス短編集。

     真面目で若干融通の効かない花。司法修習生の藤掛を指導する事になり、見た目チャラそうな感じで人あたりが良いのが苦手意識を持ってしまったが…恋人の達哉との関係が思ってたのと違って驚きました。ちょっと倦怠期なだけかと思ってたのに。タイトル通り、藤掛のチャラそうな見た目とは裏腹に、人を良く見てる姿がとても好感が持てました。

     司法修習生って漠然とどんな事してるかよく判らなかったけど、こうして法曹界の道を進むんだと感慨深かったです。

  • 面白かったけど、ちょっとカッコ良すぎる気がします。
    修習生は確かに優秀な人間集まりだとは思います。
    けど優秀過ぎるのかな。
    人間味が感じらない気が自分はしますね。

  • 司法修習生達が、様々な事件や案件に出会いながら、仲間と共に法律のプロへ目指そうと奔走する物語です。

    全4章で、最初の3つは、弁護士、裁判官、検察のそれぞれのプロを主人公にその人から見た司法修習生の活躍を描いています。

    他の職業もそうですが、経験者から見た新人は初々しく、大丈夫なのか?と不安なところがあるかと思います。でも、参考になる部分、見習う部分もあり、そういった部分も含めて、爽やかに描いていて、青春っぽさを演出していました。やっぱり一緒に学んできた同期・仲間がいるのは良いなあと感じさせてくれます。
    それぞれの現場にいるプロの背中は、異なった独特の空気を放っていて、違った楽しみ方がありました。
    テレビで見るような司法の世界とは違い、どっちかといえば作業は地味なことですが、司法修習生という新しい風が加わることで、所々気持ちの重たい事件や暗いことが描かれていますが、そんなことは吹き飛ばすかのような爽やかなリーガル小説に仕上がっているなと思いました。

    ちなみに最後の章は、司法修習生内の模擬裁判や空き巣事件?を中心にしたミステリーで、今までの雰囲気とはまた違った面白さがあり、リアリティーもあって、楽しめました。
    司法修習生が今後、どのような法律のプロへと進んでいくのか、スピンオフとして、その先も描いて欲しいなと思いました。

  • 司法試験に受かって、収集中の若者たちを題材にした青春小説。

    図書館で他の人が借りているのを見て手に取った本。

    いくつかの章に分かれていて、それぞれ違う人物がそれぞれの主人公となる。幼少期からの思いや、あるいはこれから先への不安や、進路を決め切れない思いなど、それぞれの思いを抱えている人たちの、必死の頑張りが伝わってくるような小説。

    法曹に詳しくなくてもついていけるように、非常に分かりやすく解説が変わっている。
    ただ最後の章は、登場人物が増えるため、それぞれのキャラやまたセリフを追いかけるのに苦労した。

  • 司法修習生たちの連作短編。早くお金を稼ぐための手段として医者より法曹界を選んだ柳君が印象的。読後にテレビで見た別の作家さんのインタビューでも、作家になるためにまずは弁護士になってお金を貯めたとのことで、頭のいい人は目的を達成するための最短手段を選び実現できてしまうのだな…とあこがれというか尊敬した。

  • おもしろかった。ほぼ一気読みしてしまった。えらく詳しいと思ったら作者は2年前まで現役で弁護士をしていた人だった。少し推理小説っぽいところがあってそこもおもしろいと思ったら、もともと推理小説をメインにしている人らしい。これならテレビドラマになりそう。それぞれのキャラの描き分けがうまいので一人一人を主役にすれば続編もいろいろ書けそう。書いてほしい。男に振られた弁護士とか、これから司法試験を受けようとする人とか、その後どうなったのか知りたい。

  • 法律家を目指す若者の話。難しい専門用語ばかりで読みにくいということはなく、私もまだまだ色んなことに挑戦しようと思える元気の出る本でした!

  •  司法修習生がプロになる道のりを描く。
     キャラクターありきの短編集ではなく、きちんとそれぞれに法に関する問題提起を含んでいる。
     ただ、このように真摯に向かい合うべき法律。それを生み出す立法の府は、厳しさを欠いてはいないか。そこを、今度は誰か小説にしてくれないか。
     

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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