どんな小さなものでもみつめていると宇宙につながっている 詩人まど・みちお100歳の言葉
- 新潮社 (2010年12月22日発売)


- 本 ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104641024
感想・レビュー・書評
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しみじみとおもしろかった。
まどさんの言葉は短いのに、なるほどと納得したり、
考えたりさせられる。
短いからこそ、入ってきやすいのかもしれない。
味わって読みたい一冊である。
〇3年間書きためた日誌や植物記を命令によって自らの手で焼却させられる(p120)
☆戦争中のことが明らかにならないように命令されたのだろう。自分の日記って、見返してみると自分の書きとめたことあまりにも幼く、嫌になることもあるが、自分が書いたものを捨てるときにはよくよく考えなければならない。代わりはない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぱっと目に入ったタイトルに、ぐあっと心をわしづかみにされました。
読まずにはいられない気持ちにさせられちゃったのです。
まど・みちおさんの言葉がやさしくやさしくしみこんできます。
ふしぎだと思うことを気のすむまでふしぎがること。
私たちは「宇宙の意思」のようなものに生かされていると感じること。
まどさんが、自然や宇宙の大きな大きな力の前に頭を垂れ、謙虚に、それでいて溢れんばかりの好奇心をもって言葉を紡いできたことが伝わってきます。
こんなふうに世界を感じながら生きてみたい。
こんなふうに世界を感じられる人とともに歩みたい。
そう思うのです。-
「ぐあっと心をわしづかみに」
素晴しいですよね。。。
NHKスペシャルで見たのは一昨年でした。
http://www.nhk.or.jp/s...「ぐあっと心をわしづかみに」
素晴しいですよね。。。
NHKスペシャルで見たのは一昨年でした。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100103.html
ってコトは102歳?2012/04/18
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「どんな小さなものでも みつめていると 宇宙につながっている」
誰でも一度は触れたことのある、まどさんの言葉。(童謡「ぞうさん」などはまどさんの作詞)
易しい言葉で真実を追求するのって実はすごく難しいことだから、それが出来る人たちを、最近になってますますすごいと思うようになった。
まどさんが発したほんの短い言葉を集めた、格言集ほどは堅苦しくない言葉集。
まどさんはとても、「郷愁・懐かしさ」や「この宇宙上での自分という存在の小ささ」を心に置いて詩作をしていたのだということが分かる。
そしてそういう感覚って詩だけじゃなくて、小説や歌詞や詠や、あらゆる文学においてとても大事なのだと思う。
自分にとっての懐かしい場面。
まどさんは、「どくだみの匂い」や「電信柱が遠近法で小さくなっていく場面」にとりわけそれを感じていたそう。
私が一番に思い浮かぶのは「夏の真っ赤な夕焼け」で、それを見ると、小さい頃自転車に乗って友だちとプールに行って、その帰り道駄菓子屋で買ったアイスを食べながら帰る時のちょっと疲れてるんだけど充実した気持ち、を思い出す。怖いくらいの真っ赤な夕焼けがあって、少し涼しくなり始めた空気があって。
風景、匂い、色、気持ち、いろんなところに懐かしさは潜んでる、と思う。
そういうものを言葉で表すことが詩作につながるのだと、改めて思った。
まどさんは100歳を過ぎても自分にはまだまだ何かが出来るはずだと信じていて、まだまだ新しい発見があるはずだと感覚を研ぎ澄まして生きていた。
その3分の1程度しか生きていない私が枯れてる場合じゃない、と思わされたり。笑
でも真剣に、そういう気持ちを持ち続けるって大切なことだと思う。
同じものを見ても違うことを感じられる日々があって、ちっぽけでも出来ることがないわけじゃないと信じられる心がある。それはとても、素晴らしいことだ。
一昨年104歳で亡くなったまどさんは、きっとその日まで変わらないでいたのだろう、と思う。
小さくても「はっとすること」を大事に生きたい。歳とともに衰えるなんて、思ったらそこで終わっちゃうんだ。 -
まどさんは童謡「ぞうさん♫」や「やぎさんゆうびん♫」を書いた詩人です。「小さいものほど大きな理由がある」と語るまどさんは、歳を重ねてもこどものような純粋で深いまなざしをもってこの世界をみつめ続けています。どんな大人にも必ず心のどこかに童心が眠っているはず、それを呼び起こしてくれる言葉の宝石箱です♪
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思わず手に取って借りた本!
まどみちおさんの考え方が素敵で
一気に読めた♡
いくつになっても詩を書き続ける。
いくつになっても疑問を持ち続ける。
自然に触れて、ふとしたことを詩にする。
こんな人間味にあふれた人はいるんだろうか、、。
言葉の重みをすごく感じた1冊!!!
『子どもは本当に言葉の天才です。』 -
やっぱり、まどさんの考え方が好きだ。
「マンネリの中にマンネリでないものを見つけ出すのが、おれが生きている証拠になる」という言葉が印象的だった。同感。お金もちとか、権威があるとか、そんなことよりも、このような考え方を持てることが本当の「豊かさ」だと思う。
人は自分たちのことしか考えていない。動植物やモノすべてにもっと敬意をもっていなきゃいけない。自分たちだけが生きているなんておこがましい話だ。人権はあっても動植物において「生命権」がないのはおかしい。
自分はゴルフをやらない。一切やる気にもならない。大きな土地、自然を切り開いて、人間がのうのうと楽しむというのが、気にいらないからだ。 -
P40「私は人間の大人ですが、この途方もない宇宙の前では、何も知らない、小さな子どもです。そして子供には遠慮はいりませんから、私は私に不思議でならない物事にはなんでも無鉄砲にとびついていって、そこで気がすむまで不思議がるのです。」
P40「小さいものほど大きくて、大きいほどちっぽけである。小さいものほど、大きな理由がある。」 -
まどさんの著作などから言葉を集めた一冊。
ジャケ買いならぬ、タイトル買い。ものの在り方にことばで迫る感覚を体験できた。
厚くはない本だけど、触れ続けたいことばはたっぷり。 -
読み終えた後、自分が宇宙に生かされていること、存在しているもの全てが尊いと感じる自分がいました。不思議な本でした。
著者プロフィール
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