- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103622086
作品紹介・あらすじ
会社を辞めたい人、すべてを捨てて失踪したい人、居場所を探している人、必読! 大手銀行に勤務する藤原道長は、行内で背任の容疑をかけられ、妻と娘を残し失踪する。サラリーマン生活の離脱初日は優雅に鮨をつまみ高級ホテルへ、翌日からは下町の酒場、公園の炊き出し、路上、そして段ボールハウスへ――。所持金ゼロで生き延びるためのニッチ(適所)はどこにある? 東京をサバイバルする実践的サスペンス。
感想・レビュー・書評
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家族から職場から、突然の失踪。中年銀行マン、藤原道長は会社のカネを着服し、にわかホームレスとなり、誰も知らない自分だけの居場所「ニッチ」を求めて東京都内を歩き回る。先住のホームレスから教えを受けたり、施されたり。オヤジ狩りにも遭い、痴呆症の美魔女から自宅に招待されたり。そんなこんなを繰り返し、彼は立派なホームレスへと成長する。
しかし、「ニッチ」はなかなか見つからない。やがて、彼の着服金を追って、悪の組織が動き出す。
小説という形式だが、これは都内ホームレスのHow To本だ。どこで時間をつぶせるのか、食事ができるのか、睡眠をとれるのか、具体名をあげて詳細に説明されている。おそらく、著者もプチホームレスを体験したのだろう。ものすごく具体的。屋根と壁が人間の安らぎの源なんて表現は体験しないとわかるまい。
沢木耕太郎の「深夜特急」を読むと一人旅をしたくなるように、この本を読むと、無性に野宿をしたくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
背任の容疑をかけられ、失踪した銀行員が、ホームレスの体験をしながら生き延び、最後は助かる設定だが、その間の心情の変化が興味深い。
人間は自己の生きる力を大切にすべき。 -
普段触れ合うことのない世界で面白い
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後半ちょっと伊坂幸太郎風かなと感じるところもあるが、やっぱり違うのが面白い。
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いやはやいやはや…
これはなかなかになかなかなおもしろさ!
ミステリー?どうなんだ?
紀行?それも違うかな?
失踪してみたくなっちゃうじゃないか!
これは困った… -
おもしろかった。
初めての島田雅彦作品!
ストーリーは結構好みだったが、表現が面倒くさいことが度々あった。
まぁ、好みの問題ですけど… -
話自体は面白いのです。
ただ、いかんせん序盤で、妻子持ちの男性があっさりデリヘルを利用しちゃうシーンが、免疫力のない私にはショックでした。
娘さんとの信頼感溢れるやりとりの中でも、つい、序盤のことが思い出されてしまい、主人公・道長を素直に応援しきれませんでした。
物語全体からすれば、かなり瑣末なことなのですが。
話自体は面白いです。