- Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104491032
作品紹介・あらすじ
「自我自讃」に「自画持参」、「短刀直入」、一番大切な漢字を決める……文字モジした言葉エッセイ集。「俺」と「僕」には「人」がいるが、「私」の中には不在の「人」。「禾」が「人」になると「私」は「仏」、死して「私」は初めて「人」になる? 絵文字の元祖、(笑)(怒)(仮)につづく( )内の新顔、あらゆるところに潜む「心」、一番偉そうな漢字、文字を売る店……クラフト・エヴィング商會の物語作者がカラーイラストつきで綴る、日本語の愉しみ方。
感想・レビュー・書評
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昨日、美容院で
隣に座って、パーマをあてていたお客に
美容師さんが
雑誌を差し出していた。
「時間まで少しお待ちください。」
それは良くある女性週刊誌の類であったが、
ふと。
(時間まで少々お待ちください、と言われ、
差し出された本がもしも『辞書』だったら…。)
などと、アホな事を想像し、
思わず吹き出しそうになった。(^^;
が。
この本の著者なら
「あ~、どうも、どうも!これがちょうど読みたかったのです!」
と、言ってたいへん喜びそうな気がする。
字遊びのフィールド本♪
私も辞書はOKなほう。(重いのが多少難ですけど。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吉田篤弘さんの「文字」についてのエッセイ。
謎かけのような、駄洒落のような、漫才のようなあれこれ。
エッセイというジャンルの懐の深さに感嘆する。
漢字と英単語はある時まで暗記するものだったのに、いつから「どうして?」と考え始めるようになったんだろう。
いや、正確には、「どうして?」と言うのをある時にやめて、黙々と書き取りを始めて、またある時に「どうして?」が復活した。
たぶんそれは書き取りをしなくてよくなったのと同時。
吉田篤弘さんは私なんかよりもずっと前、ずっと深いところを探検している。
読んでいて、「そんなところまで行っちゃいましたか!」と驚いてばかりだった。
早く追いつきたいなと少し焦るけれど、吉田篤弘さんが見つけていない小道に寄り道しながら、私は私のペースで探検していきたいとも思う。
たまには今どのあたりにいるのかエッセイで教えてくださいね…。とお願いしながら。 -
文字にまつわる短いお話が、全部で24個。
吉田さん流の言葉遊び、文字遊びに翻弄されてしまいます。
普段何気なく目にする漢字を、じっくり見つめて、手に取って眺めて、ちょこっといたずらなんかしちゃったりすると、こんな豊かなストーリーが生まれてくるのだなぁ…と、思わずため息がこぼれました。
図書館の分類上は914.6(エッセイ)に属するようですが、物語を読んでいる感覚でした。
時にユーモアのセンスに感心し、時にう~むと考えさせられ、時にくすっと笑いがこぼれる。
ほっこりした気持ちになりつつも、あそび心がうずうずしてくる本でした。 -
ひさしぶりに
地元の図書館に寄ってみた
「あまり…」
という感じをてつも抱いてしまうので
めったに寄らないのですが
「エッセイ・随筆」というコーナーがあって
何気なく 眺めていた時に
目に飛び込んできた一冊
本の大きさといい
装丁といい
手にした感じと言い
ちょいとページを開けて
おっ これは これは
とさっそく家に連れて帰って
まだ 梅雨の気配が遠い
青い空が広い そよ風の日に
窓辺に椅子を持ってきて
いよいよページを繰る
まさに
こんな日の為に
あるような 一冊でした -
漢字に纏わるお話。
一文字で表現できる奥の深さ、その成り立ちや組み合わせ、展開の広がりは無限ではないけれど、探検するには十分すぎるほど。
漢和辞典が愛読書だったわたしに、とっておきの一冊。 -
漢字にまつわるエッセイのようなおはなし。改めて漢字を眺めて書きたくなる。
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字の向こうには必ず人がいる。
当たり前のことに気づけなくなった時、ここに戻って来たい。
まるで落語を聴いてるような心地よさの本でした。
1 何かを書く時はその先に必ず人がいる。
2 「門」この字の向こうに行くことを想像してみて。結婚おもしろい -
言葉・文字遊びが、楽しく面白い。
漢字から広がる24のお話に、
笑えたり考えさせられたり。
「月」は特に心に残った。
普段あまり気に留めてなかったことも、こんな風に考えたら、そうだよね、いつもそばにいたのは「月」だった。
装丁も、イラストも、素敵。
読み終わっても飾っておきたい◎
「文字を買う」「心さみしいときは」「感じ」「月」「てきとう」「うかんむり」が特に◎ -
漢字を主題にした作者得意の言葉遊び満載の小話集。エッセイという書いてあるが、落語のような明確なオチがある話も多いので、物語と言っても差し支えない気がする。連載していた冊子に合わせた横長の版型が珍しい。