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- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103784074
感想・レビュー・書評
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山場のオウムをめぐる解釈では高村薫の思いを3人の僧侶たちに存分に語らせているという印象を受けた。
彼女は物語の形を借りて自身のほとばしる思いを何とか収めようとしているような。
付いてこれる人だけ来てという感じ。
下巻では彰之の手紙に惹かれた。特に最後に残った何通かの手紙。
秋道が絵を描くことの意味と、起こした事件について問い続けるのをやめないことで言葉で近づき得るぎりぎりの線に到達している。
脇の人物像も個性的。
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合田よりも福澤彰之のキャラクタ性に惹かれた作品。
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オウム論に辟易。ただ、寺で何が起きていたのかというミステリは面白い。また別の作品で福澤彰之に出会いたいなあ。
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オウム真理教と仏教の関係をテーマに、宗教とは何かを考えさせる展開となっている。物語の内容の濃さもさることながら、宗教について解釈や考察をこれだけ詳しく書くには著者の膨大な調査・研究があったのではないだろうか。
先達の知恵を参考にしたり、さまざまな文化の背景を理解することを目的にして、宗教に関する本を読むことが最近多いが、なかなかわかりやすい本は少ない。本書は小説ではあるが、新興宗教についての知識を得るための良書といえよう。