観光の哀しみ

著者 : 酒井順子

• 新潮社 (2000年7月1日発売)

作品紹介・あらすじ

大仏を見上げる半開きの口。温泉に泊まった翌朝の、はだけた浴衣、ホテルの浅いバスタブに横たわって眺める自分の腹。…楽しいはずの旅行者を突然襲う哀しみの正体とは。

感想・レビュー・書評

[Koikatsさんの感想 · 2024年5月1日]

「しかしそれでも私は、泣きながら観光をします。呼ばれてもいない上に、行きたくもない場所に違和感を覚えつつ、行き続けるのです。それというのも、観光で「ああ、楽しいなあ」なんて思う気持ちと、旅行の終わりに必ず感じる、あの脱力感と虚無感が入り交じったような哀しみとの落差に、身を任せるのが好きだからなのかもしれません。
楽しかったことはすぐに忘れるけれど、悲しいことはいつまでも残る。…そう、「哀しみ」とは、「愛しみ」でもある。」

[おこめさんの感想 · 2015年11月29日]

　旅ではなく、”観光”。

[yn1124さんの感想 · 2014年1月2日]

分かるわかる、と全体的には面白く読んだけけど、たまにげんなりする（もっと素直に観光を楽しめばいいのに、と心で突っ込みながら）。

[rcnさんの感想 · 2013年5月5日]

03050

旅や観光地にまつわるさまざまなアイテムのおかしさ、ダサさを描写したエッセイ。観光地やその付属物、そこに集まる観光客たちのおかしな行動を取り上げつつも著者自身が観光好きのせいかどこか温かい視線が感じられる。旅行というものが本質的に持っている虚しさをベースにしていて、それは生きていくことにも通じるような気がする。

[中目黒鮫太郎さんの感想 · 2011年7月16日]

要するに市民社会における観光旅行全般についてツッコミを入れるという内容だが、全然おもしろくない。しまいには当時メディアで話題のタレントについて、テレビ番組から得たイメージだけで勝手に「勝負」させていたりして、まあ雑誌コラムとしてはこれが通用した時代があったのだろうけれども、今となっては頭がおかしいのではないかという感想しかないね

[icecreamerさんの感想 · 2010年9月26日]

◆呼ばれてもいないのに勝手に来ているという哀しさ

[もぐさんの感想 · 2009年11月11日]

いやーおもしろかった！
旅行に行ったときの気持ちを、これでもかこれでもかと書いてくれるからさ、心の洞察力があるひとだな。
人間くささを知るには、いい本ですわ。
今度旅行行くとき、絶対感じちゃうよ。哀しさを。

[ボヨ子さんの感想 · 2009年11月3日]

ああー、ああー、と頷けることばかり。
観光地にいるときに感じていたなんだかモヤモヤした気持ちの正体はこれだったんだ！とスッキリした気分になれました。
ああ、もう逆に旅立ちたくなりました。
しかし装丁、もうちょっとなんとかならんかね。

[eriiiiiさんの感想 · 2006年2月5日]

どんなに馴染んでるふりをしようと、観光客は観光客でしかない。そのことを前提に非日常を楽しむ事、それが旅行の醍醐味なのです。

[老鶲さんの感想 · 2005年1月31日]

何だか哀しい旅を求めて歩いてるようで、読んでて哀しくなる。　私はそんな旅は嫌いだかんね。

著者プロフィール

エッセイスト

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」