みなそこ

著者 :
  • 新潮社
2.85
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本棚登録 : 228
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103910022

感想・レビュー・書評

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  • よう分からんなあと思いながら読んでいた。

  • (2016.09.19読了)
    3冊続けて中脇初江の作品をよみましたが、感動した前2冊とはかなり趣きが異なりました。
    帯を見ると「禁断の恋」「衝撃恋愛小説」といったことが書かれているので、一応恋愛小説なのでしょうか。
    実際には恋愛以外の様々な深いテーマが絡み、抽象的でわかりにくい感じがしました。
    でも、嫌いじゃないです。
    なんとなくまあまあでした(^_^;)

  • 触れたら壊れてしまいそうなほどの繊細な筆致。行き場のない想いを記した言葉たちの余韻。ゆっくりと、あぶりだしのように主人公の感情を浮き立たせてくるそのテクニックには酔いしれた。随所で感情を揺さぶられるような表現もあって、はっとさせられる。ただ残念だったのは、少年と主婦との恋愛感情に共感できなかったし、息苦しいほど精緻な田舎の描写にも、さほどの郷愁を覚えることができなかったことだ。ピアノの件とか、音楽室の件とか、同じようなエピソードが繰り返し現れるのにもちょっと食傷気味。最後のまとめもちょっとしつこかったように思えた。
    「沈下橋」が重要なキーワードな物語でした。

  • 中学生の男の子が母親の幼馴染を好きになる‥ないわぁ
    「きみはいい子」だけが別格で良かったのかな?

  • 本屋大賞第3位「世界の果てのこどもたち」がなかったんでとりあえず中脇さんどんなもんかと新刊をチョイス。
    雰囲気はなんとなく煮え切らない柴崎友香のようでもあるがなんといっても文章の彩が素晴らしい。四万十の川の流れと沈下橋をモチーフに水面のように揺れ動く心の機微や恋情、浮いては沈む人生の儚さを風景画の如く鮮やかに描き出す筆力に圧倒された。
    ただ残念なのが描き出されるヒロインがクズ女過ぎるということで…全くもって何やってんだがわからない惨状で感情移入などまずムリ、これでは作品も台無しだわ。
    でももう少し追ってみたい作家さんではある

  • 我慢して読んだけど挫折。主人公を好きになれない。夫に甘えた奥様が実家に帰って親に甘えながら親友の息子に甘えてるという信じられなく気持ち悪い話。ピアノとか蜘蛛とか自然とかも背景に描かれているがなんだかこの主人公いい年して何考えてるのかわからない。

  • 不倫という言葉ではない、本当にたったひと夏の、たった一瞬の思いの寄せ合いと言うかなんというか・・・・
    このりょうとさわさんの関係を不倫というような言葉では言い表せない何か・・・・なんとももっやとするようでいて綺麗な清流のように澄んだ感じも受ける不思議な話。

    もっと深くまで関係が進んでほしいとも途中少し思ったけど、それだとただの不倫話になる。
    りょうの年齢もあえて13歳。
    この若すぎるようでいて、これからどんどん大人の男になっていくのぼり出しの年齢がまた話にいい味をだしているのかも。

  • 913.6ナカ 2015.7.18 感情移入できず挫折

  • 四国の郷里へ娘とともに里帰りしたさわは、親が家を売りその郷を出ることを知る。去来するさまざまな思い出とともに、惹かれてやまない少年とのひとときを描いた物語、です。
    繰り返し描かれる少年とのほのかな…それでいてどこか扇情的な恋情に揺らめかされながら、かけがえのないふるさとでの思い出のひとつひとつに、主人公とともにたゆたうように読めたお話でした。
    故郷で過ごすうち、忘れていた記憶、忘れたふりをしていた記憶が混ざり合いよみがえっていく。それはとても大切なものであるときもあれば、傷ついた自分を思い出すこともある。けれど、どちらにしても、今の自分を構成する大事なかけらたちだったのは間違いのないこと。その危ういきらきらしたものたちをひとつひとつすくいあげたような、物語です。
    少年との恋愛…といっていいのかわかりませんが、これはいったいどこまでどう本気なのか仄めかせているだけなのかと思っていたら、わりとそうだったのかという展開になっていき、いやいやそこまでどうしてのめりこむの?という理由については、少しわからないなと思うところがありました。年齢差がいかんせん…まあ、だからこそのあやうさが魅力的でもありましたが。正直言って私は嫌いではないというかドキドキしました。橋のシーンはとてもきれいで切なくて、かつ、ひどく残酷な場面でしたね。
    正直、ラストの主人公がいたった境地(そもそも彼女はいろいろ悟り過ぎでは…)がいまいちわかりかねましたが、あたたかなようで裏もある人々とのひとときを淡々としているようで実はねっとりと描いている、そんななかなか一筋縄ではいかない話だな、と思いました。

  • 田舎の故郷で過ごす最後の夏の日々。
    沈下橋の向う側にある実家に帰省したさわと娘のみやび。

    かつて同級生だったひかるは離婚して息子二人とともに、戻って来ていた。
    ひかるの長男のりょうがさわに寄せる思いを知りながらも、彼がひかるのお腹の中にいるときから知っていることへの喜びと、戸惑い。

    ピアニストになりたくて、なれなくて、ピアノ教室の先生で満足した自分の挫折と栄光。
    一番好きな人はいつだってたった一人しか作れなくて、年を重ねるごとにそれは変わっていくことの罪悪感。

    文の最後がいつも悲観的で感傷的だった。
    りょうの恋心を知っていながらも、自らも同級生の息子にたいする気持ちを知っていながらも、結局は失いたくないものたちの元へと帰っていくさわの残酷さを感じてしまった。

    エロいね。どうにかなっちゃえばよかったのに!(ぇ
    時間も過去も取り戻せなくて、歯がゆい感じ)^o^(

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著者プロフィール

徳島県に生まれ高知県で育つ。高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作、昔話を再話し語る。昔話集に『女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし』『ちゃあちゃんのむかしばなし』(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、『つるかめつるかめ』など。小説に『きみはいい子』(坪田譲治文学賞)『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』『神の島のこどもたち』などがある。

「2023年 『世界の女の子の昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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