- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103710059
感想・レビュー・書評
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二十四時間ってタイトルと、ぱらっとめくってみた目次に並んだ「二十三時」「十八時」…という章から、ピッッッピッッピッピピピピピピーーーーーの音が頭の中で鳴りドラマの「24」を連想して勝手にそういうミステリーだと思い込んで読み始めたのでした。一章目、二章目、、、ページを繰れば時代も場面が変わり一向に事件も起こらない。この主人公はもしかして!?と、ようやく気付いたのだけど、これは何時という時刻とその時刻に絡めた思い出がつづられたご本人のエッセイでした。乃南さんのミステリーといえば、これまた勝手に寒・冷・鋭・尖・惨・灰色とか薄暗いとかそういうイメージ。なのですが、このエッセイは赤く染まる夕陽のような懐かしい色に包まれてる。乃南さんとはちょうど10歳違いなのですけど、子供時代の話にはあるある話が多いし、ジャンルは違えど学生時代の自分だけが疎かった話なんか「そうそう!そうだよね」と話しかけたくなるくらい。読む章によっては、すっかり記憶からなくなってたような昔の思い出をふっと思い出したりもしました。凡人と違うのはそういう普通の出来事が、雑多なままではなく風景が見えてその場にいるような気持ちになること。自分もこういう風なメガネで事実をいつも見られたらどんなにいいだろう。
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一時間枠で、物語を区切っている作風に感心~~。
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なんか、誰もが覚えがあるようなそんな平凡な日常のひと時を時間枠で切り取って、24のストーリーに仕立てている。
ここを読んで知ったけど、実際に作者自身の体験に基づいているんですね・・・なるほど。
大事件が起こるわけじゃないし、1つ1つの話も普通の短編より短いくらい。だけどぐいぐい引き込まれる。
一気読みするとちょっと飽きるけど、ひとつひとつを噛み締めて読むととても面白い。
私は映画を初めて見た夜の「二十一時」が一番好き。これを読んで、自分にもこんな時があったことを思い出した。 -
【9/2】古書店で見つけた本。表紙の猫に惹かれて購入。強いてあげるなら、「二十一時」と「十五時」の話がお気に入り。「十四時」の読後はラーメンが食べたくなった。