- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103807032
作品紹介・あらすじ
おなかが空くと、いつもあのひとを思い出す。向田邦子、松田優作、樹木希林、深作欣二、久世光彦、佐野洋子、須賀敦子……かれらと囲んだ味や匂いは、やがて「私」の肉となり血となった。映画「それから」「失楽園」「阿修羅のごとく」等で知られる名脚本家が、端正と流露、闊達と余情に溢れた名文で回想する、芳醇絶佳たる〈おいしい自叙伝〉。
感想・レビュー・書評
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脚本家の筒井ともみ氏が、今は亡き映画人、表現者たちとの思い出を一緒に食べた(または食べたかった)ものにのせて綴る。
松田優作、向田邦子、須賀敦子…コンプライアンスもハラスメントも無用で悪しき時代のように語られる昭和時代の人々の、しかしいかに破天荒な鮮烈な生きざまよ。
芸能人に混じって、著者が通った下北沢「小笹寿し」のオヤジさんのエピソードが、とても無骨で温かく感慨深い。 -
もう少し食べ物の話しかと思ったが、それは控えめ。昭和の俳優や著名人との思い出とその昭和な時代背景と著者の心情がしっとりと書かれています。
松田優作は普段も松田優作で、和田勉のダジャレにはやはりみんな辟易していたのかとか。
須賀敦子は好きな作家だけに、エピソードが読めるだけで貴重。
1篇も短く読みやすい。脚本家という職業の苦悩もじわりと味わえます。 -
映画(ドラマ)と食べ物、どっちも好物。食べ物の話より、映画人とのエピソードが面白かった。特に松田優作と森田義光。
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思いがけず、自分にとって大切な一冊になった本。綴られている言葉一つ一つが、豪快で繊細な歴戦の女優や演出家、作家の生き様と一緒に、今の自分を励ましてくれる。
ずっとそばに置いておきたい。