- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104474028
作品紹介・あらすじ
ビール会社の若手宣伝部員のオレに突然下った転勤辞令。左遷先は売上最低、上司も無能な地方支店。田舎のドブ板営業を舐めきっていたオレだが、毎日酒屋へ足を運ぶうちに、やがてビール営業の面白さに目覚め始める。売らされているうちは半人前、自分で考えて売っていくのが営業の醍醐味だ!全国約3000万人(推定)の営業マン&ウーマンに贈る青春爽快物語。
感想・レビュー・書評
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ビールやウイスキーを製造販売するスターライトの宣伝部で働くエリートサラリーマン上杉は、素行の悪さから広島に飛ばされ、営業の仕事に就くことに。再び宣伝部に戻るのを目標に、上司の柴にしごかれながら、時には失敗もしつつ仕事をこなす。王道のサクセスストーリーかと思いきや、意外とそうでもなく、ストーリー全体の勢いも弱いような…主人公の上杉も、結局はなにを行動したのか?というと、目立ってなにもしていないような…周りの人々の力添えばかりが目立って少し物足りなく感じました。柴さんの最後も、それでいいの?とモヤモヤしつつ読了。
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思ってたのと全然違う内容でした!!! 笑
面白い面白くない以前に、思ってたのと全然違うかった。
先日、荻原浩氏のお仕事小説を読んで、
「あー、これは男性が男性のために書くお仕事小説なんやろうなあ」
と、思ったけれど、今回はよりいっそう、男性が男性のために書くお仕事小説やった。ちゅうかこれ、ノンフィクション?
時代背景にもなかなかついていけず、そうかこれは1980年代の話ってことなのかなと思ったのは半分ぐらいすぎてから。
初版は2006年やのに、「ビールは瓶が主流」とかいわれても
「?」
ちゅう具合。
お店に行って缶ビールが出てきたら、銘柄、国産問わず
「そりゃないやろう」
と、思うけども、この小説に出てきたように、女性でも飲みやすい缶ビールが世の中に登場してくれたのは大変ありがたいと思います。
(缶ビールを飲みながら)
ビールは仕事をしてる男性が家庭での楽しみとしてたしなむもの、ちゅう認識しかないままやったら、今こうやって自由にビール(第三のアレやけどな…)を飲めなかったんやもんなあ。
ビールを売らなあかんかった人が、ええ加減そんなおっさん相手だけやったら市場がなくなるってことで、女性もターゲットにいれてくれたんやろうな…。いやもうありがとう。ほんまありがとう。
この小説は題材こそビールやけど、作中で「日本の会社員生活なんてホモ」と、ぶったぎったのはちょっと笑ってしまった。
ホモっていうか…(笑)。
お武家さんの時代も男色はあったらしいから、結局男性ばっかりがよるとそういう関係になってしまうんですかね。
ほんで、それをええ具合にキレイに解釈して楽しむのがあたしら女性っていうかね…(笑)。
需要と供給ができてるやん、女性蔑視のつもりかもしれへんけど、蔑視されてるこっちは充分楽しんでおりますので…(遠くから)。
いつも疑問やけど、それは男性特有のものなのか、女性だけでもそういうことになっちゃうのか。
同性しかいなかったら、恋愛対象を同性にするしかないもんねえ。
同性同士ってらくやけど、らくなぶん、えげつない部分を見せることにも抵抗がなくなるから、こんなふうにドロッドロの会社が出来上がってしまうんかな。
まあそんな具合のお仕事小説でした。ヤのつく職業の人が出てきたり、酒に酔ってむちゃくちゃしたのが
「骨がある!」
みたいに好かれるような展開が
「ないない~!!」
「ちゅうか、男性的~!!」
って思ってしまったけれど、ほんまにこういうノリなんかな。当人たちのテンションが統合するのなら全然かまわへんと思います。
裸を見せ合ってこそ男!! みたいなノリな…。
これは、女性にはないわ。たぶん。
それも時代かもな。昨今はここまでこう、なんやろうね、ワーッとしたお祭テンション? ではなさそう…。
当時のバブル絶頂期と重ねて読んだらまた違った入り方ができたのかもな。
なんかし、途中までは作風を掴むのに苦労した。笑
掴んでからは
「ハイハイ、バブル期の話ね」
とか思って読めたので、最後の広島駅での万歳三唱とかも
「あったんやろうな~」
と、思って読んだ。
私はギリギリバブル期にかすってへん(けども、バブル期に生きてはいた)ため、どうしてもバブル期スゴイ、あの時代に大人でいたかった、と、思ってしまう。
「真面目はだめ、不真面目もだめ。非真面目がいい」
と、いう社会人の定理も、おおお、と、思う。
たぶん、そういう気概は今の世の中にはないよ。
そもそも会社のためにプライベートを使うっていう考え方すら(この時代に比べると)皆無やと思う。
非真面目であることの意味合いが分かるのは、私らが最後の世代かもしれへんなあ。
90年代後半の就職氷河期初頭に就職した私らは、バブル期とはじけた後のちょうど境目やった。
プライベートよりも仕事と言えるほどには仕事は充実しておらず、かといってプライベートを優先できるほどにはプライベートも充実していなかった。
そんな感じ。
もっと若い世代になると、自分自身で「打ち込むもの」を、見据えて社会人になるので、堂々とプライベートを優先できるんやろうなあと思う。
どっちがどうというわけではなく。
それでも、私はバブル期のほうが憧れるかもな。だって、楽しそう…。ハイリスク・ハイリターンやから、体力はいりそうやけどな…。
とりあえず柴さんの展開が急すぎて、そこだけが違和感かな。なんか柴家の人が一番の犠牲者のような…。
(それはそれで違う物語があるのよね)(たぶん)
柴さんは「弱い」かなんか表現されてたけど、そういうことなんやろうなあ。ギラギラしてへんと、この時代の波は超えていけなかったんかもな。
ほしたらまあ、私ははじけた後でよかったのかもな。笑
なんかし、面白かったよ。波乱万丈具合が日曜ドラマにあいそう。
タイトル通り、ビール会社の話なのでそこらへんはたまらんかったな(笑)。読んでたらビールが飲みたくて飲みたくて!
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■嚆矢 こうし
物事のはじめ。
■橋頭保 きょうとうほ
1 橋のたもとに構築する陣地。
2 渡河や上陸作戦のとき、上陸地点に確保し、その後の作戦の足場とする拠点。
3 事に着手する足がかり。よりどころ。
■斥力
二つの物体間で互いにしりぞけ合うように働く力。反発力。
■挙措動作 きょそどうさ
日々の行動、立ち居振る舞いのこと。 -
ビールシェアで苦戦を強いられるスターライトの巻き返しを図る企業エンタメ小説。
時代は1980年代、瓶ビールが主体だった頃。
酒癖の悪さから花形の宣伝部から、営業成績最低の広島支店営業部に飛ばされた上杉朗。
最初こそ腐っていたものの、良き先輩に囲まれ、広島から缶ビールの新しい販売戦略を立ち上げようと奮起する。
しかし会社の古参や副社長派の瓶ビール主体派などの抵抗に遭うが、培った地元の人脈と同じ気持ちの社員とで広島での缶ビール販売を盛り上げていくサクセスストーリー。
社会派企業小説で期待しましたが、キャラが濃いわけでもなく、会社の汚さが目立つわけでもなく、なんかもう一つ魅力が欲しいところ。 -
サントリーですか。江分利満氏が目に浮かぶ。トリス飲みましょw
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ビール会社スターライトの花形・宣伝部から、広島の営業部へ突然左遷された主人公、上杉のお仕事小説。上杉が次第に成長していく姿や、周囲の人々との交流、なんとも読んでいて清々しいお話だった。
ただ、時代が現代だと思っていたので、読みながら違和感半端なかった…。昭和のお話だったのね!納得!
それにしても黒岩社長が本当にいい味出していたなぁ。こういう人が傍にいてくれるって、本当に心強い。
スターライトの今後はどうなるのかな。時代は変わって、2015年現在の会社の模様を知りたいなぁ。ビール情勢も色々変わっていることだろうし。主人公を変えた現代版、読んでみたいなぁ。 -
昨今ビールは醸造ということを結構推している。日本酒適合米を使って仕込んだり。プレミアムビールも増え「とりあえずビール」は昔のことになりつつあるのかな。醸造家に思いを馳せながら神戸限定づくりを一本。
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ぅんぅん、なかなかよかったよ。
人ってそんなに変わるもの??と、やや途切れた感覚がなくもなかったけど、なんていうか、半沢系。青春会社劇。
何事にも素直に、一生懸命取り組むと楽しいよ、そんな感じの本。ハードカバー、大きく見えるけど、ものすごいサクッと読めた。
最後、やや物足りない感はなくもないけど、でもまぁ、小説・ドラマとして読むには十分だよね。 -
ビール会社の花形宣伝マンだったが
女性関係の失敗が原因で広島へ左遷され、
成績不振の広島で慣れない営業に苦労する。
左遷され、くさりかけていた主人公が
広島・福浦での営業を通して
周りの人に助けられながら成長していく話。
瓶ビール主流から缶ビールへの転換期の頃を書いているので、今から少し前の話のようだが、
営業マンの苦労は今も昔も変わらないと思う。
本当の世界はこんなにとんとん拍子に上手く行かないと思うけど、小説としては夢があったほうがいい。 -
ビール会社の宣伝部長が突然の転勤で広島の営業をやることになる。
始めは営業をなめていたが、人の暖かさや、営業の面白さにふれ、主人公『上杉』は心を動かされる。
営業の仕事がおおよそわかった。業調や店周りなど体力的に厳しいところがある。しかし会社の怠惰なところを変えようと奮闘するところがよかった。商品に対するプライドというより、仕事に対するプライドをもっていればいいのではないかと思った!