- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103622062
作品紹介・あらすじ
あの人は、深い森へと姿を消した-。恋に破れ、家は破滅し、声を奪われ、穢れた死者として追放されたカヲルは、最果ての島へたどり着く。「一番いい時代の私をあなたに預けます」-あの人の微かな声に導かれ、黄泉の国と繋がったこの場所で、恋は今再び、脈打ち始める…。島田雅彦の代表作「無限カノン」第三部完結編。
感想・レビュー・書評
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11月の3連休、小説は『エトロフの恋』、一方でGyaoの無料視聴キャンペーンでABCのTVドラマ『リベンジ シーズン1』をコンプリート。観念的な島田氏の小説と、いかにもアメリカでございという良くも悪くも通俗的なドラマが対極にあり、おかしな食い合わせとして良かったが、頭の中もグチャグチャだ。
2003年に上梓されたこの作品では、最近の小説ほど、氏のアメリカ合衆国嫌いは色濃くない。シャーマンの話は氏の作品ではたびたび取り上げられるが、通俗的な資本主義と対極をなすのはシャーマニズムだったり民俗学だったりと気づかされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第2作だと思って読んだので、中間で何が起こったのかが気になって仕方なかった。あとがきに、いろんな順番で読むことができる作品だと書いてあったがその通りだと思う。
最後にこの作品を読まなくて、私の場合は正解だったと思う。いずれこのような結果になるのだということ感傷的な結末を念頭に起きながら、『美しい魂』を読み始めることができたから。 -
最後になってエトロフまでの過程が納得、中学生の時に好きになった不二子は皇太子妃に、かなわぬ恋はエトロフの地に逃れても忘れることなく男は最後まで一途・・・
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2009/8/17購入
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無事終了。北方領土。皇室。アイヌ。とてんこもり。おもしろかった「けど」ってところかしら。
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確か3部作が出ていたはずだ、と手に取ったのがこれ。よく見ないで最後の章から読んでしまったようだ。結末があって、それからプロローグを読む、でもいいか。
「夢を見る」感じが以前よりずっとリアルに出されていて、いい。 -
無限カノン3部作の最終巻。1、2巻ではカヲルと不二子の愛、先祖代代にまつわる愛の話を、カヲルの娘である文緒がアンジュによって聞かされるっていう設定だったけど、この『エトロフの恋』だけはカヲルが主体となって話が進む。
退廃的であることは美しいことだ。そう思った。
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壮大な三部作の一部。
成就で着なかった、封印された恋が再び夢や回想となって主人公を悩ます。
恋には終わりが無いものなのかもしれない。精神愛。
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やっちまった・・・3部作なのに、1→3って2飛ばしちゃったよ!!!しまった〜。しかしあとがきに1→3→2の順で読めば推理小説の様に・・・って書いてたから良い事にしよう、てか良い事にしなかったらやり切れない。だって気付いたの最後の最後の〈無限カノン 第3部 完〉ってとこだし。まぁそれはもういいや。なんか、他人の頭の中の迷路の中を、旅してるみたいな気分になったお話だった。カヲルの頭の中は 長い長い恋に満たされていて、その恋は死なない。なんか勇気づけられた様な気がする。
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3部作最後の作品。
しかし一度「美しい魂」で臨界点に達した作品に対し、この続編は少し蛇足感がある。
テーマは主人公の魂の救済。