お家さん 下

  • 新潮社 (2007年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784103737100

みんなの感想まとめ

日本一の商社として名を馳せた鈴木商店と、そのトップに立った鈴木ヨネの物語が描かれています。大正・昭和の時代背景の中で、男性たちを支え、見守る女性の姿が印象的で、彼女の信頼と応援が商社の繁栄に繋がったこ...

感想・レビュー・書評

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  • 大正・昭和の時代に、日本一の商社となった鈴木商店、そしてそのトップに立った鈴木ヨネの話。ミセで男衆が働くのを大樹のように見守り、信じ、その活躍を応援した女性。
    台湾旅行で日本統治時代の遺物が残る場所を巡ったので、出てくる地名も懐かしく、また訪問したくなった。

  • 朝ドラ的展開。

  • 良かった!!図書館で借りたが、買って手元に置いておこうかな、と考え中。それほど読んで良かったと思う本。

    まずは語り口がいい。時には当事者としてのお家さんの関西弁の声で、時には一歩引いた客観的な標準語で物語が紡がれているので、長い物語でも単調にならず、時代を一緒に駆け抜けている感覚を味わえる。これがずっとお家さんの語りで話が続いていたらベタっとした女の一生を語っているだけの物語のようになってしまったのではないか。

    そして、鈴木商店という実は三菱三井をも凌駕する商社が存在した事、鈴木よねが当時のフォーブスの世界の長者番付の女性としてトップになった事等の驚き。その関連会社には、今の時代でも名前を聞けばすぐに分かるものが多い。この本のお陰で、鈴木商店についてももっと知りたくなった(ので、城山三郎の「鼠」を早速図書館で予約中)。女の一生の物語ではあっても、間違いなく経営についてもきちんと調べて書いてある本だと思う。

    これは史実をもとにしたフィクションだろうが、是非事実であって欲しい、と読後思った。金子直吉の魅力、働く人達の使命感、鈴木よねの生き方、世のため国のためと思って事業を続けいてく様子・・どれも本当にそうだったんだと思え、当時の人達の息遣いが伝わり、胸を熱くし、希望を持たせてくれる。

    話の本流ではないのにかなりのウェイトを占めるのが珠喜と田川、珠喜と拓海。これがまた良い笑。何度涙を流した事か。この時の語り口がまた、良かった。淡々として、でもほとばしる思いが乗せられていて。自分が勝手に想って追いかけて・・癒してあげられると信じたのに、全ては自己満足だった・・恋愛とはそういうものよね、と若かった頃の自分のその若さ故の愚かさを一緒に嘆き、恥ずかしく思い、懐かしみ。そしてすべてを振り返って「若さとは、過ぎた日々とは、こうやって大人になって振り返る、遠い道程の果てに残した、光る小石なのかもしれない」とそっと自分の全てを受け入れて流してくれるようなその言葉がとても印象に残った。

    電車の中でも涙を流しながら読んでいるうちに、鈴木よねの最期の場面なんて、どうやって読めるだろうか・・と思っていたらこれが予想外にあっさり書かれていた。それはそれで良かったと思う。こんな素晴らしい、シャキっとした人の死ぬ所の描写なんて意味がない。その点、作者のセンスの良さを感じた。

    これはきっといつか朝ドラか大河ドラマになるんじゃないか、その時は女の一生がメインになっている、ちょっと俗っぽいものになっちゃうのかな?等と余計な心配をしながら読み終えた。

  • 2017.3.28.

  • 日本一の業績をあげる商社になった鈴木商店。

    しかし、震災による不況や今まで店を支えてきた人々の喪失、資本主義という現代の波に乗れなかったために、倒れていく。



    どこまで、史実に基づくものかわからないけど、どの登場人物の人生も波乱万丈。

  • 鈴木商店のような日本を代表する会社が今住んでる神戸にあったとは、感慨深いものがあります。
    今も残ってたら面白いのになーと思う。
    惜しいね。

  • 鈴木商店はいよいよ世界進出を果たす。
    上巻にかわって下巻では女中で娘も同然の、珠喜が物語の中心になる。台湾での植民地支配のさなかに、意中の相手田川が巻き込まれ、拓海とようやく添い遂げたものの、そこに米騒動や大震災が襲いかかる。そして、昭和の恐慌によって、ついに鈴木商店にも終止符が。

    鈴木商店の女主人と大番頭の細腕繁盛記としてみれば、この下巻はややもの足りないのだが、おそらく創作と思われる部分のエピソードも涙を誘うものがある。

    下巻がもうひとりのお家さんの物語でもあるのだから、と考えれば、このタイトルは納得がいく。作者がのぼる日の出の勢いのよねと金子から離れた場所で物語を展開させたのは、あくまで中流階級で死苦惨憺する人々の生活を描きたかったからではなかったか。

    神戸を襲った焼き討ちのあとの情景は、阪神大震災を匂わせ、胸が熱くなった。

    鈴木商店がなぜ息詰まったか、事業の怖さについても触れられていて、ゆるいとはいえ、経済小説ぽくはある。

  • 最近テレビでやってたのかな。
    実話かフィクションかわからないところだが・・・
    最近国内の総合商社も元気がないが、こういういろいろなことがあって、今の姿があるのかと感じた。

  • 読んでよかった。それもまた良し。

  • 壮大な一代記。
    ちと長過ぎた感。
    【図書館・初読・7/30読了】

  • 日本経済の先頭にたっていた鈴木商店
    小さな砂糖問屋から始まり、繁栄し、倒産する
    実在した商社のお話です
    登場人物がみんな魅力的で一生懸命生きています

    私には田川さんの生き方が切なくて悲しくて。。。

    読みごたえがあり、最後まで商いです、いや、飽きないです!

  • 何とも人のご縁って巡り巡っているものだと理解した。登場人物の運命にも感じる事があるが、特に珠喜(最後の振返り)の運命には驚いた。

  • 一世を風靡した商社のパイオニアであった鈴木商店の女主人からみたお店の栄枯盛衰物語、波瀾万丈、感動もの。

  • 「桃の夭夭(ようよう)たる 灼灼たるその華 この子ここに帰(とつ)ぐ その室家によろしからん」は印象的な一句。
    天才的に事業を拡大してきた金子はんが、そのやり方に固執したがゆえに近代化に遅れて鈴木商店は没落してしまった。彼の人生は何だったのだろう。
    栄耀栄華を極めた鈴木商店が幕を閉じたときの、金子はんの様子をもう少し書いてほしかった。それが心残り。
    朝日新聞が捏造した記事により、焼打ちにあった鈴木商店。このころからすでに朝日新聞はひどかったのかと、うんざりした。

  • よねを通した鈴木商店の歴史。
    金子直吉がつくってつぶした会社というのはほんにその通りなんだな。
    ただ、なぜ潰れたとか、どれだけ近代化が進まなかったのかといった話はなくて、あくまでも小説。

  • 実在した鈴木商店の誕生から衰退までを、創業者の妻の目線で物語は進む。恥ずかしながら、鈴木商店のことはよく知らなかった。高校時代日本史はただ項目を丸暗記し、すべて斜め読みしてたってことだろう orz 明治大正昭和の初めに、財閥系じゃない商店が世界を股にかけ傘下に49もの持ち株会社を持つというここまでの規模で活躍していたとは・・・そしてそれが、若くして夫に先立たれた妻により率いられていたとは。時代の流れで、終わりを迎えてしまうけれども、その教えには私たちにも見習うべきことが詰まってる。一途で情熱的で波乱万丈な珠喜さんのモデルの方はまだご存命なのだろか。神戸に行ったら、ヨネさんと直どんの像を見たいな。

  • 下巻もしびれる。

  •  鈴木商店が大きくなり、倒産するまでをおかみさんの立場から語る話。正しい道と信じて進んでも、時代の流れには逆らえず古い考えは淘汰されていくということか。

  • ただただ真っ直ぐに。時代に翻弄され、政府に翻弄され、そして国民にも翻弄されそれでも信念をつらぬいた鈴木商店。
    お家さんことよねの器量と達観、金子の忠義と商売作法。いまの時代においてそれらは時代おくれと取られるかもしれないが、商売をおこなう誰もが自分の信念として持たねばならないものなのだと思う。

    本書は物語の下地が作られる上巻よりもそこで語られた人物たちがドラマチックに動き出す下巻の方が圧倒的におもしろい。
    小説の形を取っているので事実を多少は大げさに書いているかもしれない。それでも海外がまだ遠い存在だった明治、大正の世において、これだけ世界を相手に戦った会社があったという事実は閉塞するいまの日本を勇気づけるきっかけになるかもしれない。

  • 《2014年9月16日》
    大きな樹が倒れるときに新しい樹木も育つ。
    ただただ倒れていくだけじゃなく、倒れる前の種まきがあってこそやけど、、、。
    でも倒れるって事は悪い事ばかりじゃない。
    そんな気もする。

    《2010年12月11日★★★★★》
    まぼろしの商社・鈴木商店のトップとして生きてきた女性の一生。
    今の神戸市中央区あたりが舞台の話。
    激動な時代で波乱万丈な一生。
    それでいて、めげる事無く力強く生きて行く女主人よねと従業員達。
    神戸を知ってる人なら、知ってる地名もタクサン出てくるので当時の景色じゃなくても『あぁ、あの辺りやろぉな?』って想像しながら読める1冊。
    もちろん神戸を知らん人でも面白い1冊。

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著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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