湖の女たち

著者 :
  • 新潮社
2.82
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本棚登録 : 922
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628070

感想・レビュー・書評

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  • 殺人事件の周りの様々な人間模様を取り上げているが、なんかどれも中途半端なような。
    最終的に犯人は暗示されて終わるが、それで終わり。うーむ、という感じです。

  • 琵琶湖畔にある高齢者介護施設で、止まるはずのない人工呼吸器が停止し、100歳の老人が死亡した。
    事故か、事件か・・・介護施設で介護士として働く女、事件を追う刑事、まったく関係のない取材中に事件に遭遇した雑誌記者、という、異なった視点から、物語が展開する。

    社会派ミステリーのような舞台設定なのだけれど、性的に倒錯した関係性が生まれたり、捜査が暴力的な要素を帯びたり、物語が複数の要素をはらませながら捻じれ、その捻じれ方がまた不穏で、いったいどこに帰結させるつもりなんだろうかと不安になってくる。
    語り手となる主人公たちが不安定過ぎて、物語もまた不安定に揺らがされる。

    かつて満州で起きた恐ろしい事件が物語の影のようにそっと付き纏い、ぞっとするほど美しく冷たい北の湖と、琵琶湖が重なり合い、物語は幕を閉じる。

    読み終えた後に、像を結ばない影のような印象が、胸に残った。

  • 琵琶湖近くの介護療養施設で、100歳の男が殺された。刑事と容疑者、出会うはずのない男女の人生が交差する。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ね…。

    薬害疑惑、731部隊、SM、少年犯罪?…様々なエピソードが吉田修一の巧みな筆さばきで描かれていく。でもそれらが最後に融合することはなく、描かれっぱなしで終わってしまった感じで、読後はスッキリしなかった。
    (Ⅽ)

  • 21/07/03読了
    刑事両名の思考がわからなさすぎてどう読んだらいいのか。。

  • あまり好きではない話

  • アカン、何言いたいかさっぱりわからん。もはや読破した自分に「よく耐えた」と言いたい。

  • 介護療養施設で入居者が心肺停止状態で見つかった。
    人工呼吸器の不具合か、スタッフによる操作ミスか。
    いろいろなことが交差し歪み始める。
    シーンとした湖の底には
    捨てられた人間の欲情が蠢いていたりして。
    恐ろしい。
    それにしても刑事の濱中圭介、嫌なやつだな。
    そして先輩である伊佐美の正体は?
    プツっと切られてしまったその者たちの人生も読んでみたい。

  • それなりに評価の高い作品と思ったが…
    主人公?の刑事に全く感情移入できない。警察の負の部分を描こうとしたのだろうが自分には合わなかった。

  • 評判だった本だけに読んでみたのですが、久しぶりにモヤモヤ感が残る摩訶不思議な展開の内容に思わずウ~ンと唸ってしまう作品でした。
    評価は真っ二つに分かれる作品だと思います。昔の人体実験が絡むお蔵入りした事件が時を超えて、その事件に絡む人間が事故なのか?殺人なのか?という事件で死んでしまうことから過去のお蔵入り事件との関連性を追い求める刑事たちの奮闘とも言える内容なのですが、謎のサイドストーリーが摩訶不思議な感覚へと誘っていき、最終的には、いままでのサイドストーリー的な話が実はまったく繋がりがないという衝撃の展開でした!
    正直どう評価していいのか悩む作品ですね!
    ただ不思議なミステリーを体験したい方は、読んでみる価値はある作品だと思います!

  • 一線を越えておかしくなる人。
    暴走する人たちの表現がすごい。
    狂気が描かれている。

    理性、倫理とのせめぎ合い。
    理不尽や諦観。
    いろいろなことが積み重なってよどんでしまうけれど、最後は罪を暴くというところに向かって終結していったので読後感は悪くない。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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