- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104022038
作品紹介・あらすじ
欧州の各都市で胎動し始めた二十世紀とは何だったのか-。1900年のパリ万国博覧会を訪れた『坂の上の雲』(司馬遼太郎著)の主人公・秋山真之、留学途上の夏目漱石。ロンドンには南方熊楠、ウィーンには青山光子…欧州の新しい息吹を熱い思いで受け止めた若き日本人の精神を、「二十一世紀への眼」という遠近法で凝視し、現代を問うた渾身の書。
感想・レビュー・書評
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再読。初読2006
明治時代の日本人に関心を持つきっかけとなった本。国のことを考え、動く人、時代。
世界に学んだ日本人
それぞれの人に関心を持つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20世紀は何の世紀だったか?21世紀に入った直後はこのような言葉がテレビだけではなく、会話でもあったが、「21世紀は何の世紀か?」というのは意外なほど少なかったように思う。
本書は1900年、つまりまさに19世紀末のヨーロッパに渡った日本人を中心に、短編映画のような構成で「当時の人の示唆したものから何を学び、21世紀に向き合うか?」を考察した一冊である。
登場するのは夏目漱石や南方熊楠、秋山真之、小村寿太郎、西園寺公望、ケインズ、ヒトラー、フランコ、ムッソリーニなど誰もが耳にしたことのある人物ばかり。
ただし、我々が歴史の教科書やイメージだけで抱いているのとは異なり、当時の社会や一つの点を歴史的なスポットライトも当てながら考察するのは、筆者が商社出身であり、多くの国を歩いてきたからであろう。
19世紀末に登場人物たちは20世紀の幕開けの空気を感じ取り、単なる流れに流されることのない基軸を持った。
そして現在。100年前とは比べ物にならないほど情報がリアルタイムで交錯し、単なる薄い内容でしか判断できなくなっているのではないか?
社会においても経済においても多角的な視点を持つことの必要性を感じさせられた1冊である。 -
メディアにもよく出ていることからよく見る顔。
21世紀を生きるにあたり、1900年という時代に焦点を当て、その当時の日本人の思考はどのようなものだったのか。ヨーロッパから日本を見た時1900年とはどのようなものだったのか。20世紀を迎えるにあたり、その当時の思考や環境、結果を考察し、21世紀を生き抜く糧とする1冊。
非常にロマンのある1冊である。ゆっくりそして何度も再読したい1冊。